石狩湾の西端に造られた港湾は
物流の拠点として、
フェリーターミナルなどとして
明治期の石炭から現代の豪華客船に至るまで
利用されてきたし、
これからも利用されていくであろう。
港の湾側には、
古くに築かれた防波堤が
なお現役で活躍している。
『港湾工学の父』である、廣井勇によるもので、
北海道遺産 として登録されている。
建設コンサルタンツ協会のページ でも紹介されている。
北防波堤に、赤い灯台。
そして、南防波堤に、白い灯台。
この灯台の下には、小樽築港2代目事務所長の遺骨が納められている という。
灯台の脇にある文字が気になる。
何かの起点か?
それとも水準?
明治期に設けられた文字そのままではなさそうだ。
一体……?
上で紹介しているページなどを見ると、
縦に書かれた ゼロ の左に、海。右に、難、と
丸い看板が取り付けられている。
『海難ゼロ』
というスローガンを貼り付けてあったようだ。
海 と 難 が取れてしまっているのが
現在の状態であるというのが正解のようだ。
ついに、海難が無くなった。
そういう解釈でよろし?
海、難、の2文字が波浪によって取れてしまった事自体が
海難と言えなくもないけれど。
なかなか、
海の構造物も面白いものである。
スローピングブロックシステムなど、
上記で紹介したページを見ていただくと
昔の技術者たちの智慧に圧倒される。
PCやらドローンやら、
道具は目覚ましい進歩を遂げているが、
人間力そのものは果たしてどのくらい進歩できているか。
ちょっと振り返ってみたくなったりもする。
が、まあ、多くの技術者たちは確かに進歩し、向上し、
スキルアップ、レベルアップしているに違いないのだ。
ワタクシは数少ない例外なのかもしれないなぁと、
なんとなく寂しくはある。
(「そこにあるゼロ」おわり)