各住戸で必要な、いろいろな配管やメーターのたぐいが所狭しと入っています。
メーターボックス(以下、MBと書きます)には、給水管・水道メーターをはじめ、ガス管・ガスメーター・灯油の戸別タンク・灯油メーター・給油管・返油管・排水管・通気管などなど、いろいろなものが入ります。実際に何が入るかは、その建物の設備システムをどのようにするかによって変わってきます。
ですから、
「住宅何戸だと、MBの大きさはこのくらい」
と、決まったものはありません。
基本計画時の目安としては、それなりで良いのですが、実施設計時には何が入るかによって大きさを良く検討するほうが良いでしょうね。
設備の配管・メーター類のほかに、電気のケーブルやメーターが入る部分もあります。管の種類によって、電気ケーブルと区画して入れなければならないこともあります。
上の写真を見て、何かお気づきでしょうか?
「広々している」とは言い難いものの、すっきりと納まっていますね。
扉も広く開くので、MBの全体が見渡せます。
このMBは、間口が広くて、奥行きが小さいものです。
このように配管やメーターを並べるので、MBは幅広なほうが都合が良いものです。間口が狭くて奥行きが深いと、同じ面積でも使いにくいMBになってしまいます。
メーターは、取り付けるからには読めなければなりません。
また、計量法の規定上、定期的に交換する必要があります。
バルブやコックは、操作できなければいけません。
細い配管がくねくね曲がっている部分は、錆びたり水漏れしたりし易いので、補修し易いことも求められます。
配管類の耐用年数は、建物の躯体よりも短いですから、解体までに1度や2度は配管更新をする必要があります。
住宅の場合には、住みながらの改修になりますから、それが可能な造りにしておかないと、後で大変になります。
バブル期に格安で建てられたマンションなどの中には、これらのことが全く考慮されていないものもあります。
余裕のないMBに、奥から順番に配管やメーターを組み立ててしまって、手前の扉もごく小さく、造ってしまったが最後、そう簡単には改修が出来ないようになっていたりします。
そういう所では、配管の材料も、配管の施工も、決して良いグレードとは言えず、劣化が早かったりします。
マンションを購入する場合には、専有部分の造りももちろんですが、このような共用部の造りも、あとあとのために良く見て検討されると良いと思います。
目に見える部分も、大切です。
でも、目に見える部分の良し悪しは、見ればすぐにわかることでしょう。
しかし、普段は目に見えない部分も、大切なのです。
そして、建物の良し悪しは、目に見えないところにこそ如実にあらわれるものです。
見えるところだけきれいに造って、ほかでは手を抜いて、安くする。
見えないところもきちっと造っているので、高い。
どちらが良いかは、その人の価値観によりますけれども。
(「手を抜いて、高い」は論外。)
少なくとも、一生に一度かも知れない大きな買い物でしたら、ただ「見た目がきれい」「安い」だけの価値基準で購入するのは避けたいものです。
まあ、人間も似たようなことが言えますかね。ただ「見た目が良い」「給料が高い」だけの価値基準で選ぶと・・・。
(「メーターボックス。」おわり)
差し支えなければ、ぼくのブログでもこの記事紹介させていただいてもよろしいでしょうか??
勉強になりました!
もちろんOKです。
17さんのブログで紹介されるなんて、恐れ多いですけれども。
いつも、17さんのページでは勉強させていただいております! ありがとうございます。
助かります。
ochaさん経由でも資料を頂いたり、感謝しています!!
Ochaさんからは、いつもいろいろ頂くばかりで、ワタクシからはほとんど何も提供できておりません。
せめて、誰かの何かに役に立てればいいな、と思います。