空間を支えるH形鋼が、
照明も相まって、白く映える。
ハニカムトラスを構成して
水平剛性を確保しているものか。
黒く塗られた屋根下面を背景に
とても白く見えるものである。
構造的に「もつ」ものであればよい。
屋根材の主目的は、確かにその通り。
しかし、その力強さを敢えて魅せて
空間そのものの力感を演出することもできるのだなぁ。
「せつび」同様に、構造も得てして「陰の」存在になりがち。
でもこのように意匠性も主張する構造があっても
また良いのではなかろうか。
H鋼とは異なる表情の、
引張材と思われる鋼管が回廊脇に刺さり、
視覚上の変化を醸し出している。
絵に描いたような、ピン接合。
構造計画と意匠・色彩計画とが
とってもイイ感じに組み合わされているように思える。
ワタクシは、自慢ではないがデザイン的素養は皆無であって
意匠にも構造にも(何なら、設備にも)とんと疎いものではあるのだが
この表現は好みである。
当然のことながら、「好み」は人それぞれであって
これが嫌いである方もきっとおられることだろう。
ま、好き好きなのだ。
何にしても、
意匠・構造・設備などの領域で分離してしまわないで
全体を統合した表現が出来るのは
きっとステキなことだと思うのだ。
(「梁もデザインだ」おわり)