一般的に、トイレは第3種換気。
大便器ブースや小便器の上部天井に吸込口をつけて排気を取るのが普通ですね。
排気した分と同量の空気は、廊下からとか、ドアガラリを通してとか他の部分から入ってくる計画にします。
でも、排気が天井から行われるということは、便器中に放出された『ブツ』の臭いが気流に乗って嗅覚器官に捕らえられるということでもあり。
そういうことを気にする場合には、どうしたら良いでしょうか。
「排気を低い位置から取れば、臭いが運ばれてきにくくなる」
そういう思想で作られたトイレを、極々わずかですが、目にすることがあります。
天井面での排気ならダクトスペースは不要ですが、この位置からの排気を取ろうと思ったらダクト(そんなに太いやつじゃないのですが)を立ち下げてくるだけのスペースが必要になります。
天井なら1ヶ所または2ヶ所で良い排気口も、このようにつけるなら各ブース内に設けなければなりません。
コストは確実に余計にかかってしまいます。
「それでも実現したい状態がある」
そういう確固たる信念があったのか、意外に「何となく」だったのか。
この場所の設計者がどういう心意気であったのか、興味があるところです。
(「トイレの排気口位置」おわり)