あっちもエコ、こっちもエコ。
さてこの「エコ」に関して、気になることがあります。
『見せかけだけのエコ』
表面上「エコしてますよ〜」と宣伝するけれども、
実際はちっともエコじゃない。
そんな例があるのじゃないか、と。
もちろん、イメージって大切だと思いますけど、
ほんとうに『エコ』かどうかは、また別の話だと思うんですね。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
たとえば、ペットボトルのリサイクル。
ペットボトルを回収して、ペットボトルとしてリサイクルされるものは
ほとんどゼロだという説があります。
確かにペットボトル飲料のラベルを見ても
「このボトルは再生ペット樹脂を使用しています」なんて
書いてありませんよね。
じゃあ、回収されたペットボトルはどこへ行っているのでしょう。
まとめて束ねて中国に輸出しているとか。
「燃えるゴミ」と混ぜて焼却しているとか。
埋め立てているとか。
ごく一部、繊維状に再加工して作業着やマイバッグを作って
製品化している模様。
これって、ほんとうに「リサイクル」なのだろうかと疑問は尽きません。
ただし一市民の立場では、それらの流れを解明するのは困難。
疑問は疑問のままにとどまっています。
本来なら、関係各位の情報公開が望まれます。
それに、ペットボトルをゴミ集積場から収集車で集めて、
樹脂再生工場で再生して、縫製工場などで作業着を作る。
それに費やされるエネルギーと資源、
ペットボトルリサイクルにより節約される資源、
双方の比較も必須だと思います。
リサイクルにエネルギーと資源を余計に使うなら、
やる意味がありません。
というより、やらない方がマシになってしまいますから。
「サーマル・リサイクル」などと称して、
集めたものを焼却し、熱として回収している、などと言う場合も。
だったら、可燃ゴミと分別しないで燃やしても一緒かも。
ゴミ焼却場では昔から排熱利用をしているんですから。
今は、可燃ゴミは生ごみを含むために水分が多い。燃えにくい。
従って、集めた可燃ゴミに重油をかけて焼却している所もある由。
なら、プラスチックを分別せずに燃やしても一緒では。
別々に運搬するトラックの燃料、可燃ゴミにかける重油、
二重に無駄になっていたり。
むか〜し、エコエコアザラクなんていうホラー漫画がありましたね。
「エコ」のように見えるけど実は……。
なんて、ホラーにしちゃ、いけません。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
また、「根性、根性、ド根性」てな『根性論』でもダメです。
電気をこまめに消して、余計なエネルギーは使わないようにして、
という心掛けは良いと思います。
それが積もれば国全体ではものすごいエネルギーが節約できる……。
とは、ならない。
個々人の努力で節約できる量には限界があります。
限界まではできますが、限界を超えてはできない。
たとえば、あなたがどんなに省エネに努力しても、
製鉄所で消費されているエネルギー、
高速道路網を走る運輸車両の消費エネルギー、
超巨大商業施設で消費されているエネルギー、
それらの省エネには寄与しません。
そしてそちらの消費量が圧倒的に大きいのです。
市民の省エネ努力も重要ですが、
産業界の寄与が決定的に重要なのです。
そのためには「システム」の構築が大切。
それなくして「みんなでがんばりましょう」だけでは
実効性は無い。
割合の問題、総量の問題、両方を考慮しなくてはなりません。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「高効率の省エネルギー空調システムを構築」した超大型施設。
省エネの施設を作るより、作らない方が余程省エネ、省資源だと思ったりします。
高効率の照明器具を1,000台設置する施設を作るよりは、
低効率の器具でも100台で済む施設の方が、ずっと省エネ。
総ガラス張りの温室みたいな建物に、
種々の工夫を凝らした省エネ空調換気システムを導入するのも
素晴らしいかもしれませんが、
そもそも「温室」など作らければ、
それを解消するためのシステムが不要になり、ずっと省エネ。
高効率インバーター台数制御の加圧給水ポンプユニットを
高層建物に採用するのも確かに省エネですが、
建物を高層にしなければ、ずっと省エネ。
エレベーターにも言えますね。
十分な照度を確保できる照明器具数を設置した庁舎で
「省エネのため一部照明を消灯しています」と薄暗いホール。
不要なら、最初から設置しなければ良いのですが。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「原子力発電所建設反対!」
そういう声を聞くことがあります。
確かに、発生する放射性廃棄物の処理方法が「超長期保管」しか無い現状では
良いものだとは思いません。
事故が起こった際の災害程度を考えると、リスクも高いものです。
だから、ワタクシも無い方がいいと思います。
けれども、日本の産業構造、生活様式が原発を前提に構築されてしまっていることも事実。
だから、
「電力の3分の1を原発に頼っているなら、わたしたちが使用する電気量を
34%削減しましょう。そうしたら原発は不要になります!」
なんて嘘をついてはダメです。
家庭で使用している電力量の3分の1を削減したぐらいでは、どうにも足りません。
また、燃料のほとんどを海外依存している日本で、これだけの生活水準を維持するために、
どんなに悪であっても原発を使用せざるを得ない状況もあるわけです。
理念と精神論だけでは、現実社会を変えられない。
その上で。
しばらく前までは放射性物質リスクから「原発が無い方がエコ」と言っていたのに
いつの間にか「二酸化炭素排出が少ないから、原発の方がエコ」という論調が
幅を利かせてきている。
なんじゃそれ。
実際は、どっちも「エコ」じゃないんです。
どっちも環境に悪影響を与える。与え方が多少違うだけです。
原発がどうとか火力がどうとかいう問題ではなくて、
電力に、そして化石燃料(核燃料も)に頼りきった
エネルギー大量消費社会の問題なのですから、
手段を変えたくらいではエコではあり得ないのです。
エコを訴えるために、世界中を飛行機で飛び回って……。
その人は、一般人よりも確実に環境に悪影響を与えています。
たといマイ箸、マイカップ、マイバッグを持ち歩き、
古着を素敵に着こなして、ゴミ分別を完璧に遂行していたとしても。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
太陽光発電、風力発電、ヒートポンプを大々的に導入して、
エコを実現しよう。
……ほんまかいな。
太陽光にしても風力(これも太陽エネルギーの利用形態の一種です)にしても、
エネルギー密度がものすごく小さなものです。
それを大量に集めるのは、すごく大変。
集めて得られるエネルギー以上に、
集めるために投入するエネルギーがかかってしまう。
COPが1未満になってしまっては、意味がないのです。
エントロピーの大きい状態を、小さく変えるには、大量のエネルギーが必要。
ウランとか石油なら、エネルギー密度が非常に高く、
エントロピーがものすごく小さい状態ですから、
わざわざ海外からタンカーを使って運んで来ても、エネルギー的にも経済的にも
元が取れる。
小さな規模であれば成り立つことも、
大きな規模では成り立たなくなる。
そんな当然のことが、最近無視されるようになってきた気がします。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
エコを心がけること、意識することは、大切なことです。
でも、その内容が意味のあることか、効果のあることか、
技術的にどうなのか、実際的にどうなのか、
考えることも重要だと思うのです。
せっかく「エコ」をしているつもりでも、
それが却って「非エコ」となってしまうのでは、
努力の甲斐がありません。
「良かれ」と思ってやったことが、
却ってアダとなっては悲しいことです。
それを知らずに推進してしまったとしたら、
後世に申し訳が立たないでしょう。
「だって、テレビで言っていたから」
「東大の某教授がそう言っていたよ」
「学校で習ったもん」
「役所のパンフに書いてあるよ」
「ネットで調べたらこう書いてあった」
情報の入手先は、いろいろありましょう。
いろんな方面から、よく理屈を考えて、納得できるエコでありたいものです。
(「ほんとうのエコ?」おわり)
辞書では、自然環境保護運動。人間も生態系の一員であるとの視点から、人間生活と自然との調和・共存をめざす考え方。
とありますが、
最初は再生するのに新しく作るよりもCO2が多くても「エコ」
最後に目標が達成できなければ、他国の許容量をもらって(買って)「エコ」
私、よくわかりません。
武田さんの「環境問題・・・2」に 京都議定書での「温室効果ガスの実質削減目標」の日本は-6%とありますが、お書物での問題提起は、基準となる年が1990年で、終結となる年が1997年
ドイツ、イギリス、ロシアは、1997年時点で1990年を基準年とするとすでに-19、-13、-38%と削減率の-8、-8、0%をクリアしていて
日本、アメリカは、1997年時点で1990年を基準年とすると13,15%と削減率の-6、-7%を足すと-19、-22%を終結後からクリアしていかなければならない。
終結年からドイツ、イギリス、ロシアは、プラス8、5、38まででき、かたや日本、アメリカは、マイナス19、22しないといけないようで、捏造かどうかは、私では判断できませんが、このあたり踏まえて日本の偉いさんや報道者は、発言していただきたいと思っています。
疑問を呈しておられる方も少なからずいらっしゃるようで。
エコをも金儲けに変えてしまうあさましさには
与しないでいたいと思います。
与しないでいたいと思います。
けろさんと同じく、私もその様に思います。