出されましたでしょうか?
「平成19年6月20日以降にスタートする事業年度のものについて、
毎事業年度経過後3ヶ月以内に提出」
となっています。
ワタクシも二級で登録がありますので、
しばらく前に、建築士事務所協会に提出してきました。
「知事」ではなく、指定事務所登録機関である「事務所協会」に。
「順調に提出されているのですか?」と訊いてみたところ、
「提出されていますが、数は少ないです」とのこと。
単なる形式規定ですから、きちっと提出しておくのが良いかと思います。
本質とあまり関係ない単なる形式違反で処分を受けるのは、つまらないですからね。
さて、ワタクシ。
基本的に『設備屋』ですので、『業務内容』ときたら、
一般の意匠屋さんが見たら「なんじゃこりゃ」と言うような内容なんだと思います。
建築士法で言うところの「設計」は、既存建物便所のバリアフリー化くらいなもので。
対象床面積は 5m2 以下。
あとは、「調査及び鑑定」「積算」「建築工事の指導監督」くらいしか無いのです。
これらを建築士(二級ですが)であるワタクシ本人が「業として」行うわけですから、事務所登録が必要。
そういう論理になる気がするので、登録している次第。
「積算」については、良くわかりません。
どこかのQ&A集に、「積算事務所には事務所登録は必要ないが、もしその事務所で建築士を雇用するならば登録が必要になる」ようなことが書いてあった気がする(出典不明)ので、一応業務として書いた次第。
提出時には特に何も言われませんでしたが。
当然、「建築士事務所の業務」以外のものは、書いていません。
書く必要もありませんし、書くべきでもないでしょう。
たとえば。
技術計算書を作成して、それを元に設備の図面を作成し、一級建築士に提示する、「意見を聴いてもらう」業務。
これは、建築設備士としての業務です。
(「意見を聴いてもらう」とはどういうことなのか、国としての定義が、きちっと欲しいところです)
上記に似た内容でも「意見を聴いてもらえない」業務もあります。単に設備の案として提示しただけで、最終的に一級建築士がその者の責任において判断し設計図書としてまとめた場合がそうなるのでしょう。
メーカーさん供給の姿図や、工事店作成の営業設計案、測量、コピー製本、宅配便、備品納入などと同様、単なる設計協力や業務委託で誰がやってもいい、ただの「作業」扱いの業務です(この辺も『定義』が欲しい……)。
ワタクシが建築士として設備の調査・鑑定をおこなった後、それに関して改修計画素案を提示したり、数案のフロー図や系統図を作成し提示する業務。
これらは建築士法第2条第5項に定義される「設計」とは異なりますので、衛生工学部門の技術士としての業務になりましょうか。
経済性管理、人的資源管理、情報管理、安全管理、社会環境管理に関する業務となれば、総合技術監理部門の技術士としての業務になるのでしょう。
そういうわけで、いわゆる意匠設計をされている設計事務所とは、だいぶ毛色の違った業務内容になっているものと思います。
一般的な意匠設計事務所の場合は、どうなんでしょうね。
大手事務所の下請けなどで、申請書類に名前が出てこなかったり図面に押印もしないような場合には、やはり「設計」じゃなくて「単なる作業」という扱いで、業務内容としては記載できないのでしょうかね。
「設計」しているからには、記名押印が不可欠ですから、業務実績には成り得ないと判断するしかなさそうです。
すると……?
「作業」でしかない以上、建築士である必要もなく、ということは
建築士事務所登録も必要ない。
建築士法第23条の10を見ると、「設計等」でない業務であれば登録が不要と読める気がします。
第24条の3を見ると、「設計又は工事監理の業務」以外であれば、無登録事務所への委託も問題無いように読める気がします。
するってぇと、「設計とは?」という定義が、大変重要であるという理屈になります。
建築士法第2条第5項の定義は、非常に曖昧であって、判断がつきかねる事例が多々生じます。
その辺、詳細な定義を規定いただいて(建築基準法施行規則第1条の3みたいにね)、業界内外で理解に齟齬が生じないように(とくに法曹界に)していく必要があると思います。
(「設計等の業務に関する報告書」おわり)
【付記1】よくわからないQ&A
Q 設備設計一級建築士が誕生することにより、建築設備士の位置づけは
どのように変わるのでしょうか。
A1 設備設計一級建築士制度の創設により、建築設備士の位置づけは
変わりません。
A2 従って、従来であれば建築設備士に発注していた業務について、
今回の改正により発注できなくなるといったことはありません。
A3 建築設計の専門分化が進むなかで、建築設備のスペシャリストとしての
建築設備士の積極的活用が引き続き期待されているところです。
……法令のどこからこの内容が読み取れるのか、わかりません。
設備一級が責任を持つ「設備設計」は、建築士法第2条第6項、建築士法施行規則第1条第2項に限定されるから、それ以外のものは建築設備士でやってね、ということでしょうか。
これらに定義される「設備設計」以外の設備の設計は、設備一級じゃなくてもいいが一級建築士が独占業務として行う、ということなのでしょうか。
なぜに「意見を聴いてもらう」だけの者(建築設備士)が「スペシャリスト」と呼ばれるのでしょう。
『設備設計一級建築士』こそ、設備に関するスペシャリストなのではないのでしょうか。
国土交通省の見解としては、一級建築士も設備設計一級建築士も設備設計事務所の協力を得て「建築設備」の設計又は「設備設計」を行う事は問題無いそうです。
なぜか建築設備士の協力を得てとは表現してません。(建築設備士は活用してという表現のようです)
建築設備士は個人なので、活用して(活用は自社内でも、他社でも使えるという意味でしょうか?)であり、設備設計事務所は契約があるので、協力という事なのでしょうか?
設備設計事務所に建築設備士が所属する必要があるのか不明ですが、設計図書に表示できるのは、建築設備士に限られているので、公式に協力してもらった事を表示したいなら、建築設備士が所属している必要があります。
建築設備士は登録も任意であり(建築士事務所の経営審査評価点が必要な場合は登録されている建築設備士である必要がります)、建築士事務所に所属する事も義務付けられていません。(国土交通省も設備設計事務所の協力を得て良いといっているので、公式見解ですね)
設備設計一級建築士も意見を聴いたり、活用できる建築設備士は、そういう意味では「建築設備」スペシャリストという事なのでしょう。(活用される、意見を聴かれるのがスペシャリストなのかは意見が分かれるところかもしれません)
積算にかんしては、確かによくわからない所があります。
建設業法で規定される施工会社が見積書作成の為に行う積算業務はどういう扱いになるのでしょうか?(建築士事務所登録は当然不要ですよね)
話題とは関係ないですが、建築技術教育普及センターで、建築士法改正施行前と改正施行後の建築士試験の受験資格要件である建築に関する実務の対照表が公表されました。
法改正施行前で認められ、法改正施行後で認められなくなった建築に関する業務は以下のとおりです。
*建築一式工事に該当しない次の工事の施工管理
・コンクリート関係(型枠工事、鉄筋工事、補強コンクリートブロック工事、コンクリートの打設工事)
・鋼構造物関係(溶接、建方、足場)
・その他の各部工事関係(屋根工事、防水工事、タイル工事、れんが工事、石工事、左官工事、塗装工事、板金工事、カーテンウォール、サッシ、PC板、ALC板、天井、(内)壁仕上げ、床仕上げ)
*建築士法第21条に規定する建築工事契約に関する事務、建築物に関する調査又は鑑定及び建築に関する法令又は条例の規定に基づく手続きの代理等の業務
*営業関連業務(建築に関するセールスエンジニア)
*官公庁等における建築行政
*都市計画コンサルタント(建築に関する業務に限る。)
*区画整理事業の補償(登記申請に係る図書の作成等建築に係る業務に限る。)
*建築教育
*研究・開発
*建築に関する知識を必要とする本、雑誌の編集等
営業・契約事務・編集者などを、認めていたのは何故だったのでしょうか?(建築に関する知識及び技能の養成に有効と認められる実務という事なのでしょうか?)
法律の文に反することは書けないし、と言って現場の混乱をもたらすわけにもいかないし。
「設備設計」と「建築設備の設計」が異なるとは、ますます解りづらくなって来ました。
そろそろ、基準法と士法をゼロから構築し直すプロジェクトを始めたらいいんですけど。
いろんなしがらみがあって、難しいんでしょうね。
今日は天気がいいので、仕事は後回しにして
家族で海に行ってました。
帰って図面などをこなしています。
明日は波が無いから仕事でもしてるかなぁ〜
また寄らせてもらいますね。
それでは。
設備設計一級建築士の業務範囲を定める為に、「建築設備に関する設計」を定義するのかと思いましたが、実際は「建築設備に関する設計」の中に「設備設計」という設備設計一級建築士の業務範囲を定めてしまいました。(実務上は、「法適合性確認」の範囲を定める為にこういう事になったという事なのでしょう)
単純に「設計」に含まれる「建築設備の設計図書」を定義すれば、こういう事はなかったわけですが、「設計図書」を「建築物の建築工事の実施のために必要な図面(現寸図その他これに類するものを除く。)及び仕様書」と定義して、「設計図書」の種類・範囲を定義していないので、法文としてはおかしな事になってしまいましたね。もともと、「設計図書」の種類・範囲を、国土交通省令で定めるとしておけばもっと楽だったわけですが、なぜかそういうふうにはしなかったわけです。(建築確認に必要な「設計図書」は建築基準法施行規則で定められています)
監督官庁としては、法文で範囲を明示しなければ、すべてを網羅できるという事なのでしょう。(実際は確認申請図書しか、確認していないので、それ以外の設計図書は監督官庁はノーチェックです)
これだけ複雑に条文を追加変更していると、完全に作り直すにはかなりの時間がかかるので、部分変更しかできないのが実情でしょう。
インテリアのお仕事ですか。
またよろしければ、お越し下さい。
なので、「設備設計」を更に定義してしまったのではないでしょうか。
「設備設計」を従来の一般的意味から変えて再定義し、それに基づく「設備設計一級建築士」を創設とは、恐れ入りました。
さすが、国家上級職の方々です。
> これだけ複雑に条文を追加変更していると
本当に守ってほしい法律なら、図入りで解り易く作るべきだと思います。
とても入り組んでいてわかりにくい(しかも文字だけ。そして役人語)法律にするのは、問題があるんじゃないでしょうか。
時間がかかっても「作り直し」作業を始めるべきだと思います。
やはり、「建築設備に関する設計」の設計図書が、建築基準法の設備関連規定の範囲を大きく超えているのが原因なのでしょう。
それなら、あきらめて、「建築設備に関する設計」は、建築基準法の設備関連規定に関連する設計に限定すれば、「建築設備に関する設計」=「設備設計」になったのですが、何故かそうしたくない理由があるのかもしれませんね。
きっと、あるのでしょうね。