2014年06月28日

外壁に、ダクト。

雑居ビルの外壁に伸びるダクト。
外壁ダクト.JPG
つけるまでもありませんが赤矢印のモノです。

1階に飲食テナントが入った場合、排気をそのまま外壁側に出すと周囲に油脂含み(まあ、なるべくグリースフィルターで取るようにするのですが)の排気を「におい」とともに撒き散らしてしまうことになります。

鰻屋さんなど、人を惹きつけるために敢えて出す場合もありますけれども、そうではない場合には一般的にこのように排気を立ち上げて、屋上から外気に放出するようにします。
新築当初から飲食テナントが入る前提の場合には、平面計画上でDS(ダクトスペース)をつくっておけば良いのですが、後から入った場合にはこうするしかありません。
新築の場合でも、DSの平面床面積が勿体無いので、敢えて外壁露出にすることもあるでしょう。

この写真ではたまたま隣のビルが無くて(解体されて?)駐車場になっていますが、ビルが連立している場所なら、大して気になりませんしね。

ダクトは宙に浮かぶものではないので、ところどころ外壁に支持を取っています。重量を支えるのと、振れ止めと、両方の機能が必要です。

排気ファンは、できれば屋上に設置したほうが良いですね。
ダクトって、鉄板を折って繋いで作るので、ちょっとした隙間があるんです。もし1階にファンを設置して、屋上に向かって排気を押し上げる場合、ダクトの隙間から排気がちょっとずつ漏れて、臭いも一緒に漏れることになります(ダクト内が周囲に比べて正圧となるわけです)。
屋上にファンを置けば、僅かな「漏れ」は、周囲の空気がダクトの中に入っていく向きに生じますから(ダクト内が負圧である、と言います)、安全側なのですね。

ダクトも、漏れ空気量を減らすために、折り曲げ方法を変えたり接続部分のシールを強化したり、対策は可能です。対策すればするほど費用もかかるので、目的に応じて工法を選びます。


漏れたらヤバイような排気は……どんな対策をしたら良いと思いますか?
ダクト工事を伴う現場の監理においては、そんな所も気にしてみてはいかがでしょうか。

(「外壁に、ダクト。」おわり)
posted by けろ at 01:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 換気設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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