「化石燃料を使用せず、地球にやさしい」という理由でお選びになるようです。
そんな方のために、いくつか留意点を。
1.薪の調達
薪の入手経路については、要確認です。車で遠方まで頻繁に買い付けに出なければならないのなら、あまり「エコ」ではありません。市中を廻っているローリー車に給油してもらった方がマシになりかねません。貯蔵場所もそれなりに必要ですね。
なお、廃材や流木をタダで貰える所(ダム管理事務所とか)もあるようなので、情報収集も必要ですね。ただし、薪ストーブがメジャーになってしまうと、タダではなくなるでしょう。
2.薪割り
薪は、特に焚き付け用には細く割る必要があります。薪割りができる場所と時間と体力が無くてはなりません。近所から「うるさい」と言われないような配慮も必要です。
最近は、チェーンソーでカットする人もいるようですが、尚うるさいので注意が必要です。
3.熱対策
輻射熱が強いので、壁面や床面の熱対策はしっかり行う必要があります。レンガやタイルなど、不燃の仕上げを行いましょう。
衣類やカーテン、新聞やチラシなどがうっかり触れてしまうと、火災の危険があります。火傷にも気を付けましょう。
煙突も熱を発しています。天井面を徐々に焦がしていくこともありますから気をつけなくてはなりません。反射板が必要になることもあるでしょう。
煙突が外壁を貫通する部分には、忘れずにメガネ石を設置しましょう。最も危険の多い箇所です。
あるお宅で外壁に穴をあけてそのまま煙突を通していました。「なんか焦げ臭い」ので調べたところ、壁の内部に炎が。危うく全焼しかけました。
4.煙対策
薪は化石燃料よりも燃えない成分が多く(なので灰も残ります)、煙突から出てくる排気も窒素化合物や硫黄化合物を含む臭いがついたものになります。
住宅地ですと、近隣に臭害をもたらす恐れがあります。
5.通気対策
薪の燃焼には酸素が不可欠です。部屋の中の酸素を使って燃焼するわけですが、酸素濃度が低くなると不完全燃焼を起こし、一酸化炭素を発生させてしまいます。
一酸化炭素中毒は危険です。気づいたときには体が動かなくなっているそうですから。
最近の住宅は高気密高断熱ですから、はじめから空気の流通に配慮しておかなければ、不完全燃焼は避けられません。
「どこかから空気は入ってくる」と安易に考えると危険です。
以上、簡単ながら。
なお、ペレットストーブというものもあります。
加工されたペレットの入手さえ可能であれば、これでもいいですね。
FF式の製品もありますし。
http://www.sunpot.co.jp/products9.php
(「薪ストーブ」おわり)