2006年10月06日

ポンプの、能力。

建物内に設置される各種ポンプには、「能力」があります。

主なものとしては、

吸込口径、吐出口径、流量、揚程、電源(相・電圧・動力)。

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設備図の機器表には、

80φ×65φ×700L/min×13m、3φ200V-3.7kW

なんて書いてあったりします。


ポンプに吸い込む部分の口径が80mmで、
ポンプから吐出する部分の口径が65mmで、
流量は1分間あたり700リットル、
吐出する力は、水を垂直に13m噴き上げるだけの力、
3相200V電源で3.7kWのモーターがついている。


そんな意味です。

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ここで、図面に書いてある能力には2通りあり得ます。

1つは、「必要能力」
もう1つは、「機器の定格能力」

計算上は700L/min×13mで良いのだけれども、製品としてのポンプには丁度ぴったりのが無い。で、いちばん近い機種が750L/min×15mだ、ということもあります。


こういうとき、図面には
必要能力の700L/min×13mを書く場合と
定格能力の750L/min×15mを書く場合と
あるわけです。


公共工事では、前者で書くことが普通です。
メーカーによって、ポンプ効率などが若干違いますから、
「これだけ必要。あとはこれを満たすものを選んで設置してね」という機器表になるわけです。

でも、実際の能力を書いておくこともありまして、統一されていないのが現状です。

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だから、設置するポンプの「承諾」をする場合でも、必要能力に対して、業者さんから出てきた「承諾図」の機器が妥当かどうか、検討が必要になります。

700L/min×13mの設計図のところ、
いくら条件を満たしているといっても、
2,000L/min×30mのポンプでは大きすぎて、いろいろ他の部分に悪影響を及ぼしてしまします。


いろいろなポンプを組み合わせてシステムを組んでいる場合には、個々のポンプ能力のみならず、全体のシステムとしての能力に整合が取れていないと、うまく働かなくなる危険性もありますから。

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なお、ポンプの仕様には、このほかにもいろいろと気にすべきことがらがあります。


形式→使用目的に応じて、形式が限定されてくる場合があります。
材質→鋳鉄製とか、ステンレス製とか、ナイロンコーティングとか。
背圧→ポンプ本体の内部にかかる圧力。高層の建物の場合に問題となってきます。
温度→取り扱う液体の温度に耐えられる構造のものを選ぶ必要があります。
付属品→防振架台や圧力計、連成計、呼び水漏斗、スモレンスキチャッキなど。


あと、電気設備との整合として、
電源電圧→100V、200V、400Vなど。インバーター使用も。
起動方式→直入、スターデルタ、リアクトルなど。
インターロック→他機器との関係

などを気にする必要があります。


設備の設計図で想定していたのと違うメーカー製のものを採用した場合、設計図とは動力値が違う場合もありますから、動力盤の変更をしなくてはならなくなります。


そういうわけで、「とにかく設計図の通り」つくったのではダメなことがあります。

ですから、作るほうも監理するほうも、システムを理解して、ほんとうにふさわしいものを選定し、承諾していかなくてはならないのです。


本項では「ポンプ」を取り上げましたが、各種機器類、すべてについて同様のことが言えます。

特に高額の機器、影響力の大きな機器ほど、考慮すべき条件が多くなってきます。

設計の際も、施工の際も、監理に際しても、各機器についてその辺のところをよく考えたいものです。


(「ポンプの、能力」おわり。)
posted by けろ at 15:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 設備一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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