発電機室が地下にあって、地下駐車場に面しているため、
駐車場へ降りていく車路を通じて、ゆっくり、ゆっくり、
搬入していきます。
下部に丸木のコロを敷いて、徐々におろしていきます。
1tonくらいの重量があるので、下で誰かが支えるのは無理です。
上部からワイヤーで支えながら、チルホール(手動ウインチ)で、
ちょっとずつ緩めながらおろしてていきます。
螺旋状のスロープを下ろしていくので、結構苦労するものです。
新築する際に、何十年に一回のこのような作業のために、
ルートをあらかじめ確保しておくのは難しい(無駄と言っても過言ではないかも)
ものですから、どうしても困難を伴う作業が多くなります。
このようなスロープさえない場合には、上部床スラブに大きな
開口を開けるなどして躯体を破壊する必要が出ることも。
まあとにかく、大変なのでした。
搬入を専門とする業者さん、職人さんたちは、異なる現場の
異なる要請、異なる困難に、いつも立ち向かい知恵を絞り
結果を出し続けているのでした。
一般の誰の目にも留まらないし、誰も気にしてくれないかもしれませんが、
とてもとても重要なお仕事の一つです。
新築計画に際しては、
「建物のライフサイクルの中には、必ずこういう事もある」
という意識は持っておくと良いでしょう。
「更新を要します」という段になって、
「そんなこと、気にしたこともなかった」
なんて言う事のないように。
まあ、意識を持っておくだけで、
具体的にどうこうする必要性は小さいのですけれども。
大規模な工場や病院など、大型機器類の搬入搬出が頻繁に生じるような建物の場合には、
絶対に考慮しておかなくてはなりません。
(「大型発電機を搬入する」おわり)
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