特に何の制約も、悩むことも、工夫も必要ない。
けれども、意匠的にちょっと洒落た感じを出そうという建物だと
壁面に取り付けられるいろんなモノが、
普通じゃない対応を迫られることがある。
木材で仕上げた内装の、ホール。
そこに取り付けられるコンセントが
こういう納まりになっていた。
「とにかく、切った」感が出てしまっていないだろうか。
木材の小口処理が、もうちょっと丁寧だったら
より洗練された見栄えになっていたのかもしれない。
プレートの色は、これで良かったかどうか。
木材の切断幅は、これで良かったかどうか。
評価が分かれるところかもしれない。
上の方に、目を向ける。
ずっと上の方まで続く、内装。
その壁面に設けられた、吹出口。
材料の寸法に合わせて設けられた目地と
無関係に切り取られた仕上げ材の開口。
先ほどのコンセントよりも高い位置であるため
小口処理は気にならない。
なぜこのラインに目地を入れたか、
そっちのほうが疑問かもしれない。
が、何らかの深遠な理由があったに違いないのだ。
やむにやまれぬ、
誰が聞いても「そりゃ、仕方ないよね」というような理由かどうかは
わからないけれども、
少なくとも、設計者、施工者、監理者、発注者が
ある程度納得した上での造りに違いないのだ。
内装材を特別にするんなら、
それに絡んでくる設備類も、
やっぱり特別にしなくっちゃならないよね。
そのあたり、意匠設計者と設備設計者(機械設備、電気設備)とが
意思疎通できるかどうか、そこが問われるんだよね。
そして得てして、出来てなかったり、するんだよね。
「えっ!? そんなんなっとったの? 知らんかったぁ〜!」
(「内装と設備と」おわり)