北の大地はモノクロに染まる。
そうではない地方でも
緑が減り、茶褐色が増えて
季節感をそれなりに感じさせるものではあるのだけれど
雪国のそれは、格段である。
白と、黒。
ハッキリとした対比が
明らかになるのである。
上空から眺めると、
更に明瞭になる。
眼下に、新千歳空港。
真っ白な平地と、露出した誘導路・滑走路。
周辺の土地にあっては
樹木のあるところと無いところとの差も大きい。
市街地と、原生林と。
人の営みが可視化されている。
太陽光発電施設も、目立つ。
あまり雪が深くないところでないと
埋まってしまい、役に立たないだろう。
街、空港、道路、河川、森。
このコントラストが、好きだ。
空港からすぐに、太平洋に出る。
その直前、苫小牧の街が視界に入る。
人工的に掘削された苫小牧港の大きさが目立つ。
海と山とに挟まれた
細長い市街地が延びる、苫小牧市。
上が西方向である。
山裾には、ゴルフ場が多数存在する。
冬期はこのとおりプレー不可であるが
夏になれば、時間とカネのある御仁であれば
酷暑の首都圏から航空便で足を伸ばして
冷涼な中で楽しむのも良かろう。
(逆に、冬期は千葉方面に足を伸ばす
ゴルフ好き道民もいるという)
上空にいると、
日本地図がそのまま在る。
十和田湖の立体地図のような、実物。
「鳥瞰図」というものもあるが、
さすがにこの高度を飛ぶヤツは、
多くはあるまい。
日本列島は四季折々の変遷が豊かで
季節ごとに良さがあるのだけれど
積雪期におけるコントラストの美しさといったら
絶品なのではあるまいか。
もっとも、雪国の冬期においては
厚い雪雲に覆われて
地上が見えないことも少なくないからして
その時の運にもよるのであるが。
いや、もちろん、
南西諸島のエメラルド色の海や島々も
とても美しいんだけれども。
あれはあれで、良いんだけれども。
ま、食べ物と一緒で、
その土地土地の良い景色があるのである。
(「雪によるコントラスト」おわり)