たまには、いいじゃない。
行き交う車両を、人を、見るともなしに見る。
立ち並ぶ建物は、ついつい見ちゃう。
向こうのほうまで。
おっと、ついつい、目を凝らしてしまうぞ!
いろいろ、乗っかっているものを
見てしまうぞ!
あんな高いところの水槽を、キュービクルを、室外機を、
定期的に点検整備清掃する人たちがいるのだ。
居るし、要るのだ。
存在するし、必要なのだ。
「『人』とい漢字はね、支え合っている様子を表しているんだよ」
そんな事をいちいち言われなくたって
知っている、わかっているつもりではあるんだけれど
普段意識することはないよね。
「せつび」ってのも、
そういう「意識されない」ところで誰かを支えているんだよね。
「隠れたところで密かにはたらいている」
と表現されるんだけれども、
でも実のところ結構「あらわし」になっているんだ。
それほど隠れちゃいないんだ。
いつもそこに、目の前に、あるんだ。
気づかれていないだけで、ね。
アナタの大切な人も、
じつはそんな感じだったりするかもね。
(「あそこにも水槽」おわり)