これは、長く言えば『水熱源ヒートポンプパッケージ形空気調和機』ということになります。『水熱源ヒーポン』と略して呼ばれます。
『空気熱源ヒーポン』は、室外機を置いて外気と直接熱のやりとりをするのですが、
『水熱源ヒーポン』は、水配管との熱のやりとりをします。
『熱源水』と称する水配管(行きと帰りと2本が必要です)を張り巡らせ、1台1台の水熱源ヒーポンに接続します。
熱源水は、夏なら冷却塔を通して外気に放熱し、冬ならボイラー等で暖めて、各水熱源ヒーポンでやりとりする熱エネルギーを補います。
メリットは、
・冷凍機を置かなくても冷房ができること
・冷水のような冷たい水を流さないので保温(保冷)が厳重でなくて良いこと
・各機械にコンプレッサーを背負っているので、機器ごとに冷房、暖房を選べること
などです。
デメリットは、
・各機械にコンプレッサーを背負っているので、運転音が結構うるさい
のが一番でしょうか。
運転中はそんなに気にならなかったりするのですが、停止すると妙に静かに感じます。
その静けさを通して逆に運転中はうるさかったんだと気づきます。
また運転を始めると、最初は結構うるさく感じるのですが、じきに慣れます。
『水熱源ヒーポン』でさえ長いので、商品名で『ピーマック』と呼ばれることもあります。
画像は天井カセット形ですが、天井隠蔽ダクト接続形や床置形などの形式の製品もあります。
熱源水として地下水や河川水など再生可能エネルギーを利用することも可能です。
温度帯に注意すれば、ファンコイルユニットを使用した冷温水システムの一部に設置して、
冷水を流す時期に暖房したり、温水を流す時期に冷房したり、という使い方も可能になります。
(「水熱源ヒーポン」おわり)