保温をしてあるやつが蒸気往管で、
してないのが還水管だ。
これらを吊ってある金物にはローラーがついている。
『ローラーバンド』である。
蒸気が通っているときとそうでないときとで
配管内の温度にだいぶ違いが生じる。
すると、金属でできている配管自体が伸び縮みする。
もしもガッチリと固定されていると
その伸縮を吸収する余地が無いから
このようにローラーで吊っておいて
管が動けるようにしてあるのだ。
上部放熱器に接続される部分は、
このようにエルボ返しを何度も使ってクッションを取り
3次元各方向の伸縮を撓みによって吸収できるようにしてある。
蒸気往管には保温されているけれど
支持部分は避けてある。
ローラーが働けるように。
往管も、還水管同様にクッションを取ってある。
当然、ブロック壁貫通部の穴埋めもおこなわれていない……?
最初の写真を見ると、
還水管、埋められちゃってるじゃん(笑)
伸縮、できないや。笑い事じゃ、ないんだな。本来。
温水管よりも厚めの保温材で被覆されているから
蒸気管は、えらく太く見えてしまう。
これらのほかに、
直管の長い部分には伸縮継手が設けてあって
軸方向の伸縮を吸収できるようになっているのだ。
一般の建物では、蒸気配管は見られなくなっていくだろう。
時代の流れだから、仕方がないんだろうね。
(「伸び縮みするから」おわり)