「大成札幌ビル」を見学させていただく機会がありました。
http://www.taisei.co.jp/about_us/torikumi/csr/houkoku/pdf/2006/006.pdf
の2枚目です。
目的が「エコモデル・プロジェクト」ということで、それに向けてかなり大胆な建築になっている、と感じました。
外観の意匠的にはパッとしないし、どこが入口なのか良くわからないし、メインエントランスもきらびやかではありません。
上層階コアのエコボイドを中心に作られた開放的なオフィスフロアも、通常の事務所ビルを見慣れている身としては、違和感がありました。
「ここじゃ、働けない。落ち着けない。」
同行者の素直な感想。
内装も、いたってシンプル。ボードに白塗装。
けれども。
構造的にも、設備的にも、たいへん合理的に、まとまっているように感じました。
「『エコ』をテーマに建てるなら、こうなる。」という一つの見本のような建築に思えます。
屋上緑化とかLow-Eガラスとか外断熱とか、無節操に散りばめたのではなくて、全体が調和して機能性を発揮できるように組合せられているように見えました。
こういう機能性・合理性を前提に、意匠屋さんの得意領域を生かしていけば、意匠・構造・設備・電気の4拍子揃った「ケンチク」ができていくのではないかな、と思います。
この取り組みには、素直に感銘を受けました。
巷には、温室みたいなガラスだらけの高負荷建物ばかりが目立ちます。
北海道の真冬でも冷房しなければならないようなアトリウムや、コールドドラフト発生装置を四方に配置したようなロビー。
それらを大量のエネルギー消費で設備的に無理やりカバーしていたり。
そういう「美しい」建築に比べると、見学した建物は確かに見劣りするのですが、(飽くまでワタクシのフシ穴で見た個人的感想ですよ。)それを補って余りある「機能美」を感じるのでした。
と言っても、説明を受け、中を見て回って、質疑も含めて1時間ほどの見学。
見えていないところが(良い面もそうでない面も)たくさんあるはずです。
これからの冬、どのくらいエネルギーを使わないか、運用実績を見てみたいところです。
(「エコ・ビル。」おわり。)
あ、「構造的」と言っても、詳しくはわかりません。
制震構造や、壁柱、PCaPS梁を渡した無柱空間、などが美しく感じただけです。
構造上の技術的評価はできませんので、悪しからず。
建築費は・・・・。やっぱ、いろいろやった分、高いそうです。
自社ビルだし建物まるごと自分とこのショールームといったところなのかな?
設計部社員久々におお張り切りといった風が目に浮かぶよう(笑)
>違和感がありました。
仕事環境は三日も経てば慣れるような気がしますよ(^_^)
先日 同く大○さんの設計施工された石山通のプ○○スホ○ル(タワー)に見学してきましたが
案の定 意匠的に見る所(参考になる所)のない建物だなぁと シカとインプットされて帰ってきました(オレってひどい?)
> 建物まるごと自分とこのショールーム
見学者が1,000名くらいは来ているそうで、目的は達していますね。今度はもっと大きくして横浜で建てるそうです。
某タワーは、竹△さんの計画物件をかっさらう(表現は悪いですが)ウルトラテクを駆使したとか・・・。
あのデザインは、大○さんのと言うより、オーナーさんの趣味なのでは、と言う気もします。