たいていは、透明感を求められて使用される。
ガラスを通じて、屋内から屋外への眺望が確保される。
なのに、そのガラスの表面は、四季折々のさまざまな天候によって
徐々に汚れていくのだ。
雨に含まれる、あるいは風で吹き寄せられる、
ホコリやら砂やら泥やら。
黄砂なんかがやってくると、
急激に汚れることもある。
さて、とある施設の展望台。
UFOのような屋根の一角から生えている、
ガラスの円筒。
あれが、展望台なのである。
他の4本のツノは、換気ガラリのように見える。
あんなところにあるけれども、
展望用なのだから当然のことながらガラスで覆われている。
アレが汚れたら、一体どうやって掃除するの?
よぉく見ると、掃除用の点検はしごが設けてあるのだ。
あのはしごに乗り移るための出入口があって、
アレに乗って、1周ぐるりと清掃できるようになっているんだね。
あのハシゴは、レールに沿って、
奥から手前へと動くのだろうね。
入場料を支払って展望台に入ってみたら
ガラスが汚れていてよく見えない、なんて
許されないもんね。
さて、このガラス全面を掃除するのに
どのくらいの手間がかかるものか。
高所に弱い人じゃ、とても務まらない。
ある程度手早く任務を遂行できなければなるまい。
ここの清掃には、どのくらいの報酬がもらえるのだろう。
地味で目立たない職種かもしれないけれど、
無くてはならない、大事な仕事でもある。
何より、怖い。
いろんな安全措置があって、フルハーネス装備であったとしても、
怖いよね!?
ワタクシには、とうてい出来ないなぁ。
体力的にも、精神力的にも。
(「ガラスは掃除できなくちゃ」おわり)