だって、暇なんだもん。
もちろん、不審者然としないように、
気は遣っているつもり。
ケーブルラックに電線管に、
いっぱい吊られている。
錆びてたり、塗装が剥がれかけていたり、
そんな電線管やボックス類が痛々しいけれど
たぶん誰も気にしてはくれない。
向こう側を見渡しても、
折板屋根に何がついているかなんて
気にも留まらないことだろう。
まして、それらの状態がどうであるかなんて。
なんか、理由があったんだよ。
ケーブルラックを、クロスさせなきゃならない
どうしても避けられない理由が、さ。
売店にだって、冷暖房は必要なんだ。
だから、上に室外機を乗っけている。
更に上に屋根がかかっているから
雨仕舞とか気にする必要は無い。
ただ、冷媒管とドレン管と、
電源ルートを確保できれば良いのだ。
このスペースが邪魔になるから
避けていかなきゃならない電線管もあるのだ。
盤があるなら、
そこまでケーブルの束を下ろしてこなくちゃならない。
そのまんま出すわけにもいかないから、
ダクトに納めて、ね。
来年には開業60周年になるから、
何度も何度も何度も、改修に改修を重ねて
今の「せつび」たちが在るはずだ。
そしてこれからも、
いろんな技術の進展とともに
更に改修・アップデートを重ねていくことだろう。
電線管、ケーブルの1本1本に、
その存在理由と歴史と、
そして寿命(使用限界)があるわけだ。
ニンゲンも、そのはずなんだけどね。
たぶん。
(「ホームの上」おわり)