熱源機で作り出した冷水や温水を、いろんな系統に分けるときに使います。
この写真の場合は、冷水を分岐する「冷水ヘッダー」です。
「S」というのは、「サプライ(供給)」のS。
当然、戻ってきた配管がつながる「リターン(戻り)」の
Rというヘッダーもあります。
写真右のほうに冷凍機があって、そこで製造した冷水を「冷水主管」からヘッダーに入れています。
それを、いろいろな系統に分けて、建物内に送り出しています。
系統を新設できるように、予備の取出口も設けるのが一般的です。
「こんな大掛かりなことをしなくても、主管をそのまま分岐していっても良いではないか。」
そういう考え方もあります。
けれども、「ヘッダー」にしておくと、系統が一目瞭然ですし、系統ごとのバルブ操作や温度・圧力・流量の計測がし易い。
どこかでトラブルが生じた際の応急処置や、試験調整などが行いやすい利点があります。
大規模施設や公共施設では、しっかりヘッダーを設けていることが多いようです。
でも民間の中小規模施設だと、機械室面積を余分に必要とし、費用もかかるヘッダーをつけないで、配管分岐で済ませてしまう事例もよくあるようです。
完成後の維持管理・メンテナンスはとても面倒になってしまいますけれども、イニシャルコスト優先なんでしょうね。
ま、このあたりも、「費用対効果検討」、「リスク分析」によって、総合的に判断すればよい話。
「良くわかんないけど、安けりゃいいんじゃない?」という発想ではまずいですけど。
(「ヘッダー。」おわり。)
例えば3系統でそれぞれ必要となる温水能力は求まっても、
熱源を温水発生機から何割、ボイラーから何割と見込むのでしょうか。
それとも冷温水発生機がメインで動き、足りない分はボイラーでとなるのでしょうか。
上記のようなこまごましたことが出てきて面倒な気がして、
ヘッダーの必要性がわかりません。
古い記事ですが、コメントありがとうございます。
ヘッダーを置くのはまさに「混ぜるため」です。
運転台数を増やしたり減らしたりして、
負荷の増減に対応させることもできるし、
各熱源の分担割合を調整することも出来るし。
何をメインにするかも、自由に設定できます。
自動制御を組むことが多いでしょうが、
何なら手動調整したって良い。
そういう事を、
設計者や運用者が任意に設定できるので、
ヘッダーには便利な面があります。
こんな回答でよろしいでしょうか?