http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2525385/detail
募金お願いのページ
http://www.sakurahelp.com/
まあ、記事に紹介される批判も、わからないではないのですが。
両親が高給取りだし、職場の同僚もそうなのだから、自己調達しろ、と。
客観的に見れば、そう言えるのかもしれません。
けれども、ワタクシには、そういう批判ができません。
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「さくらちゃん」は、今年4月の体調不良をきっかけに心臓病が発覚し、5月末には移植以外の治療方法のない病であると診断されたそうです。
セカンドオピニオン、サードオピニオンを経て、移植のアテを探し、「救う会」を立上げ、やっと体制が整って募金活動を始めた、という状況のようです。
始めた途端、非難中傷が次々と出てきたようです。
それで慌てて、「救う会」も透明性を高めて理解を深めるための対応をしているようです。
ま、確かに1億円超の募金を集めようというのだから、しっかりした組織を立ち上げて、万全の体制をとるのが望ましいことは確かでしょう。
でも、自分の子どもがいきなり不治の病となり、治療のために莫大な費用がかかることが分かった場合、「万全の体制」を作り上げるのは、まことに困難なことと思います。
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ワタクシの子どもは、心臓病を持っています。
ちょうど、「さくらちゃん」と同じ年の生まれです。
うちの子の場合には、生まれて数日で先天性の病気が発見され、以後定期的に受診し、検査や手術を経て現在に至っています。
つい先月も、カテーテル検査で1週間入院していました。
生まれてしばらくは、先天性の心臓病について、いろいろと情報を集めました。
医学書を読み漁り、治療方法や投与薬剤についても学びました。
心臓病の子を持つ親が開設しているHPを片っ端から見ました。
海外渡航による心臓移植を行った子どもたちのことも知りました。
幾多の困難を乗り越え、高額の医療費に愕然とし、
公的補助の乏しさ・わかりにくさに辟易し、
元気になった子もいれば、亡くなった子たちもいる。
そういう実例を、多く見ました。
WEBだけではなく、実際に、多くのそういう子どもたち、親御さんたちに
会いました。
ワタクシ自身、検査結果に一喜一憂し、発作をおこせばうろたえ、
心臓内部を切った貼ったする手術に望みをかけて、
その効果やリスク、失敗例なども説明を受けて、手術室に送り出す。
術後のチューブだらけの姿。
ICUで、モニターに囲まれ、死んだように横たわる子ども。
心不全が続き、苦しそうな様子。
両脇腹に突っ込まれた体液(胸水)抜きのチューブ。
そこから流れ落ちてベッド下のタンクにたまる体液。
胸に縦一筋の手術痕が、時々炎症を起こして赤く盛り上がり。
手の甲や両腕に多数の注射や点滴の跡。
精神的にも、肉体的にも、経済的にも、困難を覚えつつ、過ごしてきました。
現在は、そんな事が無かったかのように元気に生活しています・・・。
でも、決して「正常な心臓」になったわけではないのですが。
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そういう所を通ってきた者として、
「当事者」の視点で、モノを感じてしまいます。
だから、記事で紹介されているような批判は、できない。
むしろ、何の批判もなくても、非常な困難を覚えているというのに、更に心労が増し加わる状況であることを、とても気の毒に思います。
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すべての事には、「当事者」がいます。
そして一方で、当事者ではない「周囲の者」がいます。
物事を客観的に見て、客観的な判断ができる「周囲」は、必要です。
けれども、「当事者」を苦しめるだけの「周囲」だとしたら、とても残念な存在です。
・・・と言うのは簡単だけれども、自分自身、そういう「望まれざる周囲の者」になっているかも知れません。
ワタクシも、ある事がらに関しては「当事者」であるけれども、他のことについては「周囲の者」なのですから。
なるべくなら、「当事者」の現状や立場や気持ちを理解した上で、適切にサポートできる「周囲の者」になれたらいいな、と思います。
なかなか、難しいことではあります。
さいわい、現在はネット検索で、たくさんの当事者情報を収集することができる時代となっていますから、少しは状況が良い方向に進むと良いのですが。
(「当事者と、周囲。」おわり。)
【たとえば、先天性心疾患】
http://dir.yahoo.co.jp/Health/Diseases_and_Conditions/Congenital_Heart_Disease/