前世紀の最後、2000年春に噴火した活火山である。
周囲に観光地を抱えていつつも、
数十年ごとに噴火を繰り返していて、
その記録もかなり残されている山である。
前回2000年の噴火に際しては、事前に予知がなされて
付近一帯の避難が完了してから噴火したため
物的被害はすごかったものの
人的被害は皆無であった。
毎度の噴火パターンが典型的であって
予知がしやすい性質の火山なのである。
噴火の度毎にいろいろ被害はあるものの
その間の時期には魅力的な観光地として
多くの人を惹き寄せている。
麓には昭和新山があって、
そこから有珠山頂に向けてロープウェイが設けられている。
その上からの眺望は、すこぶる美しい。
国内外から、多くの観光客が訪れる。
コロナ禍最中の2020年には、展望用のテラスが 新たに設けられて
絶景をゆったりと眺められるスペースとなっている。
翌年 グランドオープン ということで
拡張されたようなことも書いてある。
ロープウェイを降りてすぐの場所なので
外輪山最高地点まで延々と歩いて登るのが辛い人でも
十分に景色を堪能することが可能である。
小洒落た看板。
そのすぐ奥に、テラス。
テラス後方には、溶岩ドーム。
椅子がたくさん置かれていて、
絶景をのんびりと眺めていられる空間となっている。
クッションまで置いてあるのだ。
雨の時には片付けられているのだろうけど。
あまりにも人が多ければ
ゆったり座っていられないだろうけれども
外輪山を太平洋側へ歩いて行く人も多いから
適度に分散しそうな気がする。
テラスから見えるのは、有珠の山体と洞爺湖。
カルデラ湖の中央に突き出た中島も見える。
そして東方下部には昭和新山。
現在もまだ煙を吐いている。
ロープウェイ山頂駅から南へ
外輪山を登っていくと
噴火湾と太平洋を望むことができる。
さらには、カルデラの火口原も見られる。
前回噴火から20年以上を経て、
また遠からず噴火することであろう。
「生きている」大自然を
間近に観察できる、すばらしい場所である。
それゆえに、
この一帯は ジオパーク としてユネスコに登録されている。
(「好天の有珠山テラス」おわり)