まなづるまち と読む。
「町」の字を「ちょう」と読むか「まち」と読むか、
そこここで異なるので調べてみるしかない。
文字を見るだけじゃ、判別できないのだ。
東海道線の駅があるから、
田舎田舎のローカル線と異なり
結構な本数の電車が停車する。
1日数本しか運行していない路線も数ある中で
1時間に3本(多い時間帯は4本)の停車があって
朝は4時台から、夜は23時台まであるって
すごく恵まれていると言えよう。
相模湾に突き出す真鶴半島の部分は
かなり高低差がある。
そのため、坂が多い。
すごく、多い。
というか、平地ってあるんか?
ってくらいである。
もちろん住宅の床は水平なんだろうけれども
敷地自体は水平じゃないところばかり目についた。
県道739号真鶴半島公園線は、
真鶴駅前から発して半島の北海岸沿いを走り、
ぐるっと回って尾根を戻ってくる。
大江戸線のような環状の構成になっている。
結構狭いし、路側帯がほぼ無い場所も多い。
もう、広げようがないのだ。
空き地に、止水栓と水道メーターと水栓がひとつ。
散水か何かに使うため?
これでも、毎月の基本料金がかかるよね?
とにかく坂なので、インフラは大変だと思うのだ。
路面にも、そこかしこに止水栓筐の蓋が点在している。
蓋には、真鶴町の町章。
昭和25年制定にしては、
洗練されたデザインなのではないかと思うのだけれど
デザインセンス皆無のワタクシの感想はほぼ無意味。
少し大きめの、制水弁筐の蓋。
これには町章が無くて、水道の「水」の文字だけである。
配水管接続の、埋設消火栓の蓋も
そこかしこに見られる。
丸形だったり、角形だったり。
下水のマンホール蓋は
ガッツリ鶴である。
鶴と波と、なぶん「ハマユウ」。
ハマユウは、クスノキ、イソヒヨドリとともに
町のシンボルとして制定されている。
宅地内桝から、小口径の公設桝へと
接続されているだろう箇所。
とにかく、坂が多い地だから
排水管も、ドロップに次ぐドロップ。
勾配を設けるんじゃなくって、
落とすのである。
車だって、斜面に駐車されるのだ。
至る所階段だらけで
しかもその下には下水道管が埋まっているようだ。
高いところから低い所へと流す公共下水にとって
厳しい条件下にあることは確かなようだ。
上水道の配水管だって、排泥やら空気抜きやら
上下関係が面倒くさそうだ。
道路沿いに、あったもの。
車庫、にしては入り口が小さいし、高さも無い。
配管が飛び出しているところを見ると
LPGボンベ庫なんだろう。
坂を上がった住宅脇にボンベを並べると
交換が難儀であるからして
道路沿いに設けたボンベから
配管で持っていくこととしてあるようだ。
もっとも、道が狭いから
交換のためにトラックを停めていると
他の交通の支障になることは避けられそうにない。
ちょいと故あって訪れることとなった真鶴であるけれど
短い滞在時間でも、なかなか見どころ満載なのであった。
訪れたことのない街は、
まだまだたくさん残っている。
ってか、行ったことのある場所のほうが、
遥かに少ないのだ。
人間の一生の間に、どのくらいの街に行けるものかな。
まして世界に目を向ければ、
人生ヒマだとか退屈だとか
言ってる場合じゃないと思うんだな。
もっとも、「先立つもの」がある程度確保されてこそだし
疫病やら戦争やら天災やら、
移動の阻害要因も近年多いから、
せめて可能な限り、近場からでも制覇してみたいものである。
それに、一度行ったところであったとしても
季節や時間帯や天候によってその表情は異なるし
数年経つと様相が変わったりするから
何度でも楽しめるんだよねぇ。
5万年くらい生きないと、時間が足らんね。
(「真鶴町のマンホール蓋とか」おわり)