結構、凝ったものがあったりします。
ところで、蓋に書いてある「ごうりゅう」って、何だかわかりますでしょうか?
漢字で書けば「合流」です。
下水道は、区域によって「合流」と「分流」があります。
公共下水道は元々、各家庭から出る排水も道路側溝に流れ込む雨水も、全部まぜこぜにして下水本管に集める「合流式」でした。
この方式の場合、晴れの日には平気なのですが、雨が降ると下水処理場で処理しなくてはならない水量が一気に増えます。普段の何倍にも増えた処理水は、主に微生物処理されている下水の単位時間当りの処理能力を遥かに超えてしまい、処理しきれない状況となります。
なので、大雨の時にはゴミを濾す程度で有機物の分解処理はせず、そのまま放流してしまいます。大量の雨水で薄まっているので、実害は無い……という理屈になります。実際、色も臭いも「雨水」そのものですしね。
長い期間をかけて整備してきた下水道インフラは、基本「合流」なのです。
しかし、比較的新しく宅地造成したり市街化したりした地域では、一般排水用の下水本管と雨水排水用の下水本管とを別々に敷設していたりします。分けて流すので「分流式」と言います。
「合流式」で生じる弊害を無くし、一般排水はしっかり処理してから環境に放流するようにするのです。新しくつくり上げる街だから、それが可能だったのですね。
もちろん、管を2本埋める必要があるので、下水管網の建設コストは合流式よりも余分にかかります。
でも、下水処理場建設コスト、環境負荷などを総合的に比較すると、分流式のほうが良いような気がします。
計算して比較したことは無いので、ただ「気がする」だけなのですけれども。
(「マンホール蓋」おわり)
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