慶長年間からアイヌの人たちとの交易のため
和人が住み始めた場所であるという。
そんな室蘭の地にあるマンホールの蓋。
中央には、市の紋章。
外周にカタカナの「ロ」を6個配置して「ムロ」、
中央に「蘭の花」。
合わせて「ムロラン」という図案なのだという。
昭和11年制定というので、結構当時の流行りの手法か。
蓋にある図案は、ロの字の線が太い感じである。
ちょっとキレイにしてある歩道に並ぶ、蓋たち。
ここにあるものは、
最初の蓋よりも、ロの字の線が細めである。
年代的にも新しそう。
小口径桝の蓋に描かれているのは、
市のマスコットである くじらん である。
噴き出した水の上にあるのは、サッカーボール。
この地では、クジラが見られるため
ホエールウォッチングのツアー もあるのだそうだ。
いくつも並ぶ様が、カワイイのだ。
更に新しそうな蓋もあった。
地の模様が異なる。
室蘭市は、太平洋に突き出した半島地形であるが
その先端を橋で繋いである。
白鳥大橋 と名付けられている。
これが出来たことで、相当にモノや人の流れが変わったという。
ま、そうだよね。大きいよね。
そんな橋をあしらった蓋も、あった。
市章の無い、用途だけ書いた蓋もある。
市章と「汚水」の文字だけの
小口径桝。
色が少々黄色っぽいのは、
夕方だからなのだ。
さて、室蘭市はかつて鉄鋼業で栄えていて
上下水道や電力など、インフラも企業が整備したりしていたため
企業の縮小・撤退に伴い徐々に市に移管されつつあるけれども
当時のものが結構残されている。
新日本製鐵時代の社章が中央に描かれている。
最大18万人くらいの人口があった室蘭市も
令和3年度には8万人を下回った。
平成8年には計33校あった小中学校も
統廃合が進み、今年度は15校にまで減少しているという。
自然も街並みも、
味わい深くてステキな街なんだけれども
容赦なく進む少子高齢化・過疎化・産業の衰退に
なんとか食らいつき抗っていこうとしている
そんな心意気も垣間見られる地なのである。
(「室蘭市のマンホール蓋」おわり)