2022年11月23日

そこにあるゼロ

小樽港の中をゆく。



石狩湾の西端に造られた港湾は
物流の拠点として、
フェリーターミナルなどとして
明治期の石炭から現代の豪華客船に至るまで
利用されてきたし、
これからも利用されていくであろう。


22112301.JPG


港の湾側には、
古くに築かれた防波堤が
なお現役で活躍している。


『港湾工学の父』である、廣井勇によるもので、
北海道遺産 として登録されている。



建設コンサルタンツ協会のページ でも紹介されている。



北防波堤に、赤い灯台。



そして、南防波堤に、白い灯台。


22112302.JPG



この灯台の下には、小樽築港2代目事務所長の遺骨が納められている という。



灯台の脇にある文字が気になる。


22112303.JPG


何かの起点か?

それとも水準?


明治期に設けられた文字そのままではなさそうだ。



一体……?



上で紹介しているページなどを見ると、
縦に書かれた ゼロ の左に、海。右に、難、と
丸い看板が取り付けられている。


『海難ゼロ』


というスローガンを貼り付けてあったようだ。


海 と 難 が取れてしまっているのが
現在の状態であるというのが正解のようだ。


ついに、海難が無くなった。


そういう解釈でよろし?

海、難、の2文字が波浪によって取れてしまった事自体が
海難と言えなくもないけれど。



なかなか、
海の構造物も面白いものである。


スローピングブロックシステムなど、
上記で紹介したページを見ていただくと
昔の技術者たちの智慧に圧倒される。



PCやらドローンやら、
道具は目覚ましい進歩を遂げているが、
人間力そのものは果たしてどのくらい進歩できているか。


ちょっと振り返ってみたくなったりもする。



が、まあ、多くの技術者たちは確かに進歩し、向上し、
スキルアップ、レベルアップしているに違いないのだ。


ワタクシは数少ない例外なのかもしれないなぁと、
なんとなく寂しくはある。
(「そこにあるゼロ」おわり)
posted by けろ at 20:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 土木工事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする