「焼却炉設備」。
昔は、どこに行っても、焼却炉がありました。
学校新築の設計の際にも、「焼却炉室」があって、業務用の焼却炉を入れたものです。投入口の位置や、炉床の構造、送風装置や着火方式など、いろいろな要素があったように記憶しています。
児童・生徒が掃除の後集めてきたゴミを、用務員さん(正しくは、公務補さんですかね)がせっせと入れて燃やしていたものです。
病院でも、使い古したシーツとか、脱脂綿とか、薬剤や消耗品が入っていた箱、不要になった書類などを燃やしていました。
各家庭にも、小さな焼却炉がそれなりに普及していたように思います。
でも、すっかり駆逐されてしまいました。
「ダイオキシン騒動」のせいです。
設計監理に携わった、とある学校では、完成した直後に個別焼却炉使用禁止の通達が来て、結局使われること無く撤去されてしまいました。もったいない。
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今、ダイオキシンについて、ほとんど騒がれなくなりました。
マスコミが取り上げなくなったからです。
もう、さんざん取り上げたから、もういいや、となったのでしょうか。
いえ、そもそも、騒ぐほどのことではなかった、とわかったので、
敢えて触れないようにしているのではないでしょうか。
ダイオキシン関連については、
http://www.numse.nagoya-u.ac.jp/F1/proftakeda/syoku/index.htm
の「庶民省白書」に詳しいので、そちらを御参照下さい。
ごくわずかのダイオキシンを発生する焼却施設を無くさせようと、
ダイオキシンを発生するタバコを吸いながら議論する、という愚。
「クジラを殺して食べるなんて野蛮だ」と言いながら、
牛を殺して食べるようなもの。
大規模清掃工場のプラントを施工する、大規模焼却炉メーカーが儲かって、
日本中の自治体が莫大な借金を負ってしまっただけになったように思います。
「猛毒なようだ」
「危険そうだ」
・・・予防原則として、疑いがある場合にはとりあえず発生させないようにする。
これは、大切なことです。
ただ、その後、危険度や毒性について、よく検証して、その結果を公表しなければなりません。
ともすると、
「予算ついちゃったから、とにかく事を進める方向に結果を作って」
となりがちですよね。
ある意味、こうして歴史が作られていくんですが。
(「焼却炉設備。」おわり)
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