(「餡(あん)職人の憂鬱(2)」からの続き)
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生地職人は、青くなりました。
そして、パン士資格を持っていなかった者は、一生懸命勉強して、パン士資格を取り、さらに研修を受けて特定生地パン士の資格を取りました。
しばらく、パンの生産量は少なくなりました。
それまで、生地は生地職人が作っていましたが、資格のない者は作れなくなったからです。
既存のパン士で、実際に生地作りが出来る人はあまり多くありませんでしたから、生地職人ががんばって勉強して、パン士、さらに特定生地パン士を取得するのを待たなければなりませんでした。
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中身に関する各職人は、青くなるのを通り越していました。
パン士資格を持っている、中身関連の職人はとても少なかったからです。
そして、パン士を取得するのは、とても困難でした。
特定中身パン士を頑張って取得した中身関連の職人も、困りました。
元々あん職人である「特定中身パン士」は、あんの専門家なのですが、サラダについてはほとんど知識がありませんでした。サラダを作るように依頼されても、戸惑うばかりでした。
元々クリーム職人である「特定中身パン士」は、同じ洋菓子系なのでジャムとチョコレートについてはだいたいわかるのですが、和菓子系のあんについては良くわかりませんでした。野菜系も苦手です。
照り焼きやソーセージを焼くのも、マニュアルだのみ。おいしく作れませんでした。
仕事は、「中身一式」で来るために、いろんな中身の専門を持つ特定中身パン士を揃えなければなりませんでした。けれども、それだけの人数の資格者を食べさせていくのは容易なことではなく、特定中身パン士の店は次々に破綻していくのでした。
じつのところ、多くの一般のパン士は、「中身屋」に中身を依頼していると思っていたのですね。
中身にはいろんな専門があって専門ごとに別々の職人がいるということを、知らなかったのですね。
あん職人の大多数は、パンにかかわるのをあきらめました。
もともと、和菓子から転向してきたのですから、和菓子職人へ戻っていきました。
クリーム職人の大多数は、パンにかかわるのをあきらめました。
もともと、洋菓子から転向してきたのですから、洋菓子職人へ戻っていきました。
サラダ職人の大多数は、パンにかかわるのをあきらめました。
もともと、野菜から転向してきたのですから、野菜職人へ戻っていきました。
かくして、特定中身パン士は、とても数の少ない資格となりました。
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特定中身パン士の資格を持つ者の中には、こっそり無資格の職人に手伝ってもらう人もいました。
仕事を受けたのは良いのですが、自分の専門以外の中身は作ることができないからです。
しかし、やがて発覚し、この特定中身パン士も、手伝った無資格者も「パン士法違反(無資格営業及びその教唆・幇助)」で逮捕・投獄されました。
資格を取れない中身関連の職人が何人か集まって、特定中身パン士資格を持つお年寄りに相談に行きました。
「あなたの名前で仕事を請けていただけませんか。実務はわれわれがこなします。もちろん、報酬はお支払いいたします。」
これもやがて明るみに出て、職人たちもお年寄りも、「パン士法違反(名義貸し)」で逮捕・投獄されました。
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特定中身パン士が不足しており、報酬が高くなっているという情報が、パン士業界を駆け巡りました。
それで、パン士の中には、中身について勉強を始める人たちも出てきました。
あんについて、クリームについて、ジャムについて、サラダについて、・・・。
それぞれの作り方について。
しかし、それまでの中身に関する職人たちは、あん職人にしても、ジャム職人にしても、サラダ職人にしても、それぞれが特殊技能で、モノになるのに5年や10年は軽くかかるものでした。ですから、もともと中身づくりをしていなかったパン士で、特定中身パン士になった人たちは、結局すべての中身を自らの技能で作ることはできなかったのです。
でも、資格の無い職人に報酬を払って外注すると、犯罪になってしまいますので、どうしようかと考えました。
それで、このようにしたのです。
特定中身パン士は、あん職人をアルバイトで自分の店に呼びました。そして、いろいろな指示を出します。
「ええと、小豆を処理して下さい。」
そこで、あん職人は良い小豆を選んで仕入れてきて、下処理をし、煮たり砂糖をまぜたり甘さ加減や塩加減の調節をします。
良い品質の「あん」が、できました。
このあんを使用することで、良いあんぱんができました。
経験十分の腕の良いあん職人が作ったんですから、当然ですね。
もちろん、「パン品質書」には、中身製作者として、この特定中身パン士の名前が書かれます。
あんぱんだけではさみしいので、同じようにして、クリームもジャムも照り焼きもサラダも焼きそばもザンギもマーガリンもはちみつも揃えました。この特定中身パン士は、パン士としてパンを総合的に扱うことができ、さらにすべての種類の中身もつくることのできる、万能の特定中身パン士として名を上げていくのでした。
書類上、資格上の話だけですけどね。
(実際には、腕利きの各種職人たちがアルバイトで頑張っているんですが・・・。)
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やがて、適正な数のパン士、特定生地パン士、特定中身パン士がそろい、バランスが取れていくこととなりました。
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こうして、パンにかかわる、この国の制度は確立したのです。
パンは、パン士が焼きます。
生地は、特定生地パン士が作ります。
中身は、特定中身パン士が作ります。
ただし、生地については、制度改正の前の技術水準に戻るために、10年を要しました。
既存の生地職人は、特定生地パン士になるまで、生地作りが許されなかったからです。
この10年間は、不十分な品質の生地も流通することとなりました。
既存のパン士が、講習を受けて特定生地パン士資格を取ったものの、ほんとうの実務は初めてですから、初めのうちは見よう見まねだったのですね。
もちろん、不十分な品質の生地が発見された場合、担当した特定生地パン士は厳罰に処せられました。
中身については、専門だった多くの職人が、業界から離れざるを得なくなったため、前の技術水準に戻るために、30年を要しました。
この30年間は、中身を入れないパンが多くなりました。
中身のおいしくないパンも多く出回りました。
既存のパン士が、講習を受けて特定中身パン士資格を取ったものの、ほんとうの実務は初めてですから、初めのうちは見よう見まねだったのですね。
もちろん、おいしくない中身に対して告発を受けた場合、担当した特定中身パン士は厳罰に処せられました。
中には、前に書いたようにうまく職人を使う人もいましたが。
雑誌やテレビで、
「行列のできる特定中身パン士」、「カリスマ特定中身パン士」
などとして取り上げられ、たいそう繁盛しました。
でも、30年の歳月を経て、制度が落ち着き、国民が、その昔思っていた通りになりました。
「パンはパン士だけで作っている」
と、信じて疑わなかったように。
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一方で、時代の移り変わりとともに、パンには生地、中身の他に、新しい要素が発生していました。
「香り」、「重さ」、「硬さ」、「音」。
パン士にとっては、これらの要素は苦手でした。
それで、「製造協力」というかたちで、それぞれ「香り」、「重さ」、「硬さ」、「音」に関する専門の職人に手伝ってもらうようになりました。
えっ? パンは、パン士しか作ってはいけないのでは?
いえいえ、大丈夫。飽くまでも「協力」なんですから。
パン士が指示し、統括の上、責任を持って製造しているから、法に触れるわけがありません。
そもそも、「香り」、「重さ」、「硬さ」、「音」なんていうのは、パン基準法でも、パン士法でも想定外の要素なんですから。
気がついてみると、専門職人たちが集まって団体を作り、「パン嗅覚士」や「パン重量管理士」、「パン硬度マスター(1級、2級)」、「パン聴覚士」などの民間資格がいくつもできてきました。
それぞれ、化粧品業界、有機化学業界、陶器業界、音響機器業界から、パン向けに特化してきた職人たちなのでした。
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新聞の片隅に、パンに関する事故事例が、ときどき載りました。
パンの香りで気分が悪くなった人のこと。
パンの重さに耐えかねて骨折した人のこと。
パンの硬さにやられて歯が欠けた人。
パンを振ったときに出る騒音被害で苦しむ人。
そういう事例が出ると、パン基準法は改正されました。
パンに使用する香料と成分配合割合の基準値に関する規定
焼き上がり後のパンの単位容積重量の上限値に関する規定
パンの表面からの深度に対する硬度の上限値に関する規定
パン発生騒音値のオクターブバンドごとの上限値に関する規定
などなど、国民の安全と健康を守るために、さまざまな規制が追加されていきました。
彼ら職人の、パンに製造に対する重要性が高まってきました。
しかし、一般の国民は、信じていました。
「パンはパン士だけで作っている」
と。
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ある日、不届きな硬さ職人が見つかりました。
王様が定めた法律に基づいた硬度測定法を採用していないにもかかわらず、さも正式な測定を行い合格したかのように検査報告書を偽装し、パン士に納めていたのです。
受け取ったパン士は、それに気付かずにパンを焼きました。
それを検査する「パン検査所」の職員も、気付かないで見過ごしていました。
そしてそのまま、一般消費者の食卓に上ってしまったのです。
たくさんあるパン検査所のうち、とある検査所に、あるパン士からの指摘が寄せられました。
それを知った検査所は、これはやばい、と思い、お役人に報告しました。
詳しい調査の結果、硬さ職人の不正が確かめられました。
国民は、この事件報道で、初めて、「硬さ職人」というものを知りました。
国民的関心事となり、パン士法の抜本的改正についての議論が始まったのです。
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「パン士」とは別に、新しく、「パン属性士」などをつくってはどうか、という意見も出ました。
「香り」「重さ」「硬さ」「音」などは、ひっくるめて「属性」と呼ばれるようになっていましたので。
でも実際には、属性職人というものがいるわけではなく、それぞれの専門分野の職人がいるだけでした。
議論の末、現在の「パン士」の中から、研修と経験を積んだ者に、新たに
「特定属性パン士」資格を与えることとなりました。
以後、パン属性に関しては、「特定属性パン士」だけしかかかわることができなくなりました。
パン士資格を取れない香り職人たちは、パン業界から離れていくしかないのでした。
または、既存のパン士が一生懸命勉強して「特定属性パン士」を取得し、店にアルバイトで香り職人たちを雇い、自分の名前で属性製造を行い・・・・・。
(「餡(あん)職人の憂鬱」おわり)
(この物語はフィクションです。現実の個人、団体等とは一切関係がありません。)
実にわかりやすく物語にされてますね、挿絵をいれれば小学生の教材につかえそうです。
以前マンガで学ぶ木造住宅設計監理っていう本を手伝ったことあるんですが、我々の仕事を判り易く説明しようとするとめっちゃ大変なことに気づかされました。
元々はパンはパン屋さんがこしらえていたところへ王様が資格という冠を与えたところから不幸がはじまったというべきなのかもですね
茅葺屋根は数年に一度村の住民が総出で手伝いそれは単に屋根を葺き替えるという以上に運命共同体としての意識的連帯感を高め確認するという役割も担ってましたが、仮にその行為に対して王様が頼まれもしないのに強引に割って入って冠制度にしたら・・・すべてが根底から崩れていくのだと思います。
恐ろしく長い時間がたってから検証されて真実がおきらかになることが多いですよね、
今起きていることもいずれは全て暴露される時はくると思いますが、果たしてその時一体何が見えてるかなぁと・・・・、そういう視点で今を分析しています。歴史は勝者の歴史であり敗者のそれは抹殺されて積み重ねられていくといいます、勝者にとって都合のいい嘘も偽りも真実として置き換えられて次世代へ伝えられて(教育という名で)いきますよね。
その時の王様によっては誠の真実を伝えようとするものは二度と出て来れないくらいの重い罪を着せられ抹殺されていくのは古今東西共通することで、ひょっとしたら今もそれは我々の見えてないところで行われているのかも・・・ですね。
もちろんみなさんの町角に貼られるかわらばんにはそれとは判らないように作られた文章で書かれて・・
ともすれば絶望しか見えてこない時代においても必ずどこかに正義と真実の灯火は存在しています、それこそが次世代へ語り継ぐべき聖火のように守りぬくことが今を生きて虚と真を知るものの果たす役割かなと 時々思うことがあります。
あん職人であるワタクシや、他の中身関連職人たちにとっては、死活問題なんですよね。この物語のような展開となるのか、はたまた違った様相を呈していくのか、見ものです。
パブコメも、亀○くんよろしく、結果が先に決まっている出来試合のようなので、(2)までは現実となりそうです。あとは(3)がどうなるか。
早いとこパン士になるか、撤退するか、ブラックジャックになるか・・・。
一気に読ませていただきました.(お昼のともにも☆)
なんともわかりやすく記事にされていて,けろさんは文才があるなぁとか思ったり^^
今起きているコトを思うと,とても素通りできない内容ですね.
今表面上に出ている報道記事なんかのウラでは何がおこっているか,ホントウの真実は?
それとも,もうすでにストーリーが出来上がっているんでしょうか・・・.
実際身近にも,そんなコトしていいの??って思う場面に出くわしたりすることがあって.
(実際はまだ一会社一般職員な身分なので強くはいえません・・・)もどかしいです.
やはり,「正しいことをしたければ偉くなれ」なのですかね(by 踊る大走査線 室井慎次)
そのためにも「足のウラの米粒」を早く取りにいかないと・・・.
(そういえばこの言葉.以前ペンギンさんのとこで記事にちょい書きされてあったの思い出しました.)
物事を、大所高所から見るのも大切だけれども、実際の現場を知ることも重要。
いろんな「ひずみ」「ゆがみ」は、現場に、底辺と言われるところに、如実にあらわれるわけです。
設備屋、電気屋って、建築業界では底辺の立場なんですよね。
残念なことなのですが。
早いトコ、「パン士」にならなきゃ。
残りは、何もすることがなく死ぬほど暇になったときに読んでみようと思います
途中まで読んで気になったのは、餡屋さんはいいパンを作るために餡をつくろうとしているのでしょうか?
それとも、パンに関係なくいい餡を作ろうとしているのでしょうか?
私なら、生地や餡、個別の味ではなくパンとしての味を楽しみたいと思います
ごめんね、けろちゃん
では、私から簡単に
建築設備業を営んでいるA社、とB社がありました
今から数年前に偶然、同時に現場の施工図をすべてCAD化することと決定しました
そこで
A社は
その責任者に、CAD開発の責任者を抜擢しました
その責任者は、設備専門ではなく卓越した技術を持つ情報処理技術者です
コンピュ−タに関してはわからないものはなく、CADに関しても操作はもちろん、そのプログラムのすべてが頭の中に入っています
その部下もまた優秀な若手の情報処理技術者です。しかし設備、施工図については責任者どうよう素人です
B社は
責任者として、現場上がりの技術者を抜擢しました。無論施工のことは問題なし。CADについては簡単な操作はできる程度ですが、いろんなCADの経験があるため、様々なCADの特性、施工図に対する相性などは十分把握しております
そして、その部下には優秀な情報処理の若手を起用しました。当然、設備、施工図については素人です
さて、A社、B社 現場に施工図CADをうまく導入できたのはどちらでしょうか?(むろん架空の話です)
別レスからですが
>> そもそも、設計とは図面作成と同義ではなく、
>> 自己の責任で設計図書を作成することですから
>これが物凄くクセモノ。
>そう言い逃れをしてしまうなら、非建築士である設備屋による設備設計"関連"業務を違法だと糾弾する根拠が無くなります。
>法的に設計又は監理の業務でない以上、士法第24条の3第1項の[再委託の制限]に引っ掛かることも無くなります。
>それは、法改正の趣旨に合致していますか。
>ワタクシの見解は否です。
これには、あなたの意見にほぼ同調します
我々、一般人の感覚からすると無登録事務所に再委託することは明らかに 士法第24条の3第1項の[再委託の制限] に引っ掛かると思います
しかし、どうも法(というより、役人の運用)は、無登録事務所は設計資格がないので設計できない。だから関連業務だ、という理屈のようです
あと、無資格者は設計できないので、同じ図面を作っても設計ではなく設計補助
これは、法律に精通したmasa氏はともかく、私もあなた同様理解できません
この件に関して云えばあなたがバカでえないことは私が保証します
もっとも私の保証など何の役にも立ちません。むろん、今までの私の悪口雑言によるあなたの精神的苦痛を補償するものでも勿論ありません
意見を聴く、関連業務、設計補助。このトリプルグレ−ゾ−ンワ−ドワ−ドの意図的な使用により、改正の精神を骨抜きにしようとしているみたいに私にもみえます
当然、怒りを覚えております
長くなりますので、これからあとはまた以降です
> 中身もなく面白くもない
すみませんでした。
駄作です。仕方ありません。
> 餡屋さんはいいパンを作るために餡をつくろうとしているのでしょうか?
他業種から入ってくるんですよ、と表現したかったのです。
みんながパン士養成所から分化していくのならOKなのですが、そうじゃないんです。
出自が違うものを一緒に扱えないんです。
建築学科から設備屋になる人が少ないのと同じで。
そう読めませんか。読めませんね。すいません。
A社B社の話は、設備CADベンダーを思い起こさせます。
建築士の統括下で設備技術者が協力すべきなのは当然。建築プロジェクトなんですから。
けど、B社の責任者が「私がプログラムした。部下は補助しただけだ」と言えば、そりゃ違うだろ、と言いますね。
統括と実務とは違う。
統括者に実務能力を求める必要はないし、
実務者に統括能力まで求めずとも良い。
役割が違うんです、と。
> トリプルグレ−ゾ−ンワ−ド
面白い造語ですね。
どうしたら解決しますかね。
法を厳格に適用して「無資格無登録設備技術者とそこに発注した元請建築士を全員監獄にぶち込む」で万事OKでしょうか。
それじゃ解決にならないシミュレーションを描いてみたのが「餡職人の憂鬱」でしたが、駄作過ぎてダメでしたね。
申し訳ないが途中までしか読めないんですよ。最後までたどり着けない
申し訳ない
>けど、B社の責任者が「私がプログラムした。部下は補助しただけだ」と言えば、そりゃ違うだろ、と言いますね。
B社の責任者 B1は部下のB2次のような指示をする
1)壁とダクトが交差しているかどうかをチェックする
2)もし、交差していれば次にその壁が区画であるかどうかのチェックをする
3)もし、区画壁なら、その交差部分にFDを付ける
4)区画でなければそのままダクトを貫通する
部下B2は
5)この指示を受けフロ−チャ−トをつくりB1に確認を求め、了解を得る
6)そのてB2の部下B3にこれをコ−ディングするように支持する
7)部下B3は大変な苦労のすえに、ダクトと壁の考査をチェックするロジックを考え、kの部分のプログラムを完成し、B1、B2のOKを貰う
この用にして施工図CADソフトは完成した
さてこのソフトの製作者は
1) B1
2) B2
3) B3
さて誰でしょう?
先のたとえ話を設計作業に置き換えると、
B1の行った作業が 「自己の責任で設計図書をつくること」 (実際には作らせたわけですが・・・)
B2、B3は設計補助。もし、B2がフロ−チャ−ト作成後B1の承認を受けずにB3にコ−ディングを命じた場合は設計になるでしょう
むろん3人すべてが有資格者であれば設計者としてB2、B3の名前を書くことには問題ないと思います
設計補助
たぶん建築基準法のどこにも規定されていない用語だと思いますが、徒弟制度時代なら【弟子】、現在なら【アシスタント】でしょう
だから、当然同じ事務所にいることが前提となります
B1、B2、B3の作業を外注すれば「設備設計」の再委託
B2、B3の作業を外注すれば「設備設計関連業務」の再委託
だと、思うんですが、現実は
B1、B2、B3の作業を登録事務所に外注するときは「設備設計」の再委託
無登録事務所に外注するときは「設備設計関連業務」の再委託
となっているようです
その理由は、無登録事務所では設計資格がないから設計できない。だから「設計関連業務」、、、、と、いうことらしい
我々一般人の感覚では、管理建築士を通さずに再委託すれば即違法だと思うのだが、「設計関連業務」ということで逃げている
建築士がB1の作業を行っているのであればいいのですが、あなたの云われるように「資格はあるけど、能力がない」建築士にB1の作業(設備設計)が行えるわけがない
これは明らかに、法改正の精神に逆らっております
たしかに、一級建築士においては当然その程度の知識は持っている。という前提でしたが、設備設計一級建築士のみなし講習の考査で、そうでないことが具体的な事実として明確化してきたわけです
すくなくても、設備設計一級の修了考査さえ通らない建築士が「設備設計」をした、ということには無理があると思います
ただの建築士が設計できる「設備設計」の範囲を個人住宅程度まで制限するべきだと思います
> ソフトの作成者はB3だとは思っておりませんか?
まさか。
ワタクシ、バカとは言え統括者と実務者との違いは一応わかっていると思うのですが。
「設計補助」にしても「設計関連業務」にしても法律で規定していない用語を駆使してごまかしている現状に問題あり、という点ではワタクシと雅彦さんに見解の開きはほとんど無いと思います。
今回は諸事情で拙速改正をしてしまいましたが、現状把握と問題点の整理を行った上で、筋道の通った抜本的改正を期待したいところです。
> 設備設計一級の修了考査さえ通らない建築士が
> 「設備設計」をした、ということには無理がある
みなさん、5年間の「設備設計実務」は住宅規模ばかりだったんでしょうね。