【特記仕様書】
共通仕様書(国土交通省、空気調和・衛生工学会、建築家協会などで制定しているもの)に記載されている以外の特記事項や一般事項について記載したものです。
配管類の材質なども表現します。
【配置図】
敷地と建物の関係を記載した図面です。
屋外配管図と兼用されることも多くあります。
【機器表】
機器類(空調機、ボイラー、ポンプ、ファン、水槽など)の記号、名称、材質、能力、電気容量、数量などを記載した表です。
量が多い場合、衛生設備と空調設備、換気設備とで分けて作成したりします。
【器具表】
衛生器具(便器、洗面器など)の名称、仕様、設置場所、数量などを記載した表です。
公共事業ではJIS型番を書きますが、民間では、東陶機器、INAXなどの製造者品番を記入します。
デザインが重要なときには、輸入モノを使用することもあります。
【系統図】
機器類、配管類の接続系統、全体のシステムがわかるように描いた図面。
衛生設備、空調配管設備、空調ダクト設備、換気ダクト設備、など、主に縦方向のつながりを表現します。
自動制御設備や浄化槽設備などの場合には、制御や処理のフローを示すものを作成します。
【平面図】
各階の配管やダクト類の平面的なつながりを表現します。
衛生設備平面図、空調配管平面図、空調換気ダクト平面図、自動制御平面図、などがあります。
管やダクトの用途、本数、サイズなどとともに、接続される弁類、ダンパー類、吹出口、放熱器などの形式やサイズなども記載されます。
法規チェック事項が併記されることもあります。
描かれる分量が多い場合、給排水設備と消火設備を分けたり、空調ダクトと換気ダクトを分けたりして、各設備ごとのつながりがわかりにくくならないようにします。
【詳細図】
機械室、便所、厨房など、配管やダクトがごちゃごちゃしている部分は、平面図よりも詳しく表現できる縮尺で描きます。
【製作図】
受水槽、タンク類などの場合、製作図を起こすこともあります。
【その他】
必要に応じて、断面図や施工要領図、機器廻りの計器類設置位置図などを作成して設計意図を伝達し易くします。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
公共工事の場合には、設備に関しても「工事監理」が行われることがありますが、民間工事の場合には、設備の「工事監理」は稀です。
設備担当も在籍している大手設計事務所の場合には、建築工事の監理と合わせて設備担当が現場に行くこともありますが、それ以外の場合には「施工業者におまかせ」となることも少なくありません。
衛生器具の形や色、吹出口の位置や塗装色、パネルヒーターなど表面に出てくる機器類の形状や色は、意匠設計者の承諾を得て決めていきますが、配管の材料や保温の仕様、継手の種類、支持のとり方、絶縁の仕様、機器類の仕様チェックなど、設備本来の重要事項は、施工業者が決めて形式的に意匠設計者の承諾を得ているだけ、ということが多いようです。
そのため、設備に関しては施工業者の質(というか、その現場を受け持つ担当者の質)によって、出来栄えが大きく違います。
異種金属接合による早期腐食・水漏れとか、クロスコネクション、配管接続要領のまちがい、水系設備の設定圧力違いなど、うっかりミスも時々見られます。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
設備の設計図では、実際の配管施工位置(床面から何mm下に、とか、壁から何mm離れたところ、とか)までは表現できませんので、施工に先立って業者さんが「施工図」を作成します。
本来でしたら、出来上がった施工図を監理者が見て、設計内容と照合してチェックし、他工事(建築工事や電気工事など)との取り合いを考慮した上で承諾し、施工に進みます。
設備の監理者が居ない場合には、形式上建築の監理者の印を押しておくだけ(俗に言う「めくら判」ですね)だったり、小規模建築の場合には、そもそも施工図が作成されないこともあります。
そういう場合には、現場の職人さんが経験を生かして目分量で配管していきます。
でも、壁や天井が出来上がったあとには、実際の配管ルートが不明になってしまうことになります。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
設備の設計図をきちっと作成すること。
設備の施工をきちっと行うこと。
設備の監理を適切におこなうこと。
それらを通じて、良いもの(設備について、ですが。)が出来上がっていきます。
(「設備の、設計図。」おわり)