2022年10月08日

伸び縮みするから

蒸気暖房をしている建物の天井内。


22100801.JPG


保温をしてあるやつが蒸気往管で、
してないのが還水管だ。



これらを吊ってある金物にはローラーがついている。

『ローラーバンド』である。



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蒸気が通っているときとそうでないときとで
配管内の温度にだいぶ違いが生じる。

すると、金属でできている配管自体が伸び縮みする。



もしもガッチリと固定されていると
その伸縮を吸収する余地が無いから
このようにローラーで吊っておいて
管が動けるようにしてあるのだ。



上部放熱器に接続される部分は、
このようにエルボ返しを何度も使ってクッションを取り
3次元各方向の伸縮を撓みによって吸収できるようにしてある。



蒸気往管には保温されているけれど
支持部分は避けてある。


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ローラーが働けるように。



往管も、還水管同様にクッションを取ってある。



当然、ブロック壁貫通部の穴埋めもおこなわれていない……?

最初の写真を見ると、
還水管、埋められちゃってるじゃん(笑)
伸縮、できないや。笑い事じゃ、ないんだな。本来。



22100804.JPG


温水管よりも厚めの保温材で被覆されているから
蒸気管は、えらく太く見えてしまう。



これらのほかに、
直管の長い部分には伸縮継手が設けてあって
軸方向の伸縮を吸収できるようになっているのだ。



一般の建物では、蒸気配管は見られなくなっていくだろう。


時代の流れだから、仕方がないんだろうね。
(「伸び縮みするから」おわり)
posted by けろ at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 空調設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする