安平町道の駅に設けられている、
鉄道資料館。
多くあるわけではないけれど、
数両の鉄道車両が実物展示されている。
機関庫の中に、昨日のD51が格納されている。
そして、時々外に出てくる日が設定されている。
その他の車両は、
基本的に野ざらしだ。
国鉄色の特急車両は、
札幌〜釧路間を結ぶ特急「おおぞら」のものだ。
数両の編成であったものの、先頭車両だけが展示されている。
連結部以降の車両は、他の場所に引き取られたのか、
はたまた解体廃棄されてしまったものか。
これも、日を決めて内部見学ができるようになっているらしい。
普段は入れない。
訪問日も、虚しく昇降路を眺めるのみであった。
この国鉄マークやヘッドマークを懐かしく思う方も
おられるに違いない。
もっとも、1987年3月をもって国有鉄道ではなくなって
かれこれ35年も経つわけだから
懐かしく感じる方々の年齢は推して知るべしである。
もう、多くの国民にとっては懐かしいものではなくて
「昔の列車」という部類になっているに違いなかろう。
平安時代の牛車と同様の扱いだ。というのは言い過ぎかな。
貨物用の貨車もあって、
こちらは4両分である。
道の駅が新しいこともあって、
車両の塗装はバッチリである。
願わくは、今後のメンテもバッチリであると良いのだが。
そのための費用が確保できるのか、という経済事情が
運命を左右するであろう。
格納中のD51は、こいつによって出し入れされるんだろう。
動態展示とまではいかないが、
それでもある程度移動できるのは良いんじゃないかな。
本邦国策を北海道に観よ!〜北の産業革命「炭鉄港」令和に入ってすぐに日本遺産に指定されたという。
それを記念した
炭鉄港カード が、ここで入手できる。
この手のカード、マンホールカードやダムカードを皮切りに
少々乱造気味な気もするが、
その地を巡って現地で貰えるものとして
良い記念になるのは確かである。
メルカリその他で売り買いするのが好きな人はそれでも構わんけど
ワタクシはそうやって揃えても嬉しくもなんともない。
ま、知人からお土産にいただくのであれば
ありがたく頂戴するのだけれども。
ついでだ、道の駅内も少々観察しておこう。
「機関庫」内の排煙窓用のオペレーターが並ぶ。
火災時、煙が充満しつつあるような場合に、
誰かがここまで走ってきて操作できるものやらどうやら。
法律上・規定上の設置義務と、実効性とは必ずしも一致しない。
が、無いよりは有ったほうが良いには違いない。
無い方がよい、という事態は少なかろう。
内壁仕上材が貼っていないから、
ワイヤーのルートをそのまま追いかけることができる。
電線管類もバッチリだ。
いいねぇ。
暖房と換気は、極めてシンプル。
立形のFF暖房機と有圧扇だ。
右下の、鋼管柱の陰に隠れた消火器は
いざという時には絶対に発見できないな!
道の駅の天井。
ルーバー状の木材の間にはめ込んだ照明器具。
蛍光灯しか無かった時代と比べると
表現の幅は確実に広がっている。
制気口類の配置が、
何となく通常と逆な気がした。
ファンコンベクターなのか、天吊隠蔽型のエアコンなのか、
天井内の納められている機器からの
ブリーズラインと、対応する吸込口。
外壁側にブリーズラインを伸ばすことが多い気がするが
ここでは吸込口を外壁側に持ってきてある。
機器は天井に沿って斜めに吊られているものか?
もしエアコンの場合、ドレンパンの状態には気をつけないと
いろいろヤバそうだ。
気をつけたから、現状大丈夫なのに違いないが。
外観は、まあよくある感じの意匠である。
炭鉱が次々と閉山し、都市部以外の過疎化が進み
ローカル鉄道路線が次々と廃止されつつある中、
「鉄道」という存在自体が「遺産」化していくのだろうか。
時代が変われば、産業構造が変われば
いろいろな事も変わっていく。
当たり前のことではある。
戦争や天災によって破壊されるのでなく
まっとうな構造転換が行われるのであれば
それはそういうものだとして受け止めていけば良いであろう。
自動運転車が一般的になった近未来には
道の駅のあり方もまた、変わっていくだろうか。
(「昔は動いていたんだよ」おわり)