トイレを、探す。
壁も、床も、古びているその先に
トイレはあった。
もちろん、使用可能なトイレである。
ちゃんと、清掃されていることがわかる。
デッキブラシで、時々擦られているのだ。
洗剤の類が、ライニングの上にたくさん並べられているではないか。
ただ、造りは古い。
ライニングに給水管が刺さっているところを見ると
給水管更新工事は行われているようだ。
湯は、出るのかどうか、わからない。
たぶん、出なさそう。
壁掛小便器2個と、和風便器1個。
イマドキ標準装備のセンサー式ではない、
押し釦式のフラッシュバルブである。
ここには、消臭剤がいっぱい。
それほど臭くは感じなかったけれど、
季節や気温にもよるのかな。
だいぶ古いタイプの、
丸っこい和風便器と
バキュームブレーカー付きのフラッシュバルブ。
陶器製の「注意板」が、昭和感を放っている。
床のモザイクタイルも、絶滅危惧種かな。
この類のトイレは
もはや産業遺産と呼んでも差し支えないのではないか?
SL機関車などのように、
使用可能な「動態展示」としてのトイレなんて、
あっても良いんじゃないかな。
そういう博物館的な施設が、
あちこちにあると良いな。
「誰が行くって言うんだ? そんな所」
「興味を示す人って、居る?」
「ただの無駄な施設」
ワタクシだけかなぁ。
「昔のトイレ博物館」を切望するのは。
(「古そうなトイレ」おわり)