空気と水蒸気に戻して考えてみましょうか。
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結露を防ぐには、
1.もともと水蒸気を少ししか入れない。
2.空気の温度を下げない。
のどちらかの手段、もしくは両方の手段があるということになります。
20℃の乾燥空気1kgには、15gの水蒸気を含むことができますが、5℃だと、5.5gです。
20℃の空気が5℃になるまで結露しないようにするには、水蒸気の量を5.5g未満にしておけば良いことになります。
20℃の空気で、水蒸気が5.5gなら、相対湿度は37%。
(5.5÷15×100≒37ですね。)
一般的に、相対湿度は40〜50%が適正と言われていますから、これでも少し乾燥気味ということになります。
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冬、暖房していて、室内空気温度20℃、相対湿度37%の時には、室内の空気が5℃以下に下がらないようにすれば、結露を防ぐことができます。
「そんなに寒くならないけど」
と思いますか?
壁や天井の表面温度は、条件によってはそれくらい下がることがあります。
室内 → 壁の表面 → 壁の内部 → 壁の外側 → 屋外
と、順に温度が低くなっていくのです。
屋外が寒いほど、壁の断熱性能が低いほど、壁の表面温度は低くなってしまうのです。
そうすると、冷たい壁の表面に結露が生じます。
拭いても拭いても、どんどん結露します。
水蒸気が使い尽くされて、室内がカラッカラの異常乾燥状態にならない限り。
じゃあ、どうすれば止まるんでしょうか?
壁の表面温度を下げないこと、これに尽きます。
夏の蒸し暑い日、冷たぁ〜〜い缶ジュースを置いても表面に結露しないように
するには?
一生懸命に表面を拭き続けますか?
まわりに除湿機を置こうが、吸湿材を置こうが、水蒸気なんてそこら中から次々と供給されてくるんですから、キリがありません。
そうです。
缶表面に空気が触れて冷やされないように、断熱材で覆うのが一番の解決です。
建物も同じ。
基本は、断熱をしっかりして、壁や天井など、表面温度があまり低くならないようにすることです。
どんな断熱材をどのくらいの厚さで、どのように入れれば、壁の表面温度は何℃くらいになるのか。
計算で出すことが可能です。(厳密ではありませんが。)
断熱材の施工方法や設置位置によっては、断熱材内部で結露が生じてしまい、役に立たなくなりますから、そのあたりを理解した上で対処していく必要がありますね。
(「結露は、なぜ?(5)」につづく)
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