水は、どうしたら出るのか、想像してみましょう。
「蛇口をつければいいじゃん。」
ワタクシ、設備の業界に入るまでは、そんな程度に考えていたんですが。ま、こういう人は少ないでしょう。
ここは、「せつびのブログ」なので、浄水場から地中の水道管までは、省略しますね。
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道路の地中に埋まっている水道本管(配水管と言います)から分岐して、各建物に水道が引き込まれています。それ以降は、建物の用途や規模(何にどのくらい水を使うか)によって、いろいろです。
戸建て住宅くらいだと、メーター以降は直接それぞれの水使用場所まで水道管をつないで終わり。単純です。
でも、大きな建物の場合には、いろいろと複雑になってきます。水道管の水圧は0.2〜0.3MPa(2〜3気圧)といったところですから、ただ管をつないだだけでは、20〜30mの高さまでしか水が行きません。なので、ある程度高さのある場所に水を送りたいと思ったら、ポンプを使ってグイグイ押し上げる必要があります。
瞬間的に使う量が多い場合には、太い管で水を引いても足りません。水槽に貯めておいて、水の使用量に応じてポンプで送ります。
・引き込み水道管の太さは?
・水槽は必要? どのくらいの大きさ?
・ポンプは、どのくらいの水量と力が必要?
・水道管のルートと太さは?
建物規模が大きくなるほど、利用者が多いほど、検討事項が増えます。こういうことをやるのが、ワタクシたちの「設備設計」なんです。
「そんなデッカイ水槽、邪魔だから置かないで!」
→「ええぇ〜〜?じゃあ、水、足りませんよぉ?」
「ポンプ室、作れないから、ピットにでも入れといて。」
→「それじゃ、メンテも大変だし、壊れても交換できませんって。」
邪険にされる意匠屋さんもたまにいらっしゃいますけど、設備って建物の「内臓」なんです。無くしちゃう訳には、いかないんです。
それから、建物のオーナーさん。ご自分の財産の「内臓」も、気にかけてやって下さいね。
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