ま、世の中、いろいろなのだ。
さて。
外壁を這う、配管たち。
勾配の要るもの、要らないもの。
まっすぐつながるもの、邪魔を避けるもの。
色を外装に合わせてみたり、みなかったり。
最初からついていたり、後付けだったり。
いろんな歴史を背負って
建物は建っている。
その歴史について、
誰も関心も興味も無かったとしても
そこに「在る」のは確かなのだ。
そして万象は諸行無常。
やがて、朽ち、崩折れ、無くなっていく。
長いようで、過ぎてしまうと短い
建物の在りようである。
いわんや、ヒトをや。
短い一生を終える者。
天寿を全うする者。
自らの意思で終焉を迎える者。
他者の悪意によって強制終了させられる者。
生ける者とて、
身体に病有りて闘病しつつ生気に溢るる者。
身体壮健なれども悩み多き者。
ま、いろいろ、なのだ。
(「壁這う管」おわり)