2023年04月01日

消えゆく街角

あまり人口の多くない街に行くと
ときどきレトロな建物に出逢う。


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年月とともに、
古いものは徐々に姿を消していき
新しいものへと変わっていく。



それでも残っている、レトロなモノたちは
今、在るうちに愛でておきたい。



適切な保存がなされるのであれば
それはそれで素晴らしい。



ただ、保存するにはコストがかかるし
防火耐火や耐震耐風の性能は付加する必要があって
そちらには更にカネがかかる。


だから、不況下、少子高齢化の社会にあっては
保存が厳しいのも事実だったりする。



それに、モノに対する価値観というのは
人それぞれだ。


愛でる人もいれば
古臭くて邪魔な建物はどんどん建て替えて
綺麗な洒落たものにしたい人もいるだろう。



ほんとうに価値を認めたとしても
保存のための金策ができなければ
やはり保存はできない。



まったく変わらないものだったなら
有り難みが感じられないのかもしれない。


無くなってしまうものだから
朽ち果ててしまうものだから
むしろ価値を見出すのかもしれない。



営業係数の観点から、
地方ローカル鉄道は存続できない。

人は利用しない。
カネは出ない。
だから、仕方ない。



でもだからこそ、
「ラストラン」には名残を惜しむ人たちが集まる。


ぶわあっと咲いて、一気に散るサクラの花が
日本人の感性に響くとすれば、
そういうものなのかもしれない。


味があっていいんだけれども
自分が買い取って補修して耐震化して保存できるかというと
出来ないんだから仕方がない。

それに、断熱が悪くって隙間風が入ってきて
なんなら雨漏りもあってちょっと傾いていたとしたら
自分でも住みたくないし。



自治体の財政状況を鑑み、
可能な範囲で「博物館」「郷土資料館」として
遺していくくらいが良いのであろう。
(「消えゆく街角」おわり)
posted by けろ at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする