どうなるでしょう?
中の水が凍り、膨張して、破裂するそうですね。
(やってみたことはありませんが。)
水は、凍ると体積が増えます。なので、どうしても中身を凍らせたい場合には、あらかじめ中の水を少し減らしておいて、膨張分を吸収できるようにしておく必要がありますね。
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話は変わって、暖房などの場合。
温水暖房をする場合、配管の中には温かい水が入っています。
暖房に使う温水は温度が高く、部屋で放熱してしまったあとの温水は、10℃
くらい温度が下がっているのが普通です。
でも、水って、温度が上がるとふくらんで、下がると縮むんですよね。
密閉された配管の中で水がふくらんだり縮んだりすると、鉄でできた配管でも
亀裂が入ったりすることがあります。システムの中で一番弱いところからやられてしまいます。
そこで、膨張や収縮分をある程度吸収できるように、配管の一部につなぐのが
「膨張タンク」です。
密閉形と開放形とがありますが、密閉形の方がいろいろと優れた面が多いので、よく使われています。(昔は開放形〜ただのタンク〜しかありませんでしたが。)
写真は、密閉形のものです。国交省での正式な呼び名は、「密閉形隔膜式膨張タンク」。
ただのタンクではなくて、真ん中へんに仕切りの膜(隔膜)が入っていて、空気が入っている部分と水が入っている部分に分かれています。
この隔膜は動くので、水が膨張すると空気部分の体積が減り、水が縮むと空気部分の体積が増えます。こうして、配管や放熱器(パネルヒーターやファンコンベクターなど部屋を暖めるために使う機器)が傷まないように守っています。
↓ こんな感じです。
https://www.morieng.co.jp/machine/reflex.html
暖房する範囲が広いと、
たくさんの温水を使う → 同じ温度変化でも膨張量が大きい → 大きな膨張タンクが必要
暖房する建物が高層だと、
高低差に打ち勝つため管内の圧力が高い → タンク内の空気圧力が高い
という具合になります。
これは、暖房だけではなくて、冷房に使う冷水系でも、給湯でも、とにかく密閉されていて水の温度が変化する場合には必要になります。
「水系」のシステムの場合、このタンクの役割は重要です。
古くなって隔膜が劣化してうまく働かなくなると、システム内の圧力調節がうまくいかなくなって、配管や機器が壊れていきます。
封入空気圧力が低下した場合も同様です。
設備の健康と長持ちのため、メンテナンスをきちっと行ったほうがいいモノの一つです。
(「膨張タンク」終わり)
ボイラーや燃焼機の設備及びアフターサービスを始めたものです、これから此方のブログ色々勉強させて頂きます。
これから宜しく、お願いします。
お返事大変遅くなりまして、
申し訳ありません。
いろいろありまして……。
これからも、よろしくお願いいたします。
膨張タンクについて勉強の旅(ネットサーフィン)をしていたところ、けろさんのブログを発見し、楽しく勉強させていただきました!
冷水系の事について、さらっとしか書かれていなかったので、教えていただけると嬉しいのですが・・・
「冷水系にも膨張タンクが必要である」とブログ内でコメントされていますが、
「チラー稼働中は問答無用で、膨張タンクが必要」で、
もし、膨張タンクが設置されていなければ、冷水温度が圧力により上昇してしまったりするものなのでしょうか?
また、圧力を逃がすだけなら、安全弁=膨張タンクの代替品はダメなのかな…?と思ってしまいました。
こんなに古い記事を見つけていただいて、ありがとうございます。
水は温度変化によって膨張収縮するので、温水だろうが冷水だろうが密閉回路であれば圧力変動対策が必要です。
システムが小さい場合には、膨張→安全弁、収縮→補給水 で代替は可能だと思います。
大きなシステムでも不可能じゃありませんが、膨張のたびに回路水を捨て、収縮のたびに補給水を入れるのでは無駄が多くなりますし。防錆剤など薬品処理しているなら、その分も無駄になりますし。
タンクのコストや設置スペースなどを考慮しても、密閉型膨張タンクを設置したほうが何かと良いんじゃないかと思っています。
タン子です。
井上先生の本やネット記事を読んでも、
「空調や給湯システムには膨張タンク設置しときなさい…開放式や安全弁は色々と不便だから忘れなさいな」
くらいしか書いて無く…本当に勉強になりました(*'ω'*)!ありがとうございます!
設備っておくが深〜くって面白いでね!
これからもブログ更新を楽しみにしています♪
そんなこんなにツッコミを入れていくのも楽しくて、この業界でずっとウロウロしているのです。
下階に加熱装置と貯湯槽を設け、上向き給湯、又は下向き給湯にした場合、膨張管は大気に直接開放するのは可能なのでしょうか。屋上等に垂れ流しになると思います。どの程度の量なのか分かりません。
それとも、開放型膨張水槽を設置し、膨張管をつなげるのでしょうか。
(現在の膨張水槽は密閉型膨張水槽が主流になると思いますが)
ネットやビル管理の教材を見ても、膨張水槽を設けず大気開放の図や、開放型膨張水槽を設置し、膨張管を繋いだ図、更には開放型膨張水槽に補給水を設けた図(これは空調設備の温水の系統図かと思います)
どれが正しいのか分かりません。
それとも、規模によって大気開放の場合と膨張水槽を設ける場合に分けるのでしょうか。
よろしくお願いします。
研究者でも教育者でもないので、あんまり学術的なことは掲載しておりませんし、しようもないのです。
膨張水槽は、膨張した水を取り込み、収縮した際には管内に水を送り出すためのものです。水槽なしで「大気に直接開放」はあり得ません。膨張水を捨てるだけで、取り込みができませんから。
なので、開放式にせよ密閉式にせよ、膨張水槽に接続することになります。
開放式膨張水槽の通気管であれば、大気開放にされることと思いますが。
もっとも、システム水量が少なくて、かつ膨張管の管長がかなりあるようでしたら
その膨張管自体が膨張水槽の役割を果たせるので先端が大気開放されていても大丈夫かもしれません。
依然、補給水はどうする? という点は残りますが。
安全弁以降の吹出し管は「大気開放」になりますが、そのあたりが混ざってしまっているかもしれません。
以上ワタクシの見解ですが、正確には然るべきお方にお尋ねになったほうが良いかと思います。