2006年06月17日

「夢のガス」だった、フロン。(2)

(「夢のガス」だった、フロン。(1)からの続き)


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「熱を、捨てる。」の項で説明しました通り、冷房には、熱の運搬が欠かせません。この際、液体⇔気体の状態変化にともなう熱移動を利用することが多いのです。
この「熱の運搬」を担う物質のことを熱媒、特に冷やす目的で使用されるものを「冷媒(れいばい)」と言います。

「打ち水」の場合は、「水」が冷媒になっているわけです。


この熱の運搬のために、とても優れた物性を持った物質。それが「フロン」だったのです。「夢のガス」と言うにふさわしい特性だったのです。


その安定性無害性から、スプレー缶の充填材にも使用されました。塗装スプレーや、ヘアスプレー、殺虫剤、などなど。急速に普及し、そして大気中に放出されてきたのです。

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その頃には、「オゾン層を破壊する」なんて、誰も思っていませんでした。でも、徐々に破壊され、気付いた頃には、巨大なオゾンホールを形成するまでになってしまいました。


その後、フロンガスがオゾン層を破壊するメカニズムがわかり、オゾンを破壊しない「代替フロン」も開発されました。現在、エアコンなどに使用されているのはこの「代替フロン」です。この代替フロンは、「オゾン層破壊係数」が、「ゼロ」です。


これで、安心。と思いきや、これらの「代替フロン」には、強い「地球温暖化」作用(温室効果)があります。従って、「代替フロン」を大気中に放出することは、やはり良くないのです。


こちらを立てれば、あちらが立たず。

うまい話」は、なかなかないモノ。

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(「夢のガス」だった、フロン。(3)へ続く)
posted by けろ at 23:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 空調設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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