2023年05月23日

オトンルイ

アイヌ語で「浜にある道」という意味だという、
「オトンルイ」


全28基の風車が立ち並ぶ 発電所 である。


1基あたりの出力は750kW。


これだけ並ぶと、なかなかに壮観なのである。


23052301.JPG

ただ、系統連系先の変電所まで
送電線延長は17kmに及ぶというから、
発電所本体の費用以外にも結構な出費があったことだろう。



風況は、良さそう。

いやむしろ、強風すぎて稼働出来ない日も
あるくらいだろう。



得てして、風況の良いところは人里離れた場所であって
そこで発電した電力を消費地まで送電するためのロスが
結構なものになりそう。


また、田舎に行けば行くほど
そもそも送電網が貧弱なのである。


そして更に、
太陽光ほどではないとしても
風況の変化による発電量の変動が大きい。


リアルタイムで周波数調整を行わなければならない
送電事業者としては
厄介な代物であったりもする。


バックアップの水力発電所とタッグを組むのか
大規模蓄電装置を組み合わせるのか。


あるいは、水の電気分解でもして水素を作って
燃料として貯蔵・移送するか。



化石燃料や核燃料の保有するエネルギー密度と比べると
どうしても貧弱であるのは致し方ない。


ただそのぶん、「持続可能性」を持たせられる可能性が
より高いものと言えるのではなかろうか。


高レベル放射性廃棄物を10万年単位で保管しなきゃならなかったり
原理的に二酸化炭素排出が必須だったりするものに比べたら。


地域全体が壊滅的になるような事故も
起こりようがないし。
(「オトンルイ」おわり)
posted by けろ at 15:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 電気設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする