どんな水を飲んでいますか。
水道水ですか。
ミネラルウォーターでしょうか。
それとも、アルコール割り?
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「水道水は、まずい。」という方もいます。
「塩素臭いのがイヤ。」という方もいます。
でも、水道水の塩素臭いのは、仕方が無いのです。
水道法で、0.1mg/Lの遊離残留塩素が義務付けられていますから。
じゃあ、法律が悪いのかと言うと、そういうことでもありません。
「滅菌消毒」のために必要だから、行われています。
水道水の塩素などを取り除く「浄水器」を蛇口に取り付けていたら、その浄水器のところに雑菌が繁殖していた、なんてこともあるのです。
水道水が雑菌に汚染されないため、塩素が添加されているのです。
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「水道の水は、清潔で安全です。」という方もいます。
でも、川や湖の水を取水して、浄水して、配水管を通じて各建物に送って、各建物内の水槽やポンプや配管を通じて蛇口に至る、すべての部分で完全に清潔で安全、なんてことは難しいことです。
取水口がずいぶん汚い、と感じることもあります。
浄水場で処理された後に、配水池に貯められている水が、きたなく感じることもあります。
水槽の中が汚れていたり、ポンプがずいぶん汚かったり、配管内が錆びていたり。
でも、日本の水道水は、結構清潔で安全な方だと思います。
少なくとも、飲んですぐに胃腸を悪くしたり、病気になったりするような水道水はないのですから。
日本の水道のつもりで、外国で水道水を飲んだら大変なことも。
多くの外国の人から見たら、飲める水が水道で供給されるなんて、すばらしいことかも知れません。
飲める水で便所の汚物を流す、というのは、贅沢過ぎることかも知れません。
たとい淀川の水が原水であろうと、霞ヶ浦の水が原水であろうと、日本の水道水は清潔で安全と言えるのでしょう。
あとは、「清潔で安全」の程度をどのくらいに考えるかによりますね。
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「名水がおいしい。」という方もいます。
http://www.hokkaido-jin.jp/heritage/11.html
とか。
自然の中で、長期間にわたってろ過されてきた名水。
でも、これだって、確かなことは言えません。
膨大な湧水量の中で、部分的に汚れていないことを完全に証明することなど不可能です。
「時々検査してみて大丈夫だから、ずっと大丈夫とみなす。」
それだけのこと。
でもね、やっぱり美味しいと感じますけど。
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たまに、「水道水が汚染されていた」なんていうニュースを聞くことがあります。
そういう場合、何かの有害物質が「含まれていた」ことだけを問題にしないようにしたいものです。
「どのくらいの濃度で」とか「どのくらいの量が」とか、そういう部分を気にすべきです。
マスコミで取り上げられるのは、たいてい「有るか、無いか」だけ。
読者や視聴者の関心を引き付けるべく、センセーショナルに取り上げることが多いのですが、そんなものに惑わされるべきではないのです。
例えば、ホルムアルデヒド入りのフグの話。アセトアルデヒド入りキャラメルの話。
http://www.numse.nagoya-u.ac.jp/F1/proftakeda/syoku/anshin4/index.htm
また、水道水。
ヒ素だって、鉛だって、カドミウムだって、放射性物質だって、入っている筈です。
そう。
おおよそ自然界にあるものは、全部含まれているはずです。
ただ、その濃度が濃いか薄いかだけの問題です。
有害物質を完全に無くすことは、不可能。
(検出限界以下にすることは可能でしょうが。)
「昔の水からは、そんな有害物質は出てこなかった」なんて言っても、意味がありません。
昔の測定技術では検出できなかっただけの話。無かったワケではない筈です。
現在は測定精度が飛躍的に向上したから、検出できているだけの話。
普段吸っている空気中にも、ありとあらゆる気体が含まれているのです。
鉛の原子だって、飛び回っているのです。大変僅かではあっても。
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「安全な水」とは、
「飲み続けていても、たぶんそれが原因では死んだり病気になったりしそうにない水」
くらいのことじゃないかな、と思います。
「この水は、絶対安全。有害物質は一切含まれていません。安心してお飲みいただけます。」
なんて言うのは、ウソです。
うさんくさいこと、この上ない。
科学的には、ありえない事ではないでしょうか。
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ワタクシは、旅先(とくに大都会)では、水道水を飲まないようにしています。
体に合わないと困るから。
実際、むかし、大阪や東京で飲んだ水道水が臭くてイヤだった、ということもあります。
出先で腹を壊すのも困りますしね。
でもそれは、「体質に合わない」ということで、「そこの水道水が汚染されている」ということでもない。
ある国で、日本人が飲んだら一発で下痢をする水でも、現地の人は何の問題も無く飲んでいる場合もあります。
清浄度は高くても、含まれているミネラル分が体質に合わないこともあります。
ごくわずか含まれている不純物に過剰に(敏感に)反応してしまうだけかも知れません。
ただ、それだけのことです。
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設備に関係することとすれば、
給水設備には、
人体への影響がなるべく少なそうな材料を採用する、とか。
水が汚染されにくいシステムにする(クロスコネクションをしない、とか)。
水槽の清掃はしっかり行う、とか。
水槽に虫や動植物が入り込みにくいようにする、とか。
いずれにしても、
「絶対に」とか、「確実に」というのではなくて、
「なるべく」とか、「できるだけ」とか
そういうレベルのものだと思うのです。
(「安全な水、おいしい水。」おわり)
【関連する記事】
お水、私、毎日何をのもうかなぁ〜って
すごーーーく迷っているところなんですよね。。。
事務所では、350MLのお水を買っていて
クリスタルガイザーだったり
アルプスの天然水だったり
アルカリイオン水だったり
で、家ではやっぱり1.5Lのペットボトルを買っていて
家(マンション)の水道水は飲みません。
きっと(絶対)受水層を通してのお水だし
名古屋のお水ってあまり美味しくない。
でも別に飲んでも、人体に影響はないよねぇ?と思いつつ・・・沸騰させてみたり・・・
逆に実家(岐阜県)に帰ると、お水は水道からジャバジャバ飲んでいます。
飲んでいるのは私だけなのですが、岐阜はやっぱりお水が美味しい。
実家も1戸建てなので、溜めてあるお水ではないからかしら・・・。
ペットボトルのお水、ミネラルウォーターを心底信頼しているわけでもないのに、買いつづけているお水・・・なんだか煮え切らない私なんですよね
(ってすごく取りとめも無い書き込みになってしまいました)
北海道はお水、美味しいですか?
大阪のなんかは、
「5回は下水処理された水を飲んでいる」
とか。
東京都も、がんばっているようではありますが。
http://www.waterworks.metro.tokyo.jp/jigyo/syokai/03.htm
北海道では、水道水を売っていたりもします。
http://www.city.sapporo.jp/suido/c24/index.html
受水槽や高架水槽が、とくべつ汚いわけじゃありません。
定期的に掃除していれば(法的には、しなくてはならない)、ぜんぜん問題ないと思いますよ。
水槽がない直圧給水だって、結局は取水から浄水、配水、供給にいたるいろんなところを経由してきていますから、完璧にきれいなわけでもありません。
そこそこきれいで、十分なのでは。
輸入モノのミネラルウォーターだって、実際の採水場所を見てみないことには・・・。
ペットボトルに入っている水には、水質基準はない。
だけど水道水には、水質基準がある。
ということをよく聞きます。
ペットボトルの水は、水道水には含まれないミネラル分が含まれるから美味い。となるんでしょうから、
美味い。というのと、安全である。
というのは、明らかに違うんですね。
私が小さい頃の東京(といってもいわゆる都下ですが)は、奥多摩や秩父の山から沁みこんで流れてきた伏流水が、「はけ」として湧き出てきたり、水道水もそれなりに美味しかったんです。
私たちが、色んな物を水に流してしまった結果・代償としての今の「水」があるんですね。
実際に、下水処理場の排水口の下流に、浄水場の取水口があるんですから。
大都市江戸を数百年間にわたって支えるには、水が不可欠ですしね。
「水質基準を満たしている」ということは、裏を返せば、「基準値以下なら含んでいてもよい」「基準にない物質は含んでいてもよい」ということでもあります。
「安全」を科学的に証明することは、とても難しいことだと思います。(「危険」の証明の方がずっと易しいです。)