駆け上がっていくのではなくて
流れ下ってくるもののようである。
中には、水が流れるのだという。
「配管」と呼んで、
差し支えないのだよね?
「トンネル」に近いのかも、と思ったりして。
径が 1200mm と 1500mm だということだけれど
建築設備の管とは文字通り桁が違うね。
20mmとか25mmとかの細い配管をちまちま接続して延ばしていっても
積算上はごくわずかな工事費にしかならない。
でも、こんだけ太ましい管だと、
ただ直管を伸ばすだけでも
結構な金額になるんだろうな。
「ただ」なんて言っては、申し訳ないね。
これだけのモノを、正確に直線に通す、
しかもこれだけの勾配を維持しつつ。
いろんな力に対抗して。
すんごい手間も時間もかかることなのだろうから。
とてもとても大規模に見えるのだけれども
そして、地図にもしっかり残るであろう配管なのだけれども
上空に上がって俯瞰すると
きっと、地表にごくわずかに現れた
毛細血管に過ぎないのだろう。
ヒトの営みの、
なんと矮小なことか。
なのに、世界中で殺し合い、憎み合い、
蹴落とし合っているのである。
それぞれの事情をもって。
それぞれの正義を掲げて。
(「これも配管」おわり)