2007年03月04日

CO中毒事故。

ご無沙汰いたしております。
引越後始末と仕事の処理が、最優先事項となってしまっております。


さて、このところ立て続けに暖房機や給湯機によるCO中毒死事故の
報道がなされています。

一般的な報道は、

「松下電器産業(大阪府門真市)が製造した小型ガス湯沸かし器で
 1986年以降、一酸化炭素(CO)中毒による死亡事故が27件
 発生、48人が死亡していたことがわかった。

 小型湯沸かし器によるCO中毒の危険性は、リンナイ(名古屋市)
 製品での一連の事故発覚でクローズアップされたが、松下の事故は、
 件数、死者数ともリンナイの約5倍に上っている。日本ガス石油機器
 工業会が今月19日に加盟各社の事故データを開示するまで、松下は
 これらの事故を公表しておらず、重大事故を「使い方に問題があった」
 として片づけてきたガス機器業界の対応の甘さが、改めて露呈した形だ。

 27件の死亡事故が起きていた松下製湯沸かし器は、室内で空気を取り
 入れ室内に排気する開放式と呼ばれるタイプ。いずれも不完全燃焼防止
 装置は付いておらず、「GW―525」「GW―5D」など少なくとも
 9機種が確認されている。」

 (YOMIURI ONLINE 2007年2月22日4時42分配信より。
  http://headlines.yahoo.co.jp/hl 以下。)


こんな感じです。


これらの報道には「メーカーが悪いんだっ!!」という記者の意見が
透かして見えるような気がしてなりません。


でも、ちょっと待っていただきたい。


『使い方の問題』以外の、何の問題があるのでしょうか。


室内の酸素を使用して、ガスを燃焼させ、廃ガスを室内の放出するタイプの
「開放式」の燃焼機器を使用する場合、十分な換気は不可欠です。
説明書にも、かなり昔からハッキリと書いてありますよね。


「不完全燃焼防止装置」は、無いよりもあったほうがよいでしょう。
それは確かです。
換気を十分に取らないで開放式の燃焼機器を使用するという
間違った使い方をしても、それでも安全に配慮された機器。

その方がより良いのは確かです。

でも、やはり本筋は、「正しい使い方をする」ことではないでしょうか。



・・・包丁バージョンにしてみますと、

「安部金属工業(東京都港区)が製造した文化包丁で
 1986年以降、刺し傷、切り傷等による死亡事故が234件
 発生、256人が死亡していたことがわかった。

 包丁の刃による死亡事故の危険性は、小泉製作所(神奈川県厚木市)
 製品での 一連の事故発覚でクローズアップされたが、安部の事故は、
 件数、死者数とも小泉の約5倍に上っている。日本包丁まな板
 工業会が今月19日に加盟各社の事故データを開示するまで、安部は
 これらの事故を公表しておらず、重大事故を「使い方に問題があった」
 として片づけてきた包丁業界の対応の甘さが、改めて露呈した形だ。

 234件の死亡事故が起きていた安部製包丁は、刃が露出している
 出刃と呼ばれるタイプ。いずれも負傷防止 装置は付いておらず、
 「ABE―596」「ABE―33」など少なくとも9機種が確認
 されている。」


どうです?

・・・・・

包丁を不用意に扱うと危ない。

体に刺したら怪我をする。刺しどころによっては死ぬ。

当たり前のことです。その常識を無視して使ったとき、
事故が起こるのは当然のことなのです。


事故の詳しい状況はわかりません。
やはりメーカーの製品自体に重大な欠陥があったのかも知れません。
でも、最初からそう決め付けちゃいけないと思うんです。

製品の問題

使用者の問題

誰かを悪者にして全責任を押し付けておしまいにせず、
きちっと検証されることを望みます。
(たぶん、されないと思いますけど。)



あ、そこの建築士さん。

他人事じゃありませんよ。

当然、「設計者の問題」も、あるはずです。
湯沸かし器は、建物の一部。
建築設備も、建築士の業務独占範囲なんですから。


開放式の湯沸かし器をスペックに入れたのは、どなた?
(図面にハンコついた人が、最終的な責任者です。)

開放式燃焼機器の燃焼空気取り入れについて、正しく考慮してました?

第3種換気との併用で危険性が増大することを承知の上で(または
知らずに)ロクな給気口も設けないプランにしてませんでした?



建築士というオールマイティー資格は、あらゆる範囲に権限があります。

ということは、あらゆる範囲に責任を取らなければなりません。


大変なんです。


(「CO中毒事故。」おわり。)
posted by けろ at 20:07| Comment(4) | TrackBack(1) | 衛生設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
先週はお疲れ様でした

結局一戸建て注文住宅以外は
施主は住み手(購入者)でなくて、売主(デベロッパーとかメーカーとか)であることが多いんで
設計屋の皆さんはデベロッパーとか売主の言いなり(はやいハナシ、奴隷)だから仕方ないんだっていう気持ちの上で仕事してるから
設計屋の責任感がホトンド薄っぺらになってますよね。まして経営者(開設者)ならともかく雇われ管理建築士で一社員として果たして自分の押してる判子の
意味なんぞ交通経費の会社への請求書の判子くらいにしか思ってないんでないかと・・・・・

なれば尚のこと自分が明日の一級建築士になるために勉強しましょう♪
ではでは〜
Posted by ocha at 2007年03月07日 21:43
法律で与えられている権限と、
実際に与えられる境遇との、
明らかな乖離ですよね。

ともかくも趣旨は、

「燃焼機器の使用方法に注意!」

です。
Posted by けろ at 2007年03月08日 17:15
相変わらず、冴えてますね。

何でもかんでも、設置者とか、製造者のせいにしてしまう。
って、おかしいですよね。

給食費を払ってるんだから、「いただきます。」
なんて言う必要がない。
とか、
子どもの躾を、親が放棄して学校のせいに擦り付けるとか、
換気もしないで、メーカーのせいに一方的にしてしまうとか。
はっきり言ってセンスがなさ過ぎます。

松下さんのあの、リコール広報には、
本当に頭が下がりました。
Posted by すみ at 2007年03月09日 20:58
松下の場合、経営陣及び担当部署の危機管理能力の高さを示しているとも言えましょう。

逆に、パロマや不二家や三菱自動車や雪印は、そうではなかったということ。

ある程度大きな組織になってしまうと、企業理念とか経営姿勢とかそんな表面的なものではなく、危機管理能力の高さが社会的評価を決めてしまったりしますね。

「いかにマスコミに悪印象を持たせないか。」

そこが一番重要だったりします。


影響力が大きいだけに、マスコミには煽りのない正確な報道を期待したいのですが、「危機管理能力」が問われると言うことはすなわち、煽りと不正確な報道が満ちていることの証左であったりしますね。
Posted by けろ at 2007年03月10日 01:23
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