古くは、囲炉裏やら暖炉やら、
「空気調和」なんていうものは無くて
「暖房」をどうするかということに尽きた。
いろいろと鉄製の製品が流通するようになって
薪ストーブやら石炭ストーブやら灯油ストーブやら
そんなものが出てくるようになって。
局所暖房から、中央式の暖房へ。
そして、冷凍機が実用化されるに及んで
空気調和機へ。
水を熱媒として、エアハンにより空気熱媒に変換して
大規模な建物全体を空気調和するようになった。
そんな歴史がある「空調設備」ではあるけれど、
近年はもっぱら「エアコン」によることが増えた。
積雪寒冷地においては、
燃焼式の暖房が不可欠であったものだけれど
低温域におけるヒートポンプ性能の向上に伴い、
また建築物の高気密・高断熱化に伴い、
「エアコン」で十分に「もつ」ようになってきた。
大規模施設でも、ビルマルで済んでしまうようになってきた。
「そんなん、『空調』じゃあねぇ」
という意見もあろうけれども、
実態としてそうなってきているのだから仕方がない。
そんな中、
「蒸気ボイラー」を目にする機会が
めっきり減った。
暖房で使われることは、
ほぼ無くなったように思う。
(自衛隊を除く!?)
たといまだ残っていたとしても、
今後も漸減していくことであろう。
あとは、工場とか大規模調理施設とか病院とか、
少し特殊な用途の建物に限られてくることだろう。
だから、たまに出逢ったときには
記念に撮っておくのだ。
希少価値が出てきてしまっているんだよ。
造ってくださるメーカーさんがいなくては
据えたくても据えられなくなるんだけどね。
(「あまり見かけなくなった」おわり)