2006年09月10日

機械室に入るモノ。(2)

(「機械室に入るモノ。(1)」からの続き)

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【衛生機器】

1.熱源

 お湯をつくるための機器類が入ります。でもそれは、中央式の給湯設備が設けられる場合に限ります。

 小規模な給湯の場合、瞬間式湯沸器や、小型電気温水器を個別に設置して終わりです。

 用途によっては、冷たい水を供給するための冷水装置を設けることもあります。

 衛生設備の熱源は、空調熱源と兼用することも多くあります。
 それぞれの負荷特性、運転時間特性などを考慮して、決めていくこととなります。


2.燃料

 空調と同様、熱源機運転のための燃料もしくはエネルギー源が必要となります。


3.一次搬送

 中央式の給湯設備の場合には、一定量貯蔵(貯湯)することになります。熱源機と貯湯槽との間の循環が一次系です。給湯一次ポンプによって循環させ、貯湯槽内の湯を一定温度に保つようにします。

 給水の場合には、水道管から直結で各給水場所に送る場合には、搬送は不要です。
しかし、一度タンクに貯めるような場合には、ポンプなどで送り出してやる必要が生じます。

 給水の場合には一次、二次という分け方はあまりしません。が、システムによって、何段階かポンプで送り出す場合もあります。
161_6115.JPG

4.貯蔵

 一時に使用する湯量が多い場合など、貯湯槽に湯を貯めておきます。
 貯湯槽の大きさは、建物の給湯負荷とその時間的偏り、熱源機器の大きさなどによって決めていきます。貯湯量ゼロの場合は、瞬間湯沸器ということになります。

 受水槽方式の場合には、受水槽を置いて水を貯めておきます。

 衛生の機器で特に場所を取るのは、熱源機、受水槽、貯湯槽です。

 だいたいの大きさの目安?

 建物の給水量、給湯量や使用者人数によって大きく違いますので、何とも言えません。統計的にはある一定の数字が出ますが。


5.二次搬送

 貯湯槽から各給湯場所に湯を送る管が二次系です。
 冷暖房と違って、湯は使うとなくなります。
 が、ある程度の時間使用しないと、管内の湯が徐々に冷めてきますので、少しずつ熱源機に戻して暖めなおします。そのためのポンプが給湯二次ポンプです。戻すための管は返湯管です。返湯管は給湯管より細くなります。

 給湯二次ポンプの流量が大きすぎて、返湯管内の流速が大きくなり、そのせいで配管が早く傷む事例が多くあります。


6.制御

 空調設備同様、熱源機の適切な運転、給湯温度を一定に保つなどのために、制御系が必要となります。

 加圧給水ポンプなど、他に関係なく運転制御ができるものについては、ポンプ自体に制御盤がセットされている製品もあります。

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何となく、イメージが湧きましたでしょうか?

機械室に入るときには、こういう観点で機器類を見てみると、スペースの実感が湧いてくるのではないでしょうか。


「設備については、設備屋さんにおまかせするから、知らなくていいの。」
なんて言わないで下さいね。

「設備はわかんない」「構造はわかんない」「電気はわかんない」なんて言わないで、関わってみて下さい。
建築というものは、いろいろな領域が適切に組み合わされて、機能を果たすのですから、わかっているに越したことはありませんよね。


今般の建築士制度改正案は、その方向で進んでいますし。


アーキテクトとエンジニア。
日本の建築士には、両方の顔が求められているように思うのです。


(「機械室に入るモノ。」おわり)
posted by けろ at 01:08| Comment(0) | TrackBack(1) | 設備一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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