#ガウディ展
ちょいと前、
ガウディ展に行ってみた。
非常に暑い盛りであったけれども
館内は十分に冷房が効いていたから
問題はない。
行くまでが大変だっただけで。
基本的に撮影不可部分が多かったのだけれども
一部は可能であったから、撮った。
ちょいと、ご紹介してみよう。
かなり昔の計画であって、
平面計画も徐々に変更されていって、
現在があるということなのだ。
現代の建築でも、
平面計画の変更などは日常茶飯事である。
施主の要望が、行政の要請が、法規制が、社会情勢が、
コストが、プロマネの気が変わった、
さまざまな要素により、日々変遷していく。
3Dモデリングが進んだ今日では
その変化も大きく、スパンも短かったりするが
昔とて同様だったのであろう。
今まさに絶賛建築中であるが、
今年中には、少なくとも外観はほぼ完成に至るという。
展示時点で未完成部分が着色されている。
館内には、数々の模型も据えられている。
独特なフォルムが、
仔細に再現されている。
そして、写真パネルも多数あって。
照明器具が、あちこちに埋め込まれている。
きっと、LED照明なんだろう。
展示の中にはどこにも表現されていなかったけれども
電源を送るケーブル、電線管、分電盤その他
どこかに据えてあって、
でも一般利用者や観光客から見えないように
うま〜く施工されているんだろう。
この写真には写っていないが、
映写されていた動画には
各柱に液晶ディスプレイが取り付けられている様子が
映っていた。
そうだよね。現代の建築物だもんね。
当初、ガウディさんの時代には存在しなかった
さまざまな「せつび」が付加されているはずなのだ。
窓やステンドグラスからの外光も
かなり計算された配置になっているそうだけれど
それとは別に、詳細な照明計画が
現代技術者の計画によっておこなわれているはずなのだ。
「せつび」に関する展示や説明もあるかなぁと
ちょっと期待してみていたものの
まあ、あるわけないよね。
意匠と構造にまつわる展示については
十分に堪能させてもらったけどね。
このあたりの細工も、
現代の造形技術、施工技術あってこそのものである。
昔の技術でも、たぶん何とかしたんだろうけれど
現代技術の助けによって
施工が加速化したことは想像に難くない。
クレーンの無かった時代、
こんな高い場所の施工をどうやってやるつもりだったのか。
ま、やってたんだけどね。
ピラミッドにしても、タージマハールにしても。
昔の建築家は、多才だ。
彫刻についても、一切の妥協は無かったようだ。
すごいね。
この彫刻には、
日本人スタッフも関わっているらしい。
そして、ガウディさんは
路面電車にはねられて、亡くなったのだという。
「ガウディとは誰一人気付かず」
世の中、そんなものなのかもしれない。
以後、スペイン内戦による被害や中断を経て
現在に至るまで施工が続けられている。
完成を目指して、
今なお、多くの人たちが関わっている。
いよいよ、今年中には大方の構造物が完成するという。
詳細については、
NHKスペシャル でも、何度か放送されている。
「せつび」に関する事項が一切なかったのは残念ではあったが
こういう類の展示だもの、仕方がないことだろう。
照明も、映像も、放送も、
おそらく事務室にはコンセントやら電話やらLANやら
そんなものもあることだろう。
バルセロナだって、無空調では過ごせまい。
暖房も、おそらく冷房も
何らかの形で据えられていることだろう。
でも、これだけの造形だもの。
設備機器類をオモテに出すようなマネは
していないのだろう。
そんな特集が、無いものかな。
東京新聞により刊行されている
図録 は
2024年3月10日まで販売されている。
ミュージアムショップでも売っていたけれど
持って帰ると重たいので通販で入手した。
こういうのって、楽しいよね。
「せつび」が詳しく載ってれば、もっと良かったけどね。
(「ガウディ展」おわり)