「揺れに耐える」のではなくて、「揺れを逃す」という発想なので、耐えるべき水平力が減り、躯体がスッキリしますね。
建物内の配管もあまり揺れなくて済むようになるのですが、非免震部分(地球側)と免震部分とをつなぐ配管は、どうしても必要になります。
基礎免震の場合には、給水やガスの引込管、排水管、電力や電話の引き込みなどがありますし、中間階免震の場合には、免震層をまたぐ上下方向の設備すべてがそうです。
普通に配管をつなげてしまうと、地震のたびにブチ切れてしまって、いろいろ困ったことになります。そのため、配管に二次元的な変位が加わる際に、X−Yそれぞれの方向に動いても問題が生じないように、変位吸収用の継手(免震継手)を設けます。
水平二方向に設けると
垂直方向に設けると
動き回る範囲に気をつけないと、配管が躯体にぶつかって壊れてしまうことになります。
配管類の支持は、継手の前後で「地盤側から取る」から「建物側から取る」へと変える必要があります。
(「免震建物には免震継手」おわり)
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