まっさらな天井に照明器具やら非常照明やら
制気口やらスピーカやら
それぞれの工種ごとにバラバラに設置するのは
調整が大変。
そんな難点を解消することのできる
そんな「システム天井」。
一定のスペースをそれらに割り当てて
まとめてしまっているのである。
天井伏図がシンプルで、
設計段階でほぼ割付が決まっている。
もっとも、スプリンクラヘッドだけは
包含範囲が定まっているから
別途割り付けるしか無いけれど。
さて、表面上はスッキリまとまっているシステム天井であるが
じゃあその天井内は、如何に?
結構階高のある建物ゆえ
鉄骨小梁の下にも余裕でダクトが通る
そんな天井内。
システム天井のライン部分に
ケーブルや配管やダクトが集中する。
まあ、これはこれで良い納まりと言えるかもしれない。
スプリンクラ配管だけは
システム割付と異なる場所にも行かなきゃならないから
独立したルートを確保してある感じ。
錆止塗装のオレンジ色が映えるのは
フラッシュを焚いた一瞬だけだ。
と思ったら、
一部改修した部分なのであろうか、
継手のネジ部分の錆止塗装が無いエルボも見掛けた。
得てして、こういうことが良くある。
新築の手と、改修の手とは
作業の余裕も手間も
監理のあり方も
全く異なるから。
鉄骨大梁は、天井仕上面近くまでの梁成がある。
区画貫通するパスダクトに設けてある防火ダンパーは
今はなきFVDであろうか。
デッキスラブから片持で吊られている。
太い配管に、
ホコリが妙に降り積もっているのが気になる。
いや、ホコリじゃないな。
鉄骨の吹付け?
フリーダムはVVFケーブルと
縦横にきっちり伸ばされている配管と
それらの中間的なフレキダクトとが
それぞれの存在感を醸し出している。
お、奥の梁には
孔が開けられている。
鉄骨造の建物には、
梁の予備スリーブがどうしても欲しい。
アレがないと、改修の際に非常な困難を覚えることが
多々あるから。
新築の時さえ良ければ……っていうのではなくて
将来的な改修も見据えた造りにしてほしいものだ。
箇所数が多いとコスト造にもなるし
耐火被覆もその分面倒が増えるから
あんまり歓迎されないとは思うんだけど。
(「システム天井の中」おわり)