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平成18年度一級建築士試験が、終わりました(発表はまだですが)。
昨年(2005年秋)に発覚した、耐震偽装事件、一連の建築士法改正論議ののち、初めて行われた試験でした。
6月に学科試験が行われ、史上最低の合格率10%、構造以外の合格基準点を下げる、という結果が9月に発表されました。
(なぜ構造だけ下げなかったか? 構造偽装の直後ですから、下げるわけにはいきませんよね。)
並行して、建築士制度改正に向けた審議会答申が提出されました。
そして、今国会には建築士法改正案が可決・成立する見込みとなっています。
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha06/07/071023_2_.html
改正案の中で、建築士制度にかかわる大きな点は、
「構造設計一級建築士、設備設計一級建築士の創設」
です。
一級建築士の中から、構造を専門とする「構造設計一級建築士」と、設備を専門とする「設備設計一級建築士」を新たに設ける、ということが提案されています。
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この改正案は、次のことが前提となっているように感じます。
「現在の一級建築士は、構造設計、設備設計の基本はわかっている。」
そんな前提がまったく間違っていることは、設備設計をしている者にとっては、当たり前すぎることでした。
審議会を通じ、設備関連の団体代表からも、そのような実情を都度訴えていましたが、数と利権の多い「建築」関連団体に押し切られたのか、国交省に押し切られたのか、ともかくもこのようになってしまいました。
本当は、当の建築士たち自身もそのことはわかっているはずなのですが、「知らんぷり」をしてしまっています。
中には、「設備設計」は、「設備設計屋さん」が行っていると信じている人もいますよね。
「空調衛生設備設計」と「電気設備設計」とに完全に分かれていることさえ知らない建築士も多いですよね。
機械工学・熱工学と電気工学の違いも知らない?
まったく・・・。
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そもそも、「耐震偽装」が発端だったのに、
そして構造設計を外注してまともに読むことさえ出来なかった元請一級建築士の責任なのに、
それをきちっとチェックできなかった確認検査機関(役所、民間ともに)の問題なのに、
きちっとチェックすることが困難な確認検査制度そのものの問題でもあるのに、
「『建築士』というオールマイティ資格制度の不備」の問題でもあるのに、
設計、施工にいたる建築生産のシステムの問題でもあるのに、
既存の一級建築士には何の困ったこと(能力認定試験や再試験、新建築士への移行など)は無く、なぜか設備設計者が困ったことになってしまいました。
だいたい、何で「一級建築士の中から」選ぶの?
設備設計者は、機械工学や電気工学の領域の技術者だから、一級建築士の受験資格だって無いんですけど。
一級(というか、建築士)持っている設備設計者は、少ないんですけど。
まるで、今まで設備設計はほとんど一級建築士によって行われていたかのような物言いです。
既存権益を守る後出しじゃんけんみたいなマネは、どういうこと?
「建築の設計」にかかわることだから、「建築士」が行うのは当然?
そんなん、タテマエでしょ。おこなってきていないですよね、実際。
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でも、そういう制度になっちゃうのでしたら、もう、仕方ありません。
とにかく、実務経験を積んで、二級建築士を受けて、それから実務経験を更に積んで、一級建築士を受けるしかありません。
意匠設計なんて、かかわったことがないけれども、とにかく学んで、モノにして、試験を通らなくてはなりません。
ていうことに、なっちゃんったんです。
先日久しぶりに会った意匠専業事務所の社長さんには、
「何か、設備は大変なようだね。一級が前提なんだって?おたくはどうすんの?うちは今までどおりで大丈夫だから問題ないけど。」
なんて言われました。
彼は設備がぜんぜんわかんないので、下請の設備屋が苦労しているんです。なぜ彼はそのままで良くて、設備屋がワリを食わなきゃなんないんでしょ。
彼が、設備の知識があることを確認するために再試験を受けるのなら、わかります。でも、彼はそのまんまで良くて、設備屋が意匠設計を習得しなくちゃならないなんて。
ともかくも、そういう方向になったのですから、10月8日に行われる製図試験では、その方向性で問題が出されるのかもしれない、と淡い期待(?)を抱いていました。
学科試験だって、何となくそういう傾向が見て取れましたから・・・。(なんとなく、ですが。)
じゃ、製図も? って。
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結果は、見ての通り。
おきまりの「意匠だけ」の試験でした。
ていうか、まあ、当たり前なんですけどね。
妙なこと「期待」する方が、おかしいんですが。
え、妙なことって?
例えば、ちゃんと「設備計画に見合った意匠図」じゃなきゃダメよ、とか、
給水設備系統図を描くとか、単線結線図を描くとか。
せめて、各設備のフローシートぐらいは。
「基本プラン」を問う試験としては、設備・電気の概略の想定はできなきゃ困りますよね。
だいたいもって、空調も給排水も電力も照明も通信も、建築士法上は建築士が独占的に行う「設計」なんでしょ。だったら、できて当たり前ですよね。
いや、できなきゃ困るわけですよね。「独占」なんだから。
「独占」してるはずの内容が、わからない。「設計」できない。だから、「非建築士」による設備設計が必要性からおこなわれてきたのですよ。
地道に。
無茶言われても、意匠がわかんないヤツって馬鹿にされても、報酬が安くても、値切られても、踏み倒されても・・・。
なのに、いきなりハシゴをはずしますか。
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過去問題も、そういう意味では、とても不思議なのですね。
意匠も構造も設備も電気も、すべての領域の権限が独占的に与えられている建築士に、意匠の製図試験しか無いなんて。
PSはとりあえず描いときゃいい、とか、DSはこのくらいの大きさね、とか、何か知らんけど煙突が要るんだぞ、とか。
電気・機械室なんて、テキトーに入ってりゃいいのよ、とかなると、それは「プロ」じゃなくて「素人」です。
電気室と機械室は全く別の用途のものです。
他の部分で「職員休憩室・客用便所」とか、「診療所・厨房」とかまとめてしまったら、プランニングになりませんでしょ。
テキトーに四角を書いて、「駐車場」って書けばいいのさ。というわけにはいかないはずです。「それなりの大きさ」ってものがありますから。
設備システムが決まらなくては、設備関連の面積も決まりようがない。
電気室・機械室やPS・DSも、システムとの関係で面積も大きく変わる。
意匠的に「この動線が無いと、建物が成立しない。」のと同じように、設備的には「必要な設備スペースがないと、建物が成立しない。」ということになります。
「気持ちいい空間」が意匠的に達成されても、空調がない、照明がない、という状態で「気持ちいい」のでしょうか。
でも、この試験では、そんなことは関係ないのです。
設備や電気は、「犠牲系」と言って、そういうことを考えていたら受からない試験、なのだそうです。
・・・そのことはだいぶわかってきました。
だいぶ、決心がついてきました。
設備や電気の知識や常識は一切かなぐり捨てて、「意匠設計」に媚びよう、と。
受からないことには、話になりませんから。
設備設計的には絶対におかしいと思っても、ぐっとこらえて無視しよう、と。
普段仕事でお付き合いしている一級建築士の多くが、設備を知らないのは当然なのです。
設備を知ることを要求されない試験によって資格を得ているのですから。
新有効温度とか、作用温度とか、cloとか、覚えときゃいいんですから。
丸暗記ね。
そんなもの使って設備設計することは、まず、無いでしょ。
・・・一応、「設備計画の要点」という記述問題が入りました。
でも、結局は「意匠設計の試験だけ」であることに違いはありません。
80字で何を表現しようというのか、疑問もあります。
当たり障りのないことを書いとけばOK、というだけなのではないかと思います。
「この80字が書けたら、設備や電気の設計の基本知識・能力がある。」とは到底言えないことはお分かりいただけると思います。
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医師国家試験で、皮膚科領域と骨格関連だけで、内臓や神経系が一切出ない、ということは無いと思います(受けたことはありませんが)。
司法試験で、基本六法のうち、二法しか出ない、ということも、無いと思います(これも受けたことはありませんが)。
しかし、建築士試験は、過去問対策をして5択の問題さえクリアすれば、実際の構造や設備や電気は全く設計能力が無くてもパスできます。
(試験をパスしたからといって、意匠設計だって出来るのか、と言えばNOなのだと思いますが。)
つまり、「そういう試験」だということです。
「試験のための試験」だということです。
そんなことは、わかり切ってますって?
そうですよね。これだけ長く続けてきて、国も試験機関もわからないわけありません。
では、なぜ試験を改善しないのでしょうか。
そこが不思議で不思議で仕方がありません。
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それにしても、不思議な建築士制度になってしまいます。
意匠屋さんは、一級建築士を持っていれば、設備が分からなくても、設備を含む建築物すべての設計をしても良い。
設備屋さんは、設備がわかっても、意匠設計(プランニング)もわからなければ設備設計をしちゃダメ。(実態はともかく、法的には。)
意匠屋さんが建築物の統括をするのは、わかります。
それはそれで良いのですが、なぜ設備屋がプランニングを知らないとダメなのでしょうか。
知っていれば、なお良い。
それは確かです。知らないよりは知っていたほうが良い。
そりゃ、そうだけど。
大工さんが建物の統括をするのはわかるけれど、
水道屋さんが大工さんの技術も持たないと配管しちゃダメ?
電気屋さんも大工さんの技術も持たなきゃ配線しちゃダメ?
そんなことはないでしょう。
それに、大工さんが配管や配線をする技能を持たなくちゃダメ?
「多能工」って、確かにいますけど、少ないですよねぇ。
変だと思うんですけどね。
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ワタクシは、別に、建築家になんか、なりたくないのです。
はっきり言って「興味ない」のです。
設備の設計をやっていたいのです。
意匠屋さん「え〜っ、なんでぇ〜?そんなつまらないことを?」
設備屋 「大きなお世話です。十分に面白いです。」
でも、そのためには、一級建築士になるしかない時代に入ろうとしている。
なんでだろ〜〜〜なんでだろ〜〜〜。(古っ!)
これから、設備設計をやる人って、どういう人がなるんでしょうか。
建築家目指して一級建築士とって、設備設計やる人がたくさん出てくるんでしょうか。
いや、たくさん出てこないと、「合法的な設備設計」が不可能になってしまいますよ。
はてさて。
それとも、
設備も電気も無い建物。
そういう時代になるのでしょうか。
いやいや、それじゃ、クライアントは納得しない。
ん・・・。
何か見えてきた。
まず、構造、設備設計を一級建築士前提の資格として設ける。
すると、設備や電気にかかわる設計技術者が激減する。
設備・電気専門の一級建築士(特に電気)がぜんぜん足りない。
仕方なく、意匠専業の建築士は、一級建築士ではない設備・電気の技術者(や、メーカー、工事業者など)に設計を依頼する。
片っ端から建築士法違反(無資格設計、無資格者への外注)で逮捕。
依頼した建築士は、違法行為を行ったため資格剥奪。
そのうちに、意匠設計しかわからない一級建築士は駆逐される。
建築学科の学生は、熱工学、機械工学、環境衛生工学、電気工学、電子工学、その他およそ建築に関わりそうな領域の科目はすべて履修しなくちゃいけない。
理論と、設計製図と、それぞれを。
医学部並みに、法学部+法科大学院(ロースクール)並みに、修了年限も長くなる。
かくして、意匠も構造も設備も電気もわかる有能な人たちだけが残って、国交省の目指した「すべてを理解する建築士」が実現する。
人数が減るから、報酬も上がって、建築士のステイタスも向上する。
すべての科を理解しているスーパー医師のブラックジャック(モグリだけど。)みたいな、スーパー建築士ばかりになるわけです。
「報酬は、1億円。」
なんて、言えるわけです。
おお、そういう計画だったのですね。
やるな、国土交通省!
・・・・・ホントかな?
・・・・・建築士会、怒らないのかな? 再試験が無くなって、安心してるのかな?
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「大丈夫、大丈夫。設備や電気の設計をする非建築士を、会社に雇えばいいのさ。事務職員としてね。社内で製図のお手伝いをするんだから、外注禁止規定にも触れないよ。」
「設備設計一級建築士は、どうします?」
「一級建築士持ってる社員に、講習受けに行かせて取らせるからさぁ。大丈夫よ。」
「えっ? でも、設備設計の実務経験は?」
「今までだって、建築士は設備を含めてすべて設計してるの。法的にはね。だからさ、『□△ビル新築工事の設備設計』も実務経験に入るわけ。ね、実際に、設備屋に外注に出して、打合せしたり調整したりしてたんだからさぁ。工事監理もしてるわけだし。そういうのも設備の実務経験なわけ。ぜ〜んぜんオッケー〜。」
やっぱり、意匠屋さんは困らない、か。
(「設備設計一級建築士って。」おわり。)
【お詫び】
ご気分を害された方がいらっしゃいましたら、申し訳ありません。
でも、最初にお断りしました。構わない方のみお読み下さいって。
ずっと前(8月ごろ)から、書いたり消したり、推敲を重ねて暖めていた原稿なんです。
何度読み返しても・・・・。ダメですね。文才がない。
くだらん「設備屋のたわごと」とお感じなったとしたら・・・。
まあ、それはそれで良いです。
一般的な建築家にとっては、設備なんてどうでも良いし、
設備設計なんて「オマケ」みたいなものなんでしょうから、
そのことをグダグダ言うほうがおかしいんです。
アタマではわかってます。が、なかなか気持ちがついていきません。
ま、ようするに、「しっかり勉強して、資格を取ろう。」という決意表明なのです。
でも設備屋にとって、実情はとても厳しいし、どうにも不合理で納得が行かない、と感じているのです。
ただ、そういうことです。
製図試験はあくまでも要求条件を満たす最大公約数的計画を設計できるかどうかを問うています。
あなたのおしゃるように設備の系統図等が描ければそれにこしたことはないのですが、たった5時間半の短時間に全てを要求することは不可能です。
そもそも設計そのものが本来は何ヶ月もかけて計画するものです。
ですからこの試験が出来たからといって設計が出来ることには直結しません。でも計画の基本的考え方を理解しているかどうかを問う試験としては十分意味はあると思っています。
だからこそ受験資格に実務経験が必要になってくるのだと思っています。
ご気分を損ねてしまったとしたら、申し訳ありません。
「勘違い」しているつもりは、ないのです。
下手な文章ゆえ、伝えたいことを的確に表現できていないことをお許し下さい。
でも、意匠屋さんに「勘違い」としか受け取っていただけないところが、悲しく淋しいところでもあります。
法的に一級建築士に与えられている責任・権限の大きさと、現状とがあまりにも離れてしまっている。
それを放置したまま、小手先だけの「制度改革」に走ってしまっている現状。その最たるものが「設備設計一級建築士」であると思ったのです。
それについて、設備の立場から異議を申し立てているのです。
国交省のパブコメなどには、もっときちっとした物言いの文章で訴えたつもりでしたが、届かなかったようです。残念です。
けろさんの言うと通りでありますね。
正解ですよ。
既得権益の建築団体にこの様にされてしまったのもわからない、愚か者ばかりでしょう。
一級建築士を持っていてもだめですわ!
意匠担当もRC20M・設備3階かつ5000uまでしか出来ない!
平たく言えばこれから先、資格者を雇用するか?又は名義借りの一途を各建築士達はたどっていかなければならないのだ!
既存の建築士達は解っているのでしょうか。
私も再三にわたり国交省、又議員を通じて意匠の立場から異論を申し立てた一人です。
私の場合:意匠、構造、設備と各資格を独占的にし、等級を付けづにと申しますのも隣国の韓国が先に等級を無くし資格そのものに稀少価値をつけたのです。
それを統括する建築家をと申してきたつもりなのですが、ご理解されなかったと言うこともありました。
今になりますと建築士の希少性は待ったくないに等しいですね。
ご来訪ありがとうございます。
よろしければ、またお越し下さい。
けろさんのように真摯に問題と向き合っていく設備屋さんがきっと陽の目を浴びてくる時代がくると信じています。
拙い 知識も 微小な 愚かな意匠屋である自分に出来ることといえば その僅かな知識でなんとかけろさんに一級建築士になっていただけるようにお手伝いすることです。
来年 いや 受かるまで お付き合い致しますので 頑張りましょうね!
改正法が施行されるまでに、何とか取らないとヤバイな、と思っています。
去年とは状況がものすごく変わりましたので、もっと頑張りたいと思います。
こんなこといったらいけないのかもしれませんが、正直、設計事務所の方々で、本当に「うわぁ〜、この人設計者だ〜」って思える人って少ないです(少なくともワタクシが関わっている数少ない方々には・・・)
みなさん共通するのは、イメージだけはすっごくある(みたい)なんですが、本質が分かってない。
「こんなかんじで出来るでしょ?」
だったらやれや!っていつも思います。
やれるもんならやってみろ!!!!
構造は工学なんだよ!力流れないデザインやめて!
そんな人達のためにも(絶対ためになると思う、今のままじゃ本人たちも未来はないと思う)再試験とか、更新制とか、必要だと思うのに、なぜか矛先変わって意匠屋は守られるような感じのこの流れに納得いっていないのは同じ気持ちです。
でも、今の流れはそういった意匠屋を守る方向なので、まずは割り切って試験に臨みましょう!
オレもこの数年間、意匠屋ではないけれど、「資格を取るため」と割り切って臨んできました(これからも臨まないといけないかもですが・・・)。
がんばって、「ギャフン!」と言わせましょうぞ!
>アタマではわかってます。が、なかなか気持ちがついていきません。
わかります。僕もこのような自分自身の不整合に陥ってしまうのは日常茶飯事です。ココロとアマタが違う方向に走り出してしまって、カラダが引きちぎれそうになるんですよね〜。ってけろさんは違いますか?違っていたらごめんなさい。
>「しっかり勉強して、資格を取ろう。」という決意表明なのです。
けろさんの決意表明しかと見届けました!
試験自体は個人戦ですが、そこに至るまではプロセスは団体戦で行きましょうよ。
> 今の流れはそういった意匠屋を守る方向
「守る」つもりで、「滅ぼす」方向に向いてしまっているような気がします。構造屋さんや設備屋さんが本気で意匠に取り組み目覚めてしまったら、意匠屋さんの存在理由が無くなってしまいそうで。
> 「ギャフン!」と言わせましょうぞ!
「ギャフン!」と言わされてしまった一年でしたから、反撃しないといけません。
●おうじ さん
> カラダが引きちぎれそうになる
ワタクシは、そんなに強くないです。
引きちぎれそうになる前に、体がホイホイついていっちゃいます。
軟弱者です。
> 決意表明しかと見届けました!
うっ・・・。
なんか、白装束で短刀を腹に当てている気分・・・。
ちょっと時間たってしまいました。
けろさんみたいに、こんなに真剣にこの試験制度に向かい合っている設備やさんはいません。
(私の知る限り)
>一般的な建築家にとっては、設備なんてどうでも良いし、
設備設計なんて「オマケ」みたいなものなんでしょうから、
んーー、そうでしょうか?
多分、どうでも良いとは思ってる人は一部だと思うのです。
だって、設備や電気のない建物はあり得ませんし。(当たり前!ですよねぇ・・・)
オマケだなんて・・・。
まぁ試験に関していえば・・・なんでしょうけど。
そういう私も試験に関しては・・・ですから〜(ーー;)
今、すぐにこの試験制度を大きく変えるのは・・・、多分暴動が起きそうで恐ろしいです(^^;;;
でも、きっと少しずつ。何らかの対策とか変化とか。あると思います。
そういいつつも。
今日、電気と設備の図面をみてたら。
あぁーー、やっぱ苦手・・・なんて思ってたんで・・・。
設備とか電気の勉強。
ちゃんとしなきゃならんなぁ・・・って反省しました。
どっちかっていうと、「試験制度」より「資格制度」のほうに、文句を言っています。
「建築士」に対して、「建築について全知全能の神になれ」と言っているかのような制度だと思っちゃいます。
竪穴式住居ならイザ知らず、現代の複雑な建築に対しては「無理だよ、そんなの。」
そんな感じなのです。
>すぐにこの試験制度を大きく変えるのは・・・、多分暴動が起きそうで恐ろしいです
最初、国交省案で「新一級建築士」「再試験」構想が出てきたとき、建築士側からの暴動(猛反対)が起きましたね。で、取りやめになりました。
設備屋さんは、奴隷根性染み付いてますんで、「暴動」なんて起こす意志も気力も、もちろん力もありません。なので、そのまま通っちゃいました。
残念!
私は一級建築士の意匠専門です。
ちなみに再試験賛成派でした。
正直なところつぶしあいOKみたいなのりです。
今度できる構造,設備資格について取得したいと考えています。そのために設備設計に入門しようかなどと浅はかな思いをもっています。
設計事務所って今までのやり方でやっていても先行きあやしいので,なんかしなくちゃっていう気もちでいっぱいです。文句ばかりいってても荒波にのみこまれるだけでしょうしね。
お越しくださいまして、ありがとうございます。
> 設備設計に入門しようか
このような真摯なご発言をされる意匠屋さんもいらっしゃるのですね。
実際に設備設計をやっている設備屋さんや電気屋さんが受けられなくて、実際には設備設計をやっていない意匠屋さんは受けられる。
何とも不思議な感じです。
元々、昭和25年に出来た建築士法や建築基準法の建築物の定義において、建築設備の設計を行うには建築士の資格が必要だと記載されています!
確かに設備設計を行っている方の多くは建築学科以外の卒業ですから不利だとは思いますが、一級建築士の合格者の1/3は二級建築士からの合格者ですから、建築系大学卒以外の方も多くいます。
貴方がどんなに制度がおかしいと思っても、これまで資格の確認が無かったとしても無資格で設計をして良い理由にはなりません。
一般に意匠設計を行っている者でも、建築士の試験内容はあまりにも広く実際に行う業務とはかけ離れている印象を受けます。
しかし、他人の大事なお金と命を預ける建物を設計するのですから、一定レベルの知識がある事証明する建築士資格を所有するのは当然です!
ですから、多くの人が設計を行う為に何年も何年も建築士になる為の努力をして取得する訳です。
建築設備士等が簡単だとは言いませんが、建築士と同等の知識があるのなら少なくとも設計資格でないのは知っていたはずです。
建築業界で設計を行う人の殆どが当然のごとく試練に立ち向かって建築士を取得しているのに、元々必要となっている建築設備設計者のみ無資格で良いなんて考え方は酷いと思います。
>このような真摯なご発言をされる意匠屋さんもいらっしゃるのですね。
貴方が真摯に取組んでください。
> 犠牲になったと思うのはハッキリ言って無知
そういう考え方があることは存じております。
お書き下さったことも、知識としては持っております。
そしてそれが建前であって、実情がまったく異なっていることも体感しております。
その上で、設備設計に関わる者として何かを訴えているのだと捉えていただければありがたいのですが。
> 貴方が真摯に取組んでください。
真摯に取り組んでいるからこそ、このように発信しているつもりです。
むしろ、こちらからも訴えたいのです。
意匠設計者のみなさま、もっと真摯に取り組んで下さい、と。
建築物の設計監理に関するあらゆる権限を法的に付与されておりながら、あまりにも無知、あまりにも無関心、そして怠慢なのではないですか、と。
ご気分を害されましたら、ごめんなさい。
アホな設備屋のたわ言として流してくださいませ。
貴方なりに真摯に取組まれているのはわかりました。
失礼しました。
もう一度私の意見を述べさせていただくと
意匠であれ、構造であれ、設備であれ、これまでの建築士制度には問題も疑問も誰しも感じている事だと思います。
実際私も建築士を取得する前は非常に疑問でした。
しかし、実際に一級建築士を取得してみると意味の無いと思う内容であった試験の内容もやはり最低限知っておなかないと、他人の財産、生命を預かる者として必要だと思いました。
また、設計をはじめ建築業務においては技術知識と共に法規に関する知識が非常に重要です。
そう言った意味では、正直言って二級建築士と話していても知識量は劣ると思う事が多々あります。そして、残念ながら建築設備士さんについては根本的に法規の読み方すら判っていないのでは?と思う事が多々あります。
事実として設備設計者の方が建築士を所有していない理由をあちこちで目にしますが、基本的に建築設計においては意匠でも構造でも設備でも最低限建築士としての知識は必要ですし、ある意味共通言語的な面がある為、お互いの業務に対して判りあえる物だと思います。
意匠設計者=建築士=構造設計者 ですし
意匠設計者=建築士=設備設計者 でもあるはずです。
しかし、設備設計者だけが一方的に
意匠設計者=建築士≠設備設計者 にしてるのです。
本来、建築士同士であれば共通の知識がある程度あるので、意匠も設備もそれ程敵対的な分野ではないはずです。
ですから、事実として設備設計者に建築士資格の内容的意味が無いから取得していないのは理由にはならないはずです。
現実は設備設計者には建築士の資格を取る意味が理解でず、多くの方が取得してこなかったから意匠や構造などの設計者が共通して持っている知識が無いので業務に関する認識が一致せず、また建築士を取得していないから建築設計における設備の重要性や建築士制度の改善を求める事が出来なかったのではないでしょうか?
最後に私の周りの設備設計者は、この法改正間近になっても「まだ何とかなるよ!」なんて言う人がいます。
そんな人と比べるのも失礼かと思いますが、そう言う意味では貴方の方がはるかに立派だと思います。
一級建築士の試験は大変ですが、それを乗り越えた時にそれを価値ある物にするかどうかは自分自身だと思います。頑張ってください!
(重複投稿分は、削除しておきますね)
> 基本的に建築設計においては意匠でも構造でも設備でも最低限建築士としての知識は必要です
このご意見につきましては、全く同感です。
建築にかかわる人間の共通言語として最低限の知識が必要であることは仰るとおりだと思います。(何を持って「最低限」とするかという定義の問題は残りますが)
ですから設備屋だから建築全般のことは知らなくて良いなどとは申しません。
その上で、今般創設が決定した『設備設計一級建築士』というのはおかしいと主張しております。
合理的で良いものであれば、たとい取得が厳しかろうと何だろうと、文句を言う筋合いではありません。非合理的で矛盾に満ちていると感じるために、いちゃもんをつけております。
「設備一建」につきましては、今後も折に触れ記事中で論じさせていただきます。よろしければ、たまに覗いていただいて、ご意見を賜りますようお願い申し上げます。
現在建築環境系研究室の4年になるものです。
将来の進路として設備設計というものを漠然に考えていて検索してこのHPにたどり着きました。
意匠系で設備のことをなにも知らない人が設備一級をとるということが起こっているとは思いもしませんでした。確かに実務には考えようによってはなりますけど。。
設備一級があればなんとかなる。という感覚でいたのですが、そんな甘い話ではなさそうですね、自戒します。
そしてやっぱ建築業界っていやだなと思ってしまいました。うまいことやっていく「意匠系」が食えてまじめにやってる「設備(工学)系」が仕事に困るなんておかしいと思いました。もともと意匠志望だったのですが、手に職的な設備系を選択したのに。。やはり意匠至上主義なのか。
まだ未熟者なので論点等ずれていたら申し訳ございません、ご教授ください。
ついこの間の一級建築士試験はお受けになられたのでしょうか?だとしたらお疲れ様でした。ギャフンといわせてやってください!
お返事遅くなり申し訳ありません。
ちょっとこのブログも放置気味で……すみません。
> うまいことやっていく「意匠系」が食えて
いえ、そういう方たちはなかなか食えなくなってきているようです。
そういう意味では、「手に職」は重要で、制度がどうであろうと、確実に必要とされるのが「設備系」だと思います。法的には「設計補助」でしかなくとも、やってることに変わりはありません。
この前の試験は……受けていません。
というか、昨年学科を通ったので、今年は製図チャレンジです。
美術館。頑張ります。
かわい さんも、
> やっぱ建築業界っていやだな
なんて幻滅せず、ぜひ飛び込んでみて欲しいと思います。
いやな面は、多分どの業界にもあります。
旧建設省からの利権やらプライドやらいろんな歴史的要素があって現在があるのも確かで、制度上もいろいろ問題多しですが、決して夢のない世界ではないと思っています。
わたし自身は、全く別の業界からこの世界に入ってきた者ですが、業界環境や制度はともかくとして「設備」が好きでやっています。
興味深い、面白い仕事だと思います。
設備設計一級建築士で検索。
プロの世界で色々あるんですね。
自主管理の管理組合役員としては、建築は素人なので、わかりませんが、どこに積算見積もりを依頼したらいいのかわからず、たどりついたのが設備設計一級建築士でした。
まだまだ、いろいろ下調べしてからアポ取るつもりですが・・・。
素人が仕事依頼するのはやはり、資格所有者ですよ。やみくもに探すわけにいきませんから。
仕事に情熱をそそげるなら資格取得してください。
> どこに積算見積もりを依頼したらいいのか
「設備設計一級建築士」資格取得者でも、「設備設計はちんぷんかんぷん」と公言してはばからない方も少なくありませんので、「実力」をお確かめになったほうが良いと思います。
また、設備設計の専門家でも「積算見積」は苦手な方もいます。
設備業者に丸投げして見積を出させるだけの方もいます。
残念ながら、設備に関して「仕事を依頼する際に内容をある程度保証してくれる」ような公的資格は無いと思います。
> やみくもに探すわけにいきませんから。
現状では「探しようがない」というのが正しいでしょうね。
いろいろなつてを辿っていくしかないでしょう。
> 雑排水管の取り換えを検討中
計画検討積算等、普段からやっておりますので、ご相談下さればある程度お答えできると思います。
> 仕事に情熱をそそげるなら資格取得してください。
看護師に医師免許を要求するような、結構無茶な制度なのですが、決め事ですから仕方ありませんね。
ようやく今週、一級合格の通知が来ました。
来夏、設備一級の講習を受けることになりそうです。