2006年07月22日

消火栓。

こんなの、見たことはありませんか?
http://www.yokoi.co.jp/page-prd/002.htm

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これは、「消火栓(しょうかせん)」。

正確には、「屋内消火栓」です。

火事が起きたとき、初期消火のために使われるモノです。
中にバルブホースノズルが入っていて、ホースを伸ばしてバルブを開けると、水が出てきます。

でも実際に使ったことのある人は、ほとんどいませんよね。


消防法によって、どういう建物にどういう消火栓をつけなければならないか、詳しく決まっています。1人で操作できるものと、2人1組になって操作するものとがあります。


消火栓がある、ということは、次のものが建物のどこかにあることになります。


【消火水槽】

 消火栓が各階に1個なら、2.6トン、各階に複数ならば5.2トンの水を貯めておくことが定められています(1号消火栓の場合)。建物の床下の一部分を水槽にしていたり、タンクを用意していたりします。

 初期消火用なので、火事は複数階で同時には起こらない、ある階のあちこちで起こることもない、という前提なのですね。ある場所で火事が発生したら、直近の2ヶ所の消火栓からホースを引っ張ってきて消火する、という発想です。


【消火栓ポンプ】

 消火水槽から水をくみ上げて、消火栓まで水を送り出すポンプが、どこかについています。
 機械室または消火ポンプ室のようなところに入っていますから、普段目にすることはありませんね。
 消火ポンプには、たいてい赤い塗装が施してあります。

 ↓ こんなやつ。
http://www.kawamoto.co.jp/lineup/shouka/kty.html


【消火配管】

 消火ポンプから、消火栓まで、水を運ぶための配管がつながっています。原則的には、消火配管の中には常に水が入っています。いざ、という時に、すぐに水が出ないと困りますからね。

 でも、管の中の水が凍ってしまう可能性がある寒冷地では、「凍って出ない」では困るので、普段は管の中をからっぽにしておく場合があります(「乾式」と言います。消防の同意が必要です)。
 この場合には、ポンプを起動してから実際に水が出るまで、1分間くらい待っていないといけません。

 シベリアでは、冬は水がすぐに凍ってしまうので、火事になっても消すことができません。それで、各住戸で火をなるべく使わないように地域暖房を普及させた、という説明を聞いたことがあります(出典は忘れましたけど)。



年に1回、放水試験をしたりしますので、機会があったら立ち会ってみてはいかがでしょうか。


(「消火栓。」おわり)


posted by けろ at 11:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 衛生設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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