横とか裏とか、あんまり目立たない場所に追いやって
隠してしまえ、というわけだ。
でも、2本の道路の角地に存在する建物だと
メイン道路を正面側に見立てて
細い道路沿いは「脇」の扱いにするしかない場合もある。
おのずと、そちら面にはさまざまなモノが並ぶことになる。
ゴミ箱、換気フード、電力量計、開閉器盤、ガスメーター、
室外機、ちりとり、物置?、自転車……。
ちょうど電柱も立っていて、支線も伸びていて、
消火器も添えられていて、
いろんなモノが並んでいるために
各々のモノは他に紛れてしまっている感もある。
あれだ。
「木を隠すには森の中」というやつだ。
これだけのモノが並んでいるのに、
誰一人目を留めることはないじゃないか。
存在に気づかれていないじゃないか。
ただの「背景」として、
溶け込んでしまっているじゃないか。
「正面」をキレイに飾っておけば、
皆の視線はそこに向かう。
脇にある雑多な諸々には、意識が向かない。
そういうわけだから、
設備は必死こいて隠すこともないんじゃないか、
という場合もあるだろう。
まあ、高級ブランドのショップだったら
やっぱり考慮しなくちゃならないだろうし、
高級旅館の脇がこんなだったら
やっぱり悪目立ちしちゃいそうだから、
なにごとも「時と場合による」のである。
(「脇に並べりゃ紛れる」おわり)