初回の考査で残念ながら通過できなかった方たちのうち、
完全にあきらめた方も少なからずいらっしゃったようですが、
果敢に再チャレンジを宣言し取り組まれた方も多かったようです。
修了考査と同様もしくはそれ以上に難しかった。
そういう意見もちらほら。ともかくも、終わってホッとしておられる方も多いことでしょう。
ワタクシは、以前からこの「設備設計一級建築士」制度を批判しております。
もう決まったことですし、来週から施行されるわけですから「今さら」感もありますが、それでも制度に欠陥がある以上は無批判に受け入れるべきものでもないと思いますし、運用の結果「やっぱり」という難点も明らかになってくるでしょうから、引き続きコメントは続けていきます。
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この「設備設計一級建築士」という資格。
本来(建前上)、この制度が求めているのは
「設備のエキスパートである一級建築士」です。
(財)建築行政情報センター発行、国土交通省住宅局建築指導課監修のパンフにも
『高度な専門能力を有する建築士』と明記されています。
「並の専門能力」では無く「高度な専門能力」です。
もちろん「ある程度は知ってるよ」程度の能力ではあり得ません。
でも実際に講習を受けられた方たちの多くは、設備に関して「高度な専門能力」を持っているとは言えない方々。
「意匠設計専業でした」と堂々と宣言して憚らない方も、「設備設計の実務経験5年」の実務経歴書提出の上、受講されていたのです。
設計資格でさえない「建築設備士」の試験問題なんて、
簡単すぎてヘソで茶を沸かすくらいの方々でないと
「高度な専門能力」を持っているなんて言えないでしょう。
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受講して、その後の終了考査もパスして、資格を取得された方に訊いてみましょう。
「あなたは設備設計に関して『高度な専門能力を有する建築士』なんですよね?」と。
「ハイ。そうです。設備設計はわたしにお任せ頂ければ安心です」
建前通りの資格であるならば、そういう返事しか返ってこないはずなのです。
もちろん、どんな集合にも一定割合のエラーがあり得ますから、数%は
「いえ、実はぜんぜんわかりません」という方が居てもおかしくないのですが、
その割合があんまり高いようだと問題があります。
さて、どうなのでしょう。
本来の目論見通り、設備設計に関する『高度な専門能力を有する』設備設計一級建築士が誕生しているのでしょうか。
ぜひとも、合格者の追跡調査をしてみましょうね、国交省住宅局さん。
ワタクシの感想(予想)は『否』なのですが。
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もちろん、この制度の施行によって、全く効用が無かったかと言えば、そうでもありません。
最大の効果としては、今まで設備に全く無関心であった意匠設計の方々が設備に目を向け、技術計算や設備設計図について多少なりとも学び設備の一端を垣間見たことを挙げることができるでしょう。
構造設計一級建築士を目指した方たち(のうち、意匠設計専門だった方たち)も、同様に構造の世界に触れることが出来たのでしょう。
建築全般に関して一切の権限を有する一級建築士なのですから、
この方向は望ましいことと言えます。言えるのですが……。
明らかに「設備設計一級建築士」で建前上求めているものとは異なっています。
くどいようですが、この制度が求めているのは
「設備のエキスパートである一級建築士」なのです。
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意匠屋さんたちの言い分もわかります。
今までと同じように事務所を経営していくにあたり、無いでは済まされない。
受講資格を記載できる以上、とにかく受講して取得しないわけにはいかない。
それはその通り。実態としてそうせざるを得ない状況なのです。
つまり、制度自体が実態に合わないものだという証明になっています。
詳しくないのに「詳しいぞ」という名前の資格を取らざるを得ない。
この資格は、「意匠屋さんたちのため」にはなっていません。
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では、設備屋さんたちのためになっているでしょうか。
設備屋さんで、一級建築士を取得しておられた方にとっては、
実質の伴う資格と言えるのではないでしょうか。
ところが、必ずしもそうではないのです。
「設備」といっても、その対象は大変広く、様々な技術領域が関わっています。
大きく分けても、『電気設備』『機械設備』の2種類に分けられます。
国土交通省大臣官房官庁営繕部監修の標準仕様書も、『建築工事』『電気設備工事』『機械設備工事』の3種類あります。
電気設備は、強電でも発・送・配・変それぞれありますし、弱電、通信、防災に至るまで、高範囲です。
おまけに、どんどん新しい領域が増えてきています。
発注管署によっては、電気設備に関わる設計を行う技術者に、電気担当と通信担当の2名を配置するよう求めるところもあります。
機械設備は、大別して空調・衛生・昇降機になりますが、それぞれ、これまた高範囲です。
更に更に、昇降機、自動制御、浄化槽、発電機、ろ過、特殊消火、焼却炉などなど、専門メーカーや専門工事会社の技術班の設計協力を仰ぐ事が多い分野も多々あります。
すべてに精通している「技術者」は、大変少ないと言わざるを得ません(って、居るんでしょうか。そんな人)。
「設備設計事務所」を標榜していても、電気が得意、機械が得意、などの区分があるのが普通です。
両方できる事務所は、それぞれの技術者を擁しているのであって、
両方できる技術者が居るところは決して多いとは言えません。
ともかくも、設備に関わっている人たちは、大雑把に
「電気屋さん」と「機械屋さん」が居るのです。
普段から設備を専門にしている人が設備設計一級建築士を取ったとしても、
実際には「電気屋さん」か「機械屋さん」です。
電気屋さんは、機械設備の専門ではありません。
機械屋さんは、電気設備の専門ではありません。
というわけで、「意匠専門」の方に比べると自分の専門領域については当然スペシャリストと言えるわけなのですが、そうでない方の領域については「専門外」と言わざるを得ません。
一括りに「設備設計一級建築士」という名前なのですが、
実のところ『括り過ぎ』と言えるのです。
(「建築設備士」も、同様です。本来ならば、
建築設備士(電気部門)とか、建築設備士(機械部門)とか
分けるべきなんです)
(その点、技術者資格の一つである「技術士」には、それぞれの
専門区分に応じた資格区分があります。詳細は別記事をご参照
下さい)
「専門だ」という名称の資格なのに、実際は「半分くらいの領域について専門」
という状態なのです。
この資格は、設備屋さんのためにもなっていません。
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意匠屋さんのためにもなっていない。
設備屋さんのためにもなっていない。
では、建築主となる方たちのためになっているのでしょうか。
今までの記述から、そんなことがあり得ないとわかります。
実態を伴わない資格なのですから、そういう資格者を名乗った人物が現れても、信頼できるのかできないのかわかりません。
資格者であることが、建築主にとっての判断基準とはなり得ないのです。
「設備設計一級建築士」に設備設計全般について「設計」してもらったはずなのに、本人は「あんまり詳しくない」と言う。
これは詐称ではないか。
そう思うのではないでしょうか。
「法律で言う所の『設計』の定義は……」
と説明したって、釈然としないに決まっています。
この資格は、建築主のためにもなっていません。
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じゃあ、誰のための「設備設計一級建築士」なんでしょう。
耐震偽装事件を発端に出来てしまった「設備設計一級建築士」ですが、これまで書いてきたように、『誰のためにもなっていない』のです。
「もう来週から施行されるんだから、今さら何言ったって無駄無駄」
「あんたが一級取れないからって、ひがむんじゃないの」
とか言って、設備屋を蔑んで済む話ではないのです。
ほんとうに「建築士の地位」云々、「設備技術者の地位」云々、「建築主の保護」云々を言うのならば、今後の改正(役所では「改善」とか言うんでしょうが、今回のが「改悪」なので廃止して元に戻るだけです)に向けて発言していかなければならないように思います。
意匠屋さんにとっても「とんでもない資格」なんです。
「設備屋のタワゴト」じゃ、ないんです。
建築家の今後に大きく影響する重大事項だと思うのです。
残念ながら、設備屋さんの発言力は大変小さいのです。
「新建築士試験全員受験義務案」をぶっ潰した力がある
建築士団体、建築士事務所団体が動けば、
国交省も多少は考慮するんじゃないかと思います。
もし万が一検索か何かで辿り着いてお読みくださった奇特な建築家の方や消費者団体の方がいらっしゃいましたら、ぜひ動いていただきたいと思います。
(ワタクシ自身も、情報発信をしたり関係団体の方とお話ししたり、出来ることはやっているつもりですが、何せ発言力が弱すぎます)
今のままでは、JAEICが儲かるだけ。
……結局は、「国交省のお偉いさんたちのため」の資格なんじゃないかと思う今日この頃なのです。
(「誰のための『設備設計一級建築士』?」おわり)
現行建築士法施行規則で定められる、建築設備士の登録を実施する者である、建築設備技術者協会の場合は、そのような明確な規制はありませんが、専務理事などは、国土交通省OBです。
このような、国土交通省の監督の下で、改正法に対して異議を申し立てる事ができるのでしょうか?(むしろ、登録機関にならないで、会員の利益維持に特化した方が良いような気がします)
建築士会・建築士事務所協会が、国土交通省に対して独立を放棄した事は、建築士・建築士事務所にとってメリットとなるのでしょうか?(NHKは国からの独立を放棄して特殊法人となりました。その結果が現状のNHKの姿です)
建築設備技術者協会は、設備設計一級建築士を会員として取り込もうとしているようですが、現状の建築設備技術者協会は、定款を変えないかぎり、設備設計一級建築士を会員とする事ができません。
むしろ、国土交通省所管・補助金対象の公益法人である事をやめて、純粋な建築設備技術者すべての会として、活動した方が、経営が困難でも会員の為になるような気がします。
建築設備技術者が、建築設備設計者となれる、リアリティーのある法改正への提言は、監督官庁と利害関係のある団体でも可能でしょうか?
設計も設備も、業界団体は完全に牛耳られているのでした。
やっぱり、「国交省のお偉いさんたちのため」の資格なんですね。
当分、改善される見込みは無さそうです。
何か余程の事が起こって世論の強烈な批判を浴びない限り……。
(ああ、でもマスコミも手中に収めているから世論に火がつくことも無しか)
最終講習修了者は、2,727名(合格率52.7%)となりました。
私の予想は、2,750名(申込者の合格率55%、実受講者の合格率53.2%)だったので、若干少なくなったようですね。
再考査での設計製図の合格者数は、222名です。(再考査での合格率は不明ですが、設計製図の最終合格率は約30.6%となりました)
さて、今日から改正法施行。
この制度が本来の目的通り機能するようになる(できる)のか、更に問題噴出でどうにもならなくなるのか。
霞が関のお手並み拝見といったところでしょうか。
何度云っても理解することができない 【けろ】氏に
>本来(建前上)、この制度が求めているのは
>「設備のエキスパートである一級建築士」です。
他でも、何度か書いたが、設備設計一級建築士は「設備のエキスパ−ト」ではない
設備の判る一級建築士なのですよ
構造一級もおなじ
ついでに云えば、一級建築士もスペシャリストではなく建築一般を整理統合できるジェネラリストなのです。建築に関わる殆どのことを専門家(スペシャリスト)を用いて纏め上げるコンダクタ−なのです
因みに、私は建築設備士もある意味同様だと思っています
熱源機器のポンプ、ファン等の搬送機器等の全て(製造法、使用材料の選定、能力を満足させるためのノウハウ)を知った建築設備氏がどれほどいるでしょうか?
設備であってもその範囲は広大であり全てを熟知し身に着けることは不可能なことだと思いますが、いかがでしょう?
それゆえ、判らぬことはメ−カ−とのヒアリング等で図面に反映させ、もしくはメ−カ−に作成させる。じゃないでしょうか?
建築士も同じことです。コンクリ−ト、鉄骨、建具、外壁材、屋根材、エレベ−タ−にエスカレ−タ−等の搬送設備、空調、衛生、電気設備全てに渡って自分で図面が作成できるほどの知識を持つことは不可能です
そもそも、設計とは図面作成と同義ではなく、自己の責任で設計図書を作成することですから
ただ、現行法規に無理があり、現実に「建築士が設備設計をしているか」ということに対しては私もあなたと同じく、否と声を挙げます
「意見を聴く」「設計補助」などと如何にもっともらしくいったところで、(無資格の)設備設計事務所が設備設計を行っているのは紛れもない事実だと思っています。自衛隊が軍隊であるように
「河豚の料理に対しては、絶対の自信がある。どんな料理人にも負けはしない」と、云って、無届で河豚料理店を営業するのは止めてくれ。調理師免許を取り、保険所に届けてから営業してほしい
こんなことを思うのは私だけでしょうか?
現行の法規ぬ矛盾や無理があったとしても、法を守るのは法治国家に生きるものには当然の義務でしょう
無資格事務所があるのは設備側だけの理由とは云いません。建築側からの需要があり行政も今まで(現在も)黙認していたことがその原因の大半だと理解はしています
余談ですが
士法改正のQ&Aで下記のようなものがあるはずです。
Q:積算事務所を行うには建築士資格、登録は必要か?
A:積算は設計に当たらないので必要ない。しかし、建築士を雇用し積算業務を行うには「設計関連業務」となるため、事務所登録が必要となる
つまり、非建築士を雇用し積算事務所を営むには事務所登録は不要であるが、建築士を雇用すれば登録が必要になる
法律とは可笑しなモンです
可笑しいのは、そのように運用する役人だ
と、私は思っていますが・・・
某フォーラムではいろいろ突っかかっておりましたため、さぞやご心証を害しておられることと思います。
それもあって、なるべく「文句」はブログに記載して、あちらでは自重しているつもりでした。
そんな中、ご来場頂けたことに感謝申し上げます。
> 何度云っても理解することができない
とのご指摘はご尤もです。
どうしても理解できません。いや、したくないと言うべきなのかも知れません。
> 設備設計一級建築士は「設備のエキスパ−ト」ではない
> 設備の判る一級建築士なのですよ
実際に資格を取得されているのはそういう方であると承知しております。
ならば、一般国民に対してそのようにハッキリとアピールしなくてはなりません。
誤解を招くような名称を付けるべきではありません。
しかるに「新・建築士制度普及協議会」のパンフでは「設備設計について高度な専門能力を有する建築士」と書かれています。
ワタクシの問題提起は、
「高度な専門能力」=「ちょっと判る」なのですか。
「高度な専門能力」≠「エキスパート」なのですか。
……そこを問うているつもりです。
建築士がゼネラリストであること、
建築設備士が設備に関して同様の側面を持つこと、
それぞれ、承知しております。
では、そういう法律になっていますか。
ワタクシは否と感じます。
建築士はゼネラルなスペシャリストというとんでもない重責を負わされているように感じます。
> 現行の法規ぬ矛盾や無理があったとしても、
> 法を守るのは法治国家に生きるものには当然の義務
と言うなら、「建築士はエキスパートではない」などと言って逃げられないと思います。
法改正で求められている方向性は、明らかに「エキスパート化・スペシャリスト化」であると思いますが。
ワタクシとて積極的に法に逆らう意図は毛頭ございませんし、法に叶うべく応分の尽力はしております。
とは言え、意匠側も設備側も、目くそ鼻くその類で、どっちも法律遵守に関しては威張れた状況では無いと認識しているのですが、どう思われますか。
> そもそも、設計とは図面作成と同義ではなく、
> 自己の責任で設計図書を作成することですから
これが物凄くクセモノ。
そう言い逃れをしてしまうなら、非建築士である設備屋による設備設計"関連"業務を違法だと糾弾する根拠が無くなります。
法的に設計又は監理の業務でない以上、士法第24条の3第1項の[再委託の制限]に引っ掛かることも無くなります。
それは、法改正の趣旨に合致していますか。
ワタクシの見解は否です。
周囲の意匠屋さんの見解は、雅彦さまの書かれたことと似通ったものが多いと感じます。
それに対するワタクシの見解は、
「意匠屋に甘く、設備屋に厳しく解釈する
ダブルスタンダード」
というものです。
なぜ、平気でダブルスタンダードを説くのか。
そこが、ワタクシの理解できないところであります。
そこが、「何度云っても理解することができない」と言われる所以です。
そんな事をしてたら、誰の為にもならないんじゃないか。
それを前提に作られた、設備設計一級建築士制度は、建築士のためにも、設備屋のためにも、建築主のためにもならない、悲しい制度なんじゃないか。
それが本項の趣旨です。
>建築設備士が設備に関して同様の側面を持つこと、
>それぞれ、承知しております。
>では、そういう法律になっていますか。
>ワタクシは否と感じます。
あなたが感じるのはあなたの勝手です
>建築士はゼネラルなスペシャリストというとんでもない重責を負わされているように感じます。
上記同様感想はあなたの勝手です。しかし、それが事実であるかということとは別問題です。しかし、」建築士がとんでもない重圧に苦しんでいることは間違いないでしょう。無資格の設備屋さんとは比べものにならないくらいに・・・
一般の人々からみれば「建築士」は建築のエキスパ−トに間違いないでしょう
同様に、(一般の)建築士から見れば「建築設備士」もまた設備のエキスパ−トに見えるでしょう
設備に異常が起こったときに、設備士に云えば解決してもらえる。たしかに解決はしますがそれは設備士個人の力でなく、各セクションのスペシャリストを駆使してということが殆どだと思います
つまり、エキスパ−トであるかどうかはそれを見る外部のレベルによって変動するものだということです
以前、フォ−ラムで私が「自動制御は外注します。それが何か?」と書いたとき、あなたここぞとばかりに突っ込んできました
空調設備における自動制御(以下計装と記す)は設備にとってはなくてはならない重要なものであることは、設備界にいるものなら当然のことですが、他からみたらどうでしょうか?
単に空調設備の一部。空調設備を構成する数多いパ−ツの一部分なのです
室内温度が高かろうが、低かろうが、ましてや、その温度調節を三方弁でしようがVAVを使用しようが、弁、ダンパを手動で操作しようが建築基準法関係には関係のないことです
設備設計一級建築士ゆえの法的適合に関しては、まるっきり無関係な領分になるわけです
このことを、設備技術者は理解できない。それはエキスパ−トであるから、設備といえば日常慣れ親しんでいる設備そのものだという認識から離れなれない
建築基準法関係で規定されている「建築設備」と設備技術者が抱く「設備」のイメ−ジがかけ離れていることを判っていない
繰り返しますが、室温が10℃になろうと30℃になろうと法的な意味で「設備設計一級建築士」には関係がない
あくまで、設備のスペシャリスト「建築設備士」の領域なのです
むろん、設計書として関与すると性能関係においても責任は生じてくるわけです。民法的にはですが・・・
このように、建築法規における「建築設備」と「設備」との違いさえも認識のない設備技術者に設備設計一級建築士の受講資格を与えなかった国交省の考えは十分理解できます
>「意匠屋に甘く、設備屋に厳しく解釈する
ダブルスタンダード」
これはまるっきり意味不明です。理解できません
>とは言え、意匠側も設備側も、目くそ鼻くその類で、どっちも法律遵守に関しては威張れた状況では無いと認識しているのですが、どう思われますか。
設備のことを理解せずに無登録事務所に図面代程度の金額で発注するものを私は 【ばか意匠】と呼んでおりますが、設計事務所の社会的地位、報酬の低さの原因はその 【ばか意匠】 と【無資格・無登録】事務所にあると思っています。再委託の問題とも絡み長くなりますのでこの話は以降のことといたします
とりあえず、建築基準法施行令第百二十九条の二の六第3項により、中央式空気調和設備は、室内温度を、「十七度以上二十八度以下」におおむね温度又は流量を調節して供給することができる性能を有する必要があります。 その温度に調整する為の自動制御に関しては規定が無いのは、ご指摘のとおりです。 「制御方法は、建築基準法及び、関連規定では、定められていなのので、空気調和器の能力は、確認しました」と、設備設計一級建築士が回答すれば、確認申請はとおりますね。(それ以前に、建築主事又は指定確認審査機関がそういう質疑はしないとは、思いますが)
士法第2条の2(職責)において、建築士が
「業務に関する法令及び実務に精通」することを明確に
求められています。
ワタクシは、これを「スペシャリストたれ」の意味だと解釈しました。
「精通」とは「詳しく知っている」こと。
建築士の業務とは、意匠のみならず構造や設備も含むものだから、
構造や設備にも詳しくあることを求めていると思いました。
基準法にある構造や設備の規定も大変細かいので、それらに
「精通する」ということは即ち「スペシャリストである」と
感じたわけです。
ワタクシの勝手な思い込みだとすれば、議論がかみ合わないわけです。
>> 「意匠屋に甘く、設備屋に厳しく解釈するダブルスタンダード」
> これはまるっきり意味不明です。理解できません
フォーラムやブログにいろいろ書いてきましたが、
「まるっきり意味不明」となると、困りました。
いろいろ感じた事柄について「ダブルスタンダード」という単語を使ってみましたが
不適切かも知れません。
これにつきましては、機会があれば別記事にて書いてみることにいたします。
> 以前、フォ−ラムで私が「自動制御は外注します。それが何か?」と
> 書いたとき、あなたここぞとばかりに突っ込んできました
ご記憶に残っていましたか。
自動制御と言っても、空気配管あり、電線管や電線類あり、盤ありで、
基準法上関連しそうな項目がいろいろあるものですから、
それらの外注が問題ないなら一般的な設備の外注も問題ないんじゃないか、
外注先が「無登録事務所」でも構わないのじゃないか、と愚考いたしまして、
突っかかってしまった次第です。
正直なところ、今でも良くわかっていません。
> 建築基準法関係で規定されている「建築設備」と設備技術者が抱く
> 「設備」のイメ−ジがかけ離れていることを判っていない
かけ離れていることを問題視しているのです。
法で規定されている、言い換えると意匠屋さんが考えている「建築設備」が、
設備技術者が携わっている「設備」の実際とかけ離れている。
そのところを訴えております。
「かけ離れているから、良くない」とワタクシは考えておりました。
設備屋の「設備のイメージ」を反映させるべきである、と。
雅彦さまは、逆なのですね。
設備屋の考え方を改めるべきである、と。
……このあたり、まだまだワタクシの脳みその処理限界を超えています。
追々記事にすることができれば、書くことにいたします。
ともかくも本項は、「設備設計一級建築士が、誰のためになるのか」について
考察してみたものです。
ワタクシの取り敢えずの結論は「誰のためにもならない」つまり
「あまり役に立たない制度だ」ということです。
「設備の判る一級建築士」は、確かに必要です。
しかし、法改正前でも、一級建築士は「設備が判る」べきだったのでは。
「設備が判らない一級建築士」の存在は許されていたのでしょうか。
ワタクシにとって、疑問は尽きないところです。
○○さま、△△さまはやめてください。すくなくとも私に対しては
ボンデ−ジを身に着けることはおろかムチも持ってはおりませんから・・・・無知なら持ち合わせているかもしれませんが
>士法第2条の2(職責)において、建築士が
>「業務に関する法令及び実務に精通」することを明確に
>求められています。
階層のレベルの問題です
実務に関しては、各分野の技術士から見た場合、全てに精通している建築士など一人もいないでしょう
建築設備士だっておなじことです
>「かけ離れているから、良くない」とワタクシは考えておりました。
>設備屋の「設備のイメージ」を反映させるべきである、と。
設備の説明に建築を人体に、意匠は容姿、構造は骨格、設備は血管や神経等に喩えられることがよくあります
の設備設計事務所協会のHPによく用いられています
ところが山陰の某県の設備設計事務所協会にはその次に
「だから、設備は建築の付帯工事ではありません。独立したシステムです」いう風なことが書かれています
血管や神経が人体とは独立したシステム?? 噴飯ものではありませんか
建築基準法関連の法規は建物を作るためのものです。全て基準は建築にあるのです。広義のスペシャリストである設備屋の視点ですべてを判断しないことが大事だと思います
ようするに「井の中の蛙」になるなと
設備設計一級建築士についてはレベルに関しては予想通り、評価としては設備技術者に「建築士」という資格に眼を向けさせたことだけでも意義があるとおもいます
副次的に受験資格に多少進歩があったか、と
また、例え一部のものであっても資格的に建築士と同等以上になることができた。ないよりはあったほうが遥かによいのではないかと
>雅彦さん、お久しぶりです。
そうですか、私はあなたが「建築構造便利ねっと」まで出張っているのを知っているものですから・・・(笑)
判りきった入力ミスの訂正は野暮というものですよ
「えろ」は「けろ」と訂正してしたほうがいいようですが
>室内温度を、「十七度以上二十八度以下」・・・
そういや、ありましたね。完全に記憶の外になっていました
>>10℃になろうと30℃になろうと・・・
ちょっと乱暴すぎましたか (笑)
わかりました。雅彦さんと書かせていただきます。
ちょっとムチがチラチラ見える感覚が無きにしもあらすでしたが。
> 「だから、設備は建築の付帯工事ではありません。独立したシステムです」いう風なこと
そりゃ筆が滑ってますね。独立などできません。
けど単なるオマケというわけでもありません。
傾向として、意匠屋さんはパーツでモノを言い、
設備屋さんはシステムでモノを言う。
思考パターンが異なることがあります。
設備を扱う以上、意匠屋さんの思考パターンだけでは対応しきれない場合があります。
設備屋視点ですべてを判断すべきとは思いませんが、
意匠屋視点だけで必要充分だとも思わないのです。
だから法律や制度にも、設備屋視点が一部組み入れられる必要があると考える次第です。
> 設備技術者に「建築士」という資格に眼を向けさせた
それは大きな意義でしたね。
意匠屋さんが「設備技術」に目を向け始めたという効果もあります。
方向性は良いと思いますが、手法には大いに疑問があります。
雅彦さんの言わんとしていることや、考え方がようやく少〜し伝わってきた気がします。
鈍重で申し訳ありませんが。