また先ごろは、シンドラーエレベータによる犠牲者が出て、安さだけを追求した結果、安全が犠牲になっているのではないかと危惧される方も多くなってきているようです。
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「設備」という、あまりオモテに出ない領域にかかわってきて、つくづく思うところがあります。
日本人は、「見た目」と「値段」にとても敏感だと。
「人は見た目が9割」という新書が出ていますが、このタイトルは、現代日本人のものの見方を良く表しているのではないかと思います。(中身は読んでいません。あまり興味がないので。)
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建築で言うところの「見た目」は、内装、外装であり、調度品です。一般に言われる「設備」とは、システムキッチンであったり食器洗浄機、バス乾燥機など、やはり表立って見えるところが中心です。
そういうところは、とても立派。
で、お値段が安い。
では・・・・?
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一般の人が見えない「構造」に、偽装(というか骨抜き)が行われていることが発覚しました。
まともに動いて当たり前だと信じて疑わなかったエレベーターに異常が頻発していることも発覚しました。
建築がらみのトラブルは、もうこの辺で打ち止めでしょうか。
いえ、ワタクシは、これで治まることはないのではないかと危惧しています。
今まで、「見えない」ところは、意識さえされていなかったのですから。
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ぐっと値段が下がったマンション、「見た目」は、ぐっと下がっていますでしょうか。そんなことはないですね。
健全な企業努力と、新規技術開発によるコストダウンは、もちろんどんどん実施していただいて結構です。
そういう、いい意味での「安いワケあり」なら、良いのです。
その上で、「無理」はないか、「無茶」がないか、つまりあまり良くない「安いワケ」がないかどうか、見極めていかなければなりません。
スーパーで買う豆腐さえ、大豆の原産地や、添加物の種類、賞味期限などを細かくチェックするのではありませんか?
建築物は、とても高価な買い物です(IT長者でもなければ)。
消費者も、支払う代価に応じて、しっかりと勉強して目を養っていく必要があります。それとともに、「相応の代価」を理解し、把握していくことも必要です。
「ほら、5カラットのダイヤの指輪が、何と500円!」
もう、それだけで信用できませんよね?
モノを見るまでもなく、安すぎます。