丸形や深形のベントキャップとはデザインの異なる、
外壁に取り付けられた換気口なのである。
右側から排出される空気は、
常にドロドロ・ギトギトというわけではないだろうけれども
何年も排気され続けていくとこのくらい汚れる程度には
何らかの成分を含んだものなのだ。
何の排気だろうか?
何か、作業をする室なのか、
厨房など油滴などを含む場所の排気なのか、
はたまた、やたらと息が臭い人物の執務室(いや、それは流石に有り得ん)。
長い時間をかけて、少しずつ、徐々に
汚れが蓄積していくから、
毎日のように見ている人にとっては
おそらく全く気にならないものであろう。
初めて訪れた人には
「なんか、汚くね?」
と思われるかもしれない。一瞬、ね。
でも、それで敢えて施設管理者にクレームを入れるほどのものじゃないし
他所の施設に云々言うのもなんか変人っぽいし
いざキレイにしようとなると結構費用もかかるし、
自分でやるのも割合大変だし、
斯くしてそのまま放置と相成るのである。
いよいよ各所が見るに耐えなくなるに及んで、
外装の全面改修などをする機会があれば、
その際に一緒にキレイになる、こともある。
そんな程度の存在感なので
やはり放置一択である。
これが、建物入口のすぐ脇だったりすると
少々みっともないのであるけれど
横手や裏手だったら、構わないのである。
そんなふうに「空気を読んで」いくことが
この世の中ではとても大切なことなんだ。
(「こんな空気を出してます」おわり)